御陵衛士となった隊士(伊東道場一派)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 05:18 UTC 版)
「新選組!」の記事における「御陵衛士となった隊士(伊東道場一派)」の解説
伊東甲子太郎(いとう かしたろう) (伊東大蔵→伊東甲子太郎) 演:谷原章介 参謀。当初の名は大蔵(おおくら)。文武に優れた品のある人物で、怜悧に時勢を見極め外国の知識にも精通しているが、それ故に人を見下す傾向が強い。神道無念流を学んでいたが、江戸に出て北辰一刀流剣術伊東道場に入門し、後に道場を継いだ。門下に藤堂平助がいた。ただし、彼らには試衛館派の土方や芹沢派の新見のような右腕的な補佐役は存在せず、加納、篠原が実質その役割を担った。浪士組には参加しなかったが、挨拶に来た藤堂に餞別を渡し、浪士組とのつながりを持とうとする。 江戸に隊士の募集に戻った近藤に対面し、新選組に入隊し参謀となり名を甲子太郎と改める。しかし、伊東の真意は新選組を尊王攘夷の先駆けとすることであった。その後、「薩長への偵察」との名目で脱隊を図るが、近藤や土方は伊東の本心を見抜きつつもかつての芹沢一派のような流血の事態を避けようと、表面上は騙されたふりをして伊東たちを送り出した。そして御陵衛士を結成するも、討幕派からは新選組にいた過去から信頼を得られず苦悶する。大久保一蔵にかつて新選組にいた過去をぬぐい去るために近藤を斬るよう唆され、近藤の別宅に招かれ伊東はその場で勇を殺害するつもりだったが、近藤から「あなたが弾かれるのは新選組にいたからではなく、彼らのように薩長の生まれではないからだ」と言われ、腹を割って心中を吐露し、自身も近藤から「私も生まれ故に幕府の武士から見下された。だからこそ新選組では生まれよりも士道を重んじた」との主張を聞く事で、互いに追い求める思想は違えども、国を想う気持ちは同じであった事に気が付き、和解する。 しかしその帰路で、事情を知らずに伊東を討ち取ろうと待ち構えていた大石鍬次郎率いる新選組の若手隊士達に襲撃され、近藤の想いを無下にするような彼らの軽率な行動を一喝しつつも、抗争を避けるべくあえて抵抗しようとせずに場を離れようとしたが、その隙を突かれる形で大石によって槍で刺殺されてしまう。その後、御陵衛士側に先立って事態を知った近藤は和解した矢先の伊東の死に愕然としつつも、これにより御陵衛士との抗争が避けられぬものとなってしまったことを悟った土方達に促され、やむなく彼らと刃を交えるという苦渋の決断を下した。 伊東の遺体は、土方の判断で七条油小路に放置され、彼の死を知った御陵衛士の隊士達はこれが罠だと気付くが、「たとえ罠でも、伊東先生の亡骸を晒し者にするわけにはいかない」という理由で現場へ行き、待ちかまえていた新選組との間でついに全面衝突が勃発。藤堂平助をはじめ両陣営に多くの犠牲を出すこととなる。 加納鷲雄(かのう わしお) 演:小原雅人 過激な言動の多い伊東一派にあっては温厚な人物で、仲間を諭したり外交役としての出番が多かった。藤堂平助が伊東大蔵に試衛館への移籍を願い出た際、永倉の提案で沖田と加納が立ち会い沖田が勝てば移籍を認めるという条件で立ち会うが敗れた。そして、「藤堂を譲る代わりに沖田が欲しい」という伊東を諫める。結果伊東は「(試衛館に)しばらくの間貸し付ける」と言いつつも、藤堂の移籍を認めた。沖田には敗れたものの剣術の心得が全く無いわけではなく、油小路の変では永倉と互角に渡り合っている。後に伊東と共に新選組に入隊する。御陵衛士として分派する時に土方とこれ以上隊士が加わることを禁止するとともに、御陵衛士から新選組に復帰することを禁止する取り決めを行った。油小路の変では篠原と共に御陵衛士を主導する。 事件後、復讐のために伏見街道で篠原らとともに近藤を狙撃する。しかし、闇討ちのようなやり方には若干躊躇していた。その後官軍に属して、流山で大久保大和と主張し尋問に行き詰まっていた香川、上田の命により近藤と再会する。そして旧交と任務の板挟みとなった彼に近藤は自ら「加納君、お久しぶりです」と語りかけ、加納もそんな近藤の心遣いを察しながら「ご無沙汰しております、局長」と返した。 篠原泰之進(しのはら たいのしん) 演:小梶直人 伊東一派でも特に好戦的な人物で、自身の主張を強引に押し通そうとする傾向があり、よく加納に諭されている。剣の腕前も確かで、不意を突かれたにもかかわらず斎藤、永倉と互角に渡り合った。長州藩との交渉に臨むべく広島に向かった近藤、伊東に同道する。御陵衛士に参加し、間者として潜り込んだ斎藤一が新選組に戻ろうとした際、斬り合いとなる。油小路の変では加納と共に御陵衛士を主導し、変後、復讐のために伏見街道で近藤を狙撃する。その際、「これでは闇討ちだ」と指摘する加納に対し、「構わん。奴ら(新選組)も散々汚い手を使ってきたではないか」と吐き捨てた。 服部武雄(はっとり たけお) 演:梶浦昭生 伊東と行動を共にする伊東一派随一の武闘派。伊東に従い御陵衛士となり新選組を離れる。油小路の変では二刀流で奮戦するが永倉に斬られ敢え無く戦死する。服部の死を目の当たりにした藤堂はしばしの逡巡の後、咆哮と共にかつての仲間と斬り合う決意を完全に固める。 毛内有之助(もうない ありのすけ) 演:中川泰幸(現・中川邦史朗) 油小路の変で原田に敗れ戦死。(ドラマ内での役名表記なし。) 三木三郎(みき さぶろう) 演:平泉陽太 九番組長(第46回にて10番組編成の名簿に名前あり)。史実では伊東の実弟だがドラマ内では言及なし。伊東に従い御陵衛士となり新選組を離れる。油小路の変にも参戦し、撤退した後は報復として仲間と共に病身の沖田を襲撃するがお孝の機転によって未遂に終わる。 中西昇(なかにし のぼる) 演:猪狩賢二 伊東と行動を共にする。伊東一派が御陵衛士となり新選組を離れた後は登場しない。
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