日本国外での受容の実態と不法ダウンロードとは? わかりやすく解説

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日本国外での受容の実態と不法ダウンロード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 08:26 UTC 版)

ヴィジュアル系」の記事における「日本国外での受容の実態と不法ダウンロード」の解説

2009年10月4日ヴィジュアル系日本国外人気博しているという報道オリコンによりなされた。しかし、日本国外向けて日本の音楽販売する音楽配信サイト「HearJapan」の代表であるネイサン・リーヴンは、特に日本国外ヴィジュアル系ファン向けて自社ウェブサイト書簡掲載した。以下に抄訳して引用する日本国外において、日本の音楽ファン層急速に拡大しており、バンドもようやく海外へ赴くようになり、現地ファンとのつながり持とう行動し始めました。この流れは特にヴィジュアル系顕著であったため、私は(HearJapanの設立に当たり)ヴィジュアル系充実図りました。しかし、ヴィジュアル系以外の他のどのジャンル売上も、ヴィジュアル系比較して五倍の大差をつけたのです。この衝撃筆舌尽くせません。各ヴィジュアル系バンドについているファン無数にいるのにもかかわらず、なぜヴィジュアル系アルバム売上はまるで振るわないのか、私は自問しました。(中略結局ヴィジュアル系音楽を売る唯一の方法は、リリース日直前までのゴリ押し(と結果として購入予約)以外にはないことが分かりましたリリース日以降は、すぐに売れなくなってしまうのです。その理由明快で、バンドレーベル、または楽曲制作時間と金銭を投資した関係者らの許可なく、音楽ファイルネットアップロードされてしまうことに他なりません。ネット上の多くユーザーが、他のヴィジュアル系ファン音楽無料ダウンロードさせることに誇り喜び持っており、さらに重要なことには、それが権利者アーティスト音楽プロダクションレコードレーベル著作権管理団体撮影者など)の許諾なく行われているということなのです。これが、ヴィジュアル系リリース日以降売れなくなる理由です。(中略)HearJapanでのダウンロード販売だけの問題ではありません。私はいくつかのヴィジュアル系バンドCD輸出データ拝見したのですが、残念ながら、そこにはHearJapanのダウンロード販売同様の悲しい相関関係見られました。この手紙はHearJapanがこうむった損失についてお伝えするものではありません。ヴィジュアル系以外のジャンル売上が、ヴィジュアル系売上不振補ってあまりあるものだからです。この手紙でお伝えしたいことは、ネット音源不法に頒布する行為が、アーティストに対してだけではなく巡り巡って結果としてファン自身へともたらされる問題であるということなのです。私は(HearJapanでは配信されていない多くヴィジュアル系バンドおよびレーベルと話をしてきたなかで、異口同音に同じ話を耳にしました公式サイトMySpace海外からのアクセス殺到していることから、彼らは期待膨らませ海外ファン音楽販売しよう努力したところ、巨額損失こうむってしまったとのことです。(中略バンド情報正確に翻訳し音楽ファイルエンコーディングかかりっきりとなり、サイトページにはタグをつけ、宣伝しバンド側の要請に基づき万事これで問題ないかとバンド側へ確認電話何度もかけた私もまた、損失こうむりました。しかしバンド側がこうむった損失比べれば、私の損失など微々たるものです。果たしあなたは、全精力傾けて時間お金使って制作した何かを世に発表し万人から称讃の嵐を浴びたとしても、最後に一銭ももらえずに馬鹿を見ただけだとしたら、そんなことをまた続けたいと思うでしょうか。私には、とてもそうは思えません。(中略しかしながら、(権利者許諾なく音楽ファイルネット上で不法に頒布するユーザーらがうそぶく)もっとも大きな言い訳は、「私はバンドをさらに多くファンへと紹介している。多くファン作ることで私がバンド助けている」から問題ないとする主張です。これは確かに一片真実含んでもいます。しかし私が見た不法ダウンロードはどれも、JロックファンからJロックファンへと回されいました。JロックファンからJロックファンへと音楽ファイル共有したところで、バンド助けにはいささかもなりません。新しファン作り出されることにはならないからです。ネットへの不法アップロードもたらされることといえば、バンドが(金銭面でも)苦心惨憺して制作したアルバムから得られるであろう利益のすべてを抹殺してしまうことくらいです。ファンは、無料手に入る音楽お金払おうとはしません。すでに日本国外一万人を超えるファンがいるというのに、楽曲無料頒布しなければならない理由はどこにもありません。私は、ヴィジュアル系ファン層が、これらの不法行為によって大きく拡張されてきたことをよく存じております。しかし、私はヴィジュアル系アルバム売上がまったく増加していないという事実にも気がついています。もしあなたが他の誰かに、まだ聴いたとがないであろう音楽紹介したい場合は、その楽曲を(ネット頒布せずに)ただ単に送るか、YouTubePVのリンクを送るだけに留めくださいませんか。アーティストわずかなチャンス瞬時抹殺するような行為は、どうか慎んでください。 — ネイサン・リーヴン、HearJapan リーヴンは、インターネットにて楽曲不法に頒布する多くヴィジュアル系ファン痛烈に批判し、その不法行為バンド音楽活動阻害するのみならずバンド今後飛躍する可能性を(とりわけ金銭面から)摘み取ってしまうとして警鐘鳴らしたまた、日本国外ヴィジュアル系ファンの間において音楽ファイル不法な共有常態化しているという実態に関しては、リーヴンの指摘のみならずアニメ情報サイト「Japanator」もリーヴンの発言受けて記事発表した。以下に抄訳して引用する真の問題は、ファイル共有というその場限り入手方法へと、浅はかなファンを結びつけてしまうことだ。ヴィジュアル系略奪格好の的だ。それというのもファン圧倒的多数ヴィジュアル系バンドメンバー外見にしか興味示さず、たとえ熟達したミュージシャン目の前で飛び跳ねようとも彼女について深く知ろうはしないからだ。そういう人々にとって、音楽一切意味がない音楽はかわいい顔単なるオマケ程度のものでしかない。それも、親たちが当惑して首を振るような顔の。こうした若者多くにとって、ヴィジュアル系バンド自分特別な存在なのだという自意識を築くための小道具にすぎないし、単にバンドアルバム持っていることが反抗世慣れした価値観のしるしとなる。(中略ファイル共有音楽産業殺そうとしているのではない。浅はかなファンが殺すのだ。 — ザック・ベンツ、Japanator ベンツ指摘により、いわゆる顔ファン」(バンドマン外見のみでファンになり音楽には興味がないファンを指す俗語)が日本だけではなく日本国外においても存在し、むしろ「顔ファン」が日本国外では主流であることが明らかにされた。 日本国内では、ヴィジュアル系アーティストCD売上ヴィジュアル系専門レコード店での限定購入特典や、専門レコード店開催されるインストア・イベント」に支えられることが多い。これは「AKB商法」としてしばしば批判される売り方共通してはいるものの、限定グッズ限定写真入手したり、あるいは本人会話握手をするためにCDを(一人で何も)購入するという購買動機づけには結びつく。しかし「顔ファン」にとっては音楽は「意味がない」ため、ライブイベントなど本人接触する機会乏し海外在住者は、音楽そのものお金を払う理由がなくなる。 リーヴンが書簡のなかで例示しているが(上記引用文では未訳のため原文参照されたい)、原盤制作には少なくとも一万米ドル上の予算が必要とされるメジャー・レーベルによるフルアルバムの原盤制作ともなれば、一千万近く費用生ずる。しかし日本国外音楽ファンは、アーティストレーベル側から正規購入方法提示されても、音楽に対してあまりお金払おうとしない。それはアーティストレーベル側が費やした原盤制作費を回収できず、次の原盤作る費用捻出できないこと意味する。リーヴンらの指摘は、楽曲違法アップロード日本国外でのヴィジュアル系人気助けているものの、それがヴィジュアル系音楽業界経済的利益直接与えことはなく、ゆえにその衰退助長しうることを明らかにした。

※この「日本国外での受容の実態と不法ダウンロード」の解説は、「ヴィジュアル系」の解説の一部です。
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