日本における使用の歴史とは? わかりやすく解説

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日本における使用の歴史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 19:32 UTC 版)

支那」の記事における「日本における使用の歴史」の解説

日本において、「支那」の言葉入ったのは、隋と同様に漢訳仏典通じてであった平安時代高僧空海詩文集「性霊集」に「支那」が用いられた例が確認できる京都東福寺重要文化財にも「支那禅刹図式」(南宋作)がある。鎌倉時代には虎関師錬元亨釈書王臣伝論に「彼の支那葱嶺の東」と見える室町時代の僧万里集九の「山谷先生を祭る文」にも見える。江戸時代初期卍元師蛮本朝高僧伝巻一「釈福亮伝」には「支那入って嘉祥師に謁し」とある。更に江戸時代初期には世界中にこの地域位置づける場合に「支那」の呼称用いられた例を見ることが出来る。江戸初期西洋紀聞』はキリスト教禁止されていた日本布教目的潜入して捕らえられイタリア人ジョヴァンニ・バッティスタ・シドッチに対して新井白石が行った尋問記録であるが、シドッチ日本上陸1708年宝永5年))および翌年尋問1725年享保10年)頃までに完成させたものであり、その中でアジアアメリカ、ヨーロッパなどと並べて支那」の記述発見できる江戸中期富永仲基出定後語』や、江戸中期の僧大玄の『淨土頌義鈔探玄鈔』や、僧覚深『摩多羅私考』や、佐藤信淵1823年文政6年)に著した混同秘策』でも「支那」が用いられている。 江戸後期には「支那」と同じく梵語から取ったChina」などの訳語としても定着した幕末洋学者佐藤元萇六大陸対比して支那論じる。幕末の英語辞書増訂通語』の万延元年福澤諭吉凡例では英語と中国語との対比で「支那」が使われている。特に明治期以降歴代の王朝名(例:漢、唐、清)とは別に地域的呼称、通時代王朝汎称としての、この地域の名称定めることが必要であるという考え方一般的となり、従来「漢」「唐」などで称していたものを「支那と言い換えることが行われた(例:「漢文学」→「支那文学」)。日本では伝統的に黄河流域国家対し「唐、漢、唐土」の文字用いて「とう、から、もろこし」等と読んできたが、明治以前文献調查では日本対置するものとして「中国」と呼んだ例が存在する明治政府が清と国交結んでからは、国号を「清国」、その国民を「清国人」と呼称した。学術分野では、伝統的には「漢」の文字用いて漢学」「漢文」等の呼称用いられてきたが、明治中葉より、漢人国家やその文化に対して支那」が用いられるようになった。ただし、「漢人」「漢民族」の定義は不確定であり、学術的に確定しているわけではなかった。 大日本帝国日本)は1876年明治9年以降清に大日本帝国郵便網を整備し郵便局在中郵便局)を設置した。これは欧米列強同様に、清で近代的郵便制度未整備であった為であるが、19世紀末清国政府による大清郵政創業してからも存続していた。当初大日本帝国同様に日本切手現地通貨販売していたが、価値の低い清国通貨購入した切手日本列島に送る投機が行われるようになった。そのため1900年明治33年以降大日本帝国使えなくするため加刷切手切り替えた。この時の加刷切手地域名として「支那」を用いている。これは欧米列強中国発行した切手が、国号の"Ch'ing"ではなく"China"(英米)を用いたのと同様であった。この切手また、大日本帝国では支那国家ではなく地域名として用いられていたことを表している。 当初支那」は同様に歴然として辱めた意がなかった。中華民国成立以前大日本帝国公文書においても、いくつか支那使用例存在する。しかし佐藤三郎は、この時期中国人アヘン戦争敗北改革の遅れなどにより「惰弱因循姑息驕慢不遜無能・不潔」といった印象持たれており、同時期に普及した支那」の語がそれに結びつけられるようになった指摘し実藤恵秀日清戦争後には、日本人の「支那」という言葉には軽蔑が交じっていたと指摘している。

※この「日本における使用の歴史」の解説は、「支那」の解説の一部です。
「日本における使用の歴史」を含む「支那」の記事については、「支那」の概要を参照ください。

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