幾何平均とは? わかりやすく解説

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幾何平均

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/17 19:06 UTC 版)

幾何平均(きかへいきん、: geometric mean)または相乗平均(そうじょうへいきん[1])とは数学における広義の平均の一つである。多くの人が平均と聞いて思い浮かべる算術平均と似ているが、値の総和を n個で割るのでなく、値の総乗n乗根を取る点が異なる。

相乗平均の対数は、値の対数の算術平均に等しくなる。

p一般化平均(p は実数)(一般化平均については平均#一般化平均 2を参照)で p → 0 のときの極限は相乗平均に等しくなる。

定義と例

数の集合またはデータ

Kerns Powers がSMPTE16:9規格を提案した際に示した同一面積の様々なアスペクト比[6]従来のテレビの 4:3/1.33 は赤1.66 はオレンジ16:9/1.77 は青1.85 は黄色パナビジョン/2.2 は藤色CinemaScope/2.35 は紫

幾何平均は映画やビデオの妥協的画面アスペクト比の策定に使われてきた。2つのアスペクト比があるときそれらの幾何平均をとれば、両者を同程度に歪めるか切り取るかした妥協的アスペクト比を提供する。具体的には、面積が等しくアスペクト比が異なる領域を中心を揃えて辺が平行になるように重ねると、それらが重なった領域が両者の幾何平均のアスペクト比と等しくなる。また、両者を全部含む最小の長方形の領域も幾何平均と同じアスペクト比になる。

SMPTE16:9というアスペクト比を選ぶにあたって、2.35:1(スコープ・サイズの映画)と4:3(従来のテレビ)の幾何平均をとって

f は d, e の幾何平均となっている

直角三角形斜辺を底辺としたときの高さは、直角な角から斜辺に描いた垂線で斜辺を分割したときのそれぞれの線分の幾何平均に等しい。

楕円において短半径は焦点から楕円の周上の点との距離の最大値と最小値の幾何平均である。一方、長半径は中心点といずれかの焦点との距離と中心点と準線との距離の幾何平均である。

脚注・出典

  1. ^ 相乗平均』 - コトバンク
  2. ^ 積が負で n が偶数だとその冪根は虚数になるため。また、数値として0 が含まれていると積が常に0となり幾何平均も 0 になってしまう。
  3. ^ 数値群の複数の要素を算術平均を変化させないように拡散させること
  4. ^ Mitchell, Douglas W., "More on spreads and non-arithmetic means," The Mathematical Gazette 88, March 2004, 142-144.
  5. ^ FAQ - HUMAN DEVELOPMENT REPORT
  6. ^ a b TECHNICAL BULLETIN: Understanding Aspect Ratios. The CinemaSource Press. (2001). http://www.cinemasource.com/articles/aspect_ratios.pdf#page=8 2009年10月24日閲覧。. 
  7. ^ US 5956091, "Method of showing 16:9 pictures on 4:3 displays", issued 1999-09-21 

関連項目

外部リンク





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