参戦車両
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 14:50 UTC 版)
「デモリション・ダービー」の記事における「参戦車両」の解説
参加者は伝統的にフルサイズの米国製セダンとステーションワゴン、特に1960年代から1970年代の車両を好んで使用した。フルサイズ車両は後年になるほどより大きく、重く、頑丈なフレームになっていった。とりわけ、1964-1966年式クライスラー・インペリアルは、「車両同士の衝突では全壊させる事自体が難しい」と言われるほどの耐衝撃性の高さから、過去にはデモリション・ダービーにおける伝説的な地位を築いたが、それ故に2016年現在のほとんどのダービーイベントで未だに使用が禁止されている。廃車体は解体屋や個人所有者から500米ドル程度の価格で購入されるが、1970年代中期の一部の選ばれた(かつ、錆が無いもの)車種のセダンやステーションワゴンは、取引価格が1000米ドルを超える事もある。この時期の車種は石油危機(CAFE規制)及びマスキー法の影響を強く受けており、排ガス対策機器によりエンジンのパワーが大きく下がり、5マイルバンパー等の安全装備により車両重量も総じて重くなった事から、1960年代の有鉛ガソリンを用いたフルパワー時代のマッスルカーに比べて絶対的な走行性能も低いと看做され、旧車趣味者からの評価や市場価値も非常に低い為、デモリション・ダービーの参加車両としては特に重宝されている。ダービーイベント参加により破損した車両はパッチ当てによる補修が行われ、幾つかのイベントに再利用される。 解体市場での在庫車の払底によりこれらの旧車の利用可能性が低下するにつれて、1980年代や1990年代のダウンサイジングの影響を受けた小型フルサイズ車が今日のダービーイベントでの主流となりつつある。これとは別に、コンパクトカーによるダービーイベントも階級を別にする形で普及している。コンパクトカーによるイベントは、使用可能な車両の供給量が豊富である利点があり、機動性も高い事からファンにとってはより面白い試合展開となる傾向がある。コンパクトカーは大部分が前輪駆動である為に、車両後部は走行不能になるまでに相当な損傷に堪える事ができる。しかし、車両の高速化はコンパクトカーの走行性能を低下させるほどの致命的な損傷をより頻繁に引き起こす事にも繋がっている。 乗用車によるものとは別の競技としてコンバインやハーベスター、乗用草刈機を用いたデモリション・ダービーが世界各地で実践されている。大型自動車、ピックアップトラックやSUVは、これまでデモリション・ダービーで用いられる事は稀であったが、近年になってダービーイベントでの人気が高まっている。最近では中古車の豊富さから、ミニバンによる新たなイベント階級がダービーイベントに追加された。モーターホームによるデモリション・ダービーも存在している。 参加車両は内装部品、トリム(英語版)(内張り)、プラスチック類、灯火類、窓ガラス(英語版)が取り外される。多くの車両は低予算で派手でけばけばしいデザインに再塗装される。追加の改造として、タイヤのバーストを防止する為にホイールハウス周辺のクォーター・パネルの切除とフロントバンパーの取り外し、ドア(英語版)の溶接、バッテリーと燃料タンクの再配置が含まれる。ラジエーターはしばしば後部座席に移設される。最後に車両全長を伸ばす為に、リアバンパーを取り外してフレームやトランクリッドを延長し、リアサスペンションのコイルスプリングは(規則が許す限り)リーフスプリングに置き換えられる事がある。多くの場合、ロールバーや消火器、及びその他の安全装備が取り付けられる。取り外された部品は互換性のある旧車の修理の為に再利用される為、結果として一部の車両の中古部品のみが過剰に市場に流入する一因ともなっている。殆どの場合、車両の部品は「ノーマル」である必要があるが、無法者や剣闘士と呼ばれる一部の部門では大幅な改造や強化が許容されている。 DDL等のシリーズ戦に参加するベテランドライバーの間では、可能な限りゼネラルモーターズの車種を用いる事が推奨されており、それが難しい場合でも最低限、自身が参加する競技イベントで許された最大サイズの車両を取得する事、ノーマルでリーフスプリングの車両を選ぶ事が定石とされている。装着するタイヤは、少なくともトレッド面に35%以上溝が残ったオールシーズンタイヤやオールテレーンタイヤが好まれる。エンジンの排気量の多寡はさほど重視はされず、飽くまでも車体の大きさが最も重要とされている。デモリション・ダービーでは速度が速い事よりも、車体の耐久性や航続時間が長い事の方が重視される為、機動性が高い反面一度のハードヒットで走行不能に陥るリスクの高い小型軽量な車体や、競技が長時間に及んだ際に燃料切れを起こしたり、駆動輪にトラクション(英語版)が掛からずに泥濘の中でスタックするリスクが高いハイパワーエンジンは余り好まれない。四輪駆動である事は泥のコース内での機動性の高さに寄与する反面、前後軸のどちら側から衝突された場合でも駆動系統を破損して自走不能に追い込まれるリスクが増す。二輪駆動は悪路走破性に劣る反面、特に前輪駆動の場合は非駆動輪の後車軸側が完全に破壊された場合でも前軸のみで動き回る事が不可能ではない為、最後まで生存できる可能性がより高くなる利点がある。
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参戦車両
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「スーパーバイク世界選手権」の記事における「参戦車両」の解説
出場できる車両は、市販されている2・3・4気筒の自然吸気4ストロークエンジンの自動二輪車。あくまでも市販車改造のレースであり、レースに特化した少数生産のプロトタイプ車両の参戦を規制するため150台以上を製造・販売する事がホモロゲーション取得の条件となっており、参戦コストの高騰を防ぐため車両価格にも上限(40,000ユーロ)が設定されている。参戦車両の多様性と性能の均衡を両立させるため気筒数に応じた排気量上限が設けられており、改造範囲は厳しく制限されている。2018年から参戦車両毎に回転数上限が導入された。 車両レギュレーションは市販車両の市場動向、景気の影響などにより過去何度も見直されている。
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