硝酸イオン
硝酸塩
(硝酸イオン から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/05 23:57 UTC 版)
無機化学において、硝酸塩(しょうさんえん、英: nitrate)は、1個の窒素原子と3個の酸素原子からなる硝酸イオン NO3− を持つ塩である。食物、特に野菜から得られる硝酸塩は消化器で亜硝酸塩に変換され、魚に多い2級アミンと反応し、ラットなどの小動物実験では発がん性をもつニトロソアミンを生成するという(硝酸態窒素、亜硝酸塩も参照のこと)。しかし人間が対象の臨床試験や医学論文などでは発がんに関わるという有意なデータが出ておらず、国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)が合同で運営する、添加物、汚染物質について科学的データに基づくリスク評価を行っているFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)は、硝酸塩の摂取と発がんリスクとの間に関連があるという証拠にはならないという見解を発表した。
- ^ 篠田耕三『溶液と溶解度 : 機能性溶液・組織体溶液』(第3版)丸善、1991年。ISBN 4-621-03600-9。
- ^ Romano, N.; Zeng, C. (2007). "Acute toxicity of sodium nitrate, potassium nitrate and potassium chloride and their effects on the hemolymph composition and gill structure of early juvenile blue swimmer crabs (Portunus pelagicus, Linneaus 1758) (Decapoda, Brachyura, Portunidae)." Environmental Toxicology and Chemistry 26: 1955−1962.
硝酸イオン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 08:11 UTC 版)
硝酸イオン(しょうさんイオン、NO3−, nitrate)は硝酸およびその化合物の電離、分解によって主に生じる1価の陰イオン、窒素化合物であり、硝酸塩中にも存在し、平面正三角形型構造で N−O 結合距離は硝酸三水和物中において 124.7 – 126.5 pm である。 硝酸は強い酸化剤であり、多くの金属と反応するため多種の塩を生成する。また一般に、金属の硝酸塩は水に溶解しやすい。 希薄水溶液中における標準酸化還元電位は以下の通りである。 NO 3 − ( aq ) + 2 H + ( aq ) + 2 e − = NO 2 − ( aq ) + H 2 O ( l ) , {\displaystyle {\ce {NO3^{-}(aq){}+2H^{+}(aq){}+2{\mathit {e}}^{-}\ =\ NO2^{-}(aq){}+H2O(l),}}} E ∘ = 0.832 V {\displaystyle E^{\circ }=0.832~\mathrm {V} } NO 3 − ( aq ) + 10 H + ( aq ) + 8 e − = NH 4 + ( aq ) + 3 H 2 O ( l ) , {\displaystyle {\ce {NO3^{-}(aq){}+10H^{+}(aq){}+8{\mathit {e}}^{-}\ =\ NH4^{+}(aq){}+3H2O(l),}}} E ∘ = 0.883 V {\displaystyle E^{\circ }=0.883~\mathrm {V} } 硝酸イオンは白金電極を用いた水溶液の電解により陰極でアンモニアまで還元される。
※この「硝酸イオン」の解説は、「硝酸」の解説の一部です。
「硝酸イオン」を含む「硝酸」の記事については、「硝酸」の概要を参照ください。
硝酸イオンと同じ種類の言葉
- 硝酸イオンのページへのリンク