日本国外での動向
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欧米文化では、日本文化でのやおいに相当するような男性同性愛関係を読み込んだ二次創作(ファン・フィクション)としてスラッシュと呼ばれるものがあり、特にアメリカのテレビドラマ『スタートレック』に登場するジェームズ・T・カークとスポックを題材とした二次創作がK/Sフィクションとして知られている。SF評論家の小谷真理は、スラッシュ文化と日本のやおい文化には多くの共通点があると指摘している。例えば愛好家の大半が女性であること、特有の専門用語が多数存在すること、独自の流通ルートを確立していることなどである。また、前述した『スタートレック』は宇宙船を舞台としたスペースオペラ(SFのジャンル)であるが、日本のやおい文化の誕生する背景となった24年組の少女漫画作品にもSF的な設定が用いられていることがある。これについて小谷真理は、関連のないことがらに対して科学的な関係性を浮かび上がらせる「SF的想像力」が、ストーリー上の些細な点から登場人物の2人の男性に対して同性愛関係を読み込む「やおい的想像力」と符合しているのだと説明している。 日本のやおい・ボーイズラブ文化は1990年代末~2000年頃から欧米に浸透していった。その背景には、もともと欧米にはなかった「女性が漫画を読む」という習慣が日本の漫画文化の流入によって定着してきたことと、インターネットの普及に伴って公式には輸入されていない作品の情報にも容易にアクセス可能になったことが挙げられる。アメリカ合衆国では、2000年にケーブルテレビで『新機動戦記ガンダムW』が放送されたのをきっかけにやおいファンが増加し、2001年にはやおいをテーマとしたコンベンションであるYaoi-Con(英語版)が開催された。2003年からは『FAKE』『グラビテーション』を皮切りに日本の商業ボーイズラブ漫画がアメリカに輸入されて予想以上の売れ行きを記録し、2006年~2007年頃にはアメリカの漫画市場で安定したヒットを維持しているジャンルとして各種メディアでやおいが取り上げられた。一方、漫画は子供が読むものだという社会通念の存在するアメリカでは、若年の登場人物同士による同性愛描写などが問題視されることがあり、警察の介入でボーイズラブ系サイトが閉鎖に追い込まれたり、大手スーパーマーケットのウォルマートがボーイズラブ系の作品を取り扱わないことを宣言するなどの動きも見られる。 専門用語の使い方としては、二次創作を「やおい」、オリジナル商業作品を「ボーイスラブ」と区別するような日本での傾向はアメリカには存在せず、まとめてBL・Yaoiと呼んでいる。長池一美は、欧米ではライトテイストの作品が「少年愛」、性描写のある作品は「やおい」と呼ばれると述べている。「攻め」「受け」といった用語も翻訳されることなくそのままSeme・Ukeとして使われている。 現在では日本や欧米だけでなくアジアや中南米を含めて、メディアの発達とフェミニズム運動を経験した地域ではやおいに相当するサブカルチャーが分布している。
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日本国外での動向
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 08:14 UTC 版)
冷戦の終結と、ソビエト連邦の崩壊によって核兵器の解体が進んでいるため、世界的なプルトニウムの余剰が核不拡散の観点から問題になっている。一方で、プルトニウム利用の主流である高速増殖炉については、各国で計画の中止や遅延が相次いでおり、プルサーマルをプルトニウム処理の有効な方法と捉える向きもある。 ヨーロッパでのプルサーマルの実績は長く、1963年に開始したベルギーを始めとして、イタリアやドイツでは1960年代からの経験がある。また、オランダやスウェーデンでも行われたことがある。ただしドイツ・スイス・ベルギーでは抽出済みのプルトニウム在庫を燃やしたらプルサーマルは終了とされており、今後も再処理を行ってプルトニウムを抽出し、積極的にプルサーマルを続けようとしているのはフランスだけとなっている。 アメリカ合衆国では1960年代にプルサーマルが始められたが、20年間ほど中断が続いた。その後、2005年6月からカトーバ1号機でMOX燃料の試験運転が開始され、同年10月にはエネルギー省所有のサバンナ・リバー・サイトで解体核用のMOX燃料加工工場の建設が開始された。しかし、2015年度の予算教書において、建設費と運営費の高騰を理由に建設が中止された。 また2005年11月には、これとは別に使用済燃料再処理・MOX加工・廃液ガラス固化・中間貯蔵を目的とした複合リサイクル施設建設の予算が議会を通過、承認された。こちらは2007年までに建設場所を選定し、2010年までに着工する予定となっていた。後に原子燃料リサイクルセンター(NFRC:Nuclear Fuel Recycling Center)として後述のGNEPに含まれた。2006年には、アメリカが国際原子力パートナーシップ(GNEP)を発表し、日本を含む国際協力による高速炉を用いた核燃料サイクルの実施計画が開始されたが、2009年にはアメリカでの計画の実施は中止されている。
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日本国外での動向
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2008年4月に『國文學』で発表された東京大学学際情報学府の金ヨニの論文によると、ネット上で連載・公開されるオンライン小説という文化は日本国外にも存在するが、携帯電話によって執筆・公開されその後も携帯電話用のコミュニティによって支えられる、というような日本発祥のケータイ小説に相当するジャンルは日本国外ではあまりみられないとされる。同論文では、日本と同様に携帯電話の普及率が高い韓国や台湾でも日本のケータイ小説に相当するジャンルが存在しないことから、携帯電話の普及率の問題だけでは日本のみでブームとなっている現象を説明できないとしている。そして、韓国では携帯電話というツールが「コミュニケーションの回路を開けるため」に使用されているのに対し、日本ではそれが「公共空間で自分の世界を創るため」に使用されている側面があり、それがケータイ小説の持つ「個人の内面化された世界」という小説の構造と一致していることが背景にあるのではないかと分析している。 2010年時点で南場智子は日本独自の文化とされることが多いがアメリカのサービスで8パーセントが創作活動をしており、ニーズがあると言及している。 英語サイトとして2008年開設のTextNovel.comがあり、iPhoneアプリのeModeを使うと試用期間が終わると一部は有料になるがテキストの保存やお気に入りを他者と共有するなどが可能。 中国では『城外』という作品が同国初の連載SMS小説として知られる。 南アフリカ共和国では、2009年に『Kontax』というケータイ小説が流行し、若年層の識字率を向上させる効果が期待されるということがあった。
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