松山藩の藩政改革とは? わかりやすく解説

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松山藩の藩政改革

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 02:15 UTC 版)

山田方谷」の記事における「松山藩の藩政改革」の解説

方谷説く理財論」および「擬対策」の実践で、藩政改革成功させた。 理財論は方谷経済論。漢の時代董仲舒言葉である「義を明らかにして利を計らず」の考え方で、改革進めた。つまり、綱紀整え政令明らかにするのが義であるが、その義をあきらかにせずに利である飢餓逃れようと事の内に立った改革では成果あげられないその場しのぎ飢餓対策進めるのではなく、事の外に立って義と利の分別をつけていけば、おのずと道は開け飢餓する者はいなくなることを説いた。 擬対策方谷政治論天下士風衰え賄賂公然と行われたり度をこえて贅沢なことが、財政圧迫する要因になっているのでこれらを改めることを説いたこの方針に基づいて方谷大胆な藩政改革行った。 藩財政内外公開して、藩の実収入年間1万9千石にしかならないことを明らかにし、債務50年返済延期行った(ただし、改革の成功によって数年後には完済している)。 大坂蔵屋敷廃止して領内移設し、堂島米会所動向左右されずに平時には最も有利な市場で米や特産品売却し災害飢饉の際には領民への援助米にあてた。 家中質素倹約命じて上級武士にも下級武士並みの生活を送るように命じ、また領民から賄賂接待を受ける事を禁じて発覚した場合には没収させた。方谷自身家計他人に任せ率先して公開して賄賂受けていないことを明らかにした。 多額発行によって信用失った藩札回収711300匁(金換算11,855両)相当分)し、公衆面前焼き捨てた。代わりに新し藩札発行して藩に兌換義務付けた。これによって藩札流通数が大幅に減少するとともに信用度増して他国商人資金松山藩流れようになった領内取れ砂鉄から備中鍬生産させ、またタバコ和紙柚餅子などの特産品開発して撫育局」を設置して一種専売制導入した。他藩の専売制とは逆に生産に関して生産者利益重視されて、藩は後述流通上の工夫によって利益上げるようにした。 これら特産品を、中間手数料がかかる大坂避け、藩所有艦船蒸気船快風丸」)で直接江戸へ運び藩邸内の施設内で江戸関東近辺(鍬は農村需要高かった)の商人直接販売した。これによって、中間利益排して高い収益性確保する一方で藩士たちに航海術を学ばせた(板倉家同族である安中藩家臣であった若き日新島襄も、この航海演習参加したことがあるという。その後布教訪れている。)。 藩士以外の領民教育にも力を注ぎ、優秀者には農民町人出身でも藩士取立てた。 や竹などの役に立つ植物を庭に植えさせた。更に道路河川・港湾などの公共工事興し貧し領民従事させて現金収入与えたまた、これによって交通の安全や農業用水灌漑充実された。 目安箱設置して領民提案広く訊いた。 犯罪取締強化する一方寄場設置して罪人早期社会復帰助けた下級武士に対して一種屯田制導入し農地開発並行して国境等の警備に当たらせた。しかし武士の反発強く命を狙われたり、自らも長瀬移住し開墾した。 「刀による戦い」に固執する武士に代わって農兵制を導入し若手藩士農民からの志願者によるイギリス式軍隊整えた方谷自身も他藩を訪れて西洋兵学学んだという)。この軍制長州藩(後の奇兵隊)や長岡藩でも模範にされた。 方谷反対意見受けたもののあくまで藩主・家臣が儲けるための政策ではなく、藩全体利益共有して藩の主要な構成員たる領民にそれを最大限還元するための手段であるとして、この批判一顧だにしなかった(事実方谷松山藩執政の期間には加増辞退して、むしろ自分財産減らしている)。これによって、松山藩表高5万石)の収入20万石匹敵するといわれるようになり、農村においても生活に困窮する者はいなくなったという。雄藩準ずるほどの大規模な藩政改革行い、のちの長州藩の手本になるものもあり、当時としては画期的な政策であった

※この「松山藩の藩政改革」の解説は、「山田方谷」の解説の一部です。
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