構造と物理化学的性質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/18 14:31 UTC 版)
「トリアシルグリセロール」の記事における「構造と物理化学的性質」の解説
グリセロール(グリセリン)に結合する脂肪酸の部分は、置換基としてはアシル基である。従って、トリ・アシル・グリセロール=3分子・脂肪酸・グリセロールという意味となる。アシル基となる脂肪酸の種類は極めて多いが、それらアシル基の組み合わせ、グリセロールへの結合位置によって様々なトリアシルグリセロール分子種が生ずる。脂肪酸がn種あるとすれば、理論的にはおよそn3/2種類のトリアシルグリセロール分子種が存在すると考えて良い。個々のトリアシルグリセロール分子種は以下の例の様に呼ばれて区別される。 パルミチン酸が3分子結合した分子種 トリパルミチン、CAS登録番号は555-44-2。パルミチン酸(Palmitic acid)は、略してPと表示できるので、簡単にPPPとも書く。 パルミチン酸が1分子、オレイン酸が2分子結合した分子種 グリセロールへの結合位置によって、1-パルミトイル-2,3-ジオレオイルグリセロール (POO)、1,3-ジオレオイル-2-パルミトイルグリセロール (OPO) などと表示する。オレイン酸 (Oleic acid) は略してOと示す。 パルミトレイン酸、ステアリン酸、リノール酸がそれぞれ1分子ずつ結合した分子種 前述と同様に、1-パルミトオレオイル-2-ステアロイル-3-リノレオイルグリセロール (PoSL)、1-リノレオイル-2-パルミトオレオイル-3-ステアロイルグリセロールなどと表示する。パルミトレイン酸 (Palmitoleic acid)、ステアリン酸 (Stearic acid)、リノール酸 (Linoleic acid) はそれぞれPo、S、Lと略される。 トリアシルグリセロール分子種には立体位置異性体が存在し、2 や 3 の例のように、同じ脂肪酸で構成される分子種であっても POO - OPO - OOP、PoSL - PoLS - SPoL - SLPo - LPoS - LSPo はそれぞれ異なる分子種となる。結合位置が不明な場合(どの異性体か不明な場合)は、POO、PoSL というように脂肪酸の炭素数が小さい順に、二重結合の少ない順に表示することが多い。LPoS というようにアルファベット順に示す場合もある。 個々の脂肪酸は二重結合の有無(不飽和度)によって融点が異なるが、この不飽和度によってトリアシルグリセロールの性質が大きく異なる。不飽和脂肪酸の多いトリアシルグリセロールは室温 (25 °C) で油状の液体だが、飽和脂肪酸の多いトリアシルグリセロールは固体となる。オリーブ油やサフラワー油などは前者に、ココナッツ油やパーム核油は後者に当たる。またトリアシルグリセロールは一般に有機溶媒によく溶けるが、ステアリン酸のような長鎖の飽和脂肪酸が多くなると、アルコール、石油エーテル、ジエチルエーテルなどにも難溶になる。
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構造と物理化学的性質
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「アダムサイト」の記事における「構造と物理化学的性質」の解説
アダムサイトは、ベンゼン環2つが窒素と砒素とで架橋されたような構造をしており、その化学式はC12H9AsClNで、モル質量は277.583 (g/nol)である。常圧での融点は約195 ℃であり、常温常圧においてアダムサイトは黄色から茶色の固体である。この固体は、水には非常に溶解しにくいのに対し、分子構造が似ているベンゼンやキシレンに溶解しやすい他、有機溶媒の四塩化炭素にも溶解しやすい。なお、分解点である410 ℃にまで加熱するとアダムサイトは熱分解を起こす。アダムサイト自体も有害な物質であるものの、熱分解すると塩素や砒素を含んだ新たな有毒物質が発生する。この他、活性炭に吸着されにくいという性質も持っている。
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構造と物理化学的性質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/14 02:28 UTC 版)
ズルチンは、C9H12N2O2の化学式で表せる有機化合物である。尿素のアミノ基の1つに、4位の水素がエトキシ基に置換されたベンゼンが結合している。この構造から明らかなように、ズルチンの分子には、ある程度の極性が存在するものの、水にはほとんど溶けない。むしろ、エタノールやアセトンは溶け易い。 なお、ズルチンは常温常圧で、無色または白色の固体として存在する。
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