直列4気筒のクロスプレーン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 08:52 UTC 版)
「クロスプレーン」の記事における「直列4気筒のクロスプレーン」の解説
オートバイの直列4気筒エンジンにもクロスプレーンクランクシャフトが採用されている例がある。2009年のヤマハ・YZF-R1では、クロスプレーン式クランクシャフトが採用されたが、90度V型8気筒エンジンとは異なり偶力振動が発生するため、それを解消するためのバランサーシャフトを備えている。 この概念は2004年のMotoGP参戦車両ヤマハ・YZR-M1で初めて採用された。その後ヤマハ発動機の金属鍛造技術の進歩により、市販車両にレース技術が還元された一例である。 クロスプレーン式クランクシャフトは、一般的なシングルプレーンクランクシャフトに比べ最高出力においては不利とされるが、慣性トルクの影響が小さく、よりスロットル操作に直結したリニアな操作性が得られるためコーナリングからの立ち上がり加速において威力を発揮する。クロスプレーンクランクシャフトの直列4気筒エンジンは不等間隔燃焼となるため、いわゆるビッグバンエンジンの点火順序(en:big-bang firing order)によるトラクション性能向上の副次効果も得られる。 市販車両での採用例はヤマハの一部車種に限定されているが、MotoGPの参戦車両においてはヤマハ以外にも採用例があり、スズキ・GSX-RRにも同様のエンジンが採用されていると見られている。過去参戦していたカワサキもニンジャZX-RRにクランクピン配置は異なるが同様のコンセプトのクランクシャフトを採用していた。
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