原作からの改変の概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 05:50 UTC 版)
「病院坂の首縊りの家 (1979年の映画)」の記事における「原作からの改変の概要」の解説
基本的に原作前半部の要素のみから独自に展開させて物語を構成しており、後半部の内容は前半部から持ち越した謎の解明(由香利と小雪の入替、本條写真館が弥生の恐喝に使った写真乾板など)、小雪が終盤で語る兄妹の幼時の生活、徳兵衛殺害未遂の手法や未遂になった理由が原作の直吉と同じであること、吉沢が殺害され滋が関わっていること、徳兵衛が語る事業拡大計画が原作の本條会館に似ていることなどに限られる。原作では死体遺棄などのみで殺人はしていない弥生が2名を殺害、1名も殺害しようとした。 由香利と滋は各々弥生や光枝の孫ではなく子であり、万里子夫妻や透の存在は省略されており、原作での万里子の役割の一部(冬子への応対など)が由香利に割り当てられている。千鶴は弥生の父親とは結婚しておらず、田辺光枝も五十嵐姓を名乗っていない。千鶴は病臥しつつも屋根裏で内密に生きていた。 舞台を「吉野市」へ移したことに伴い、アングリーパイレーツはトラックで米軍キャンプを回って演奏活動をしている設定に変わっており、山内兄妹の住居であるガレージも人里離れたところにある。敏男は法眼家への復讐を計画していたが、天竺浪人の詩集は登場しない。 金田一は最初から渡米を考えており、パスポート用写真撮影のために本條写真館を訪れ、そこで探偵だと名乗ったところ、徳兵衛から調査を依頼された。弥生からも事前に依頼を受けていた設定は無い。 日夏黙太郎(原作の兵頭房太郎)は職を転々としており探偵業にも興味津々で、法眼家の複雑な家系なども調べ上げており、金田一の助手的な立場で立ち回る。 徳兵衛は法眼病院が所有する空きビルで大きな風鈴が落下してくる仕掛けで殺されかけていた。生首風鈴事件の後、ニセ電話で直吉と黙太郎が呼び出されて留守の間に、徳兵衛は現像室で背後から殴られたうえ水槽に顔を押し付けられて溺死し、法眼家に関係する写真乾板が割られていた。直吉は乾板の破片を整理して徳兵衛が弥生を恐喝していたことに気づいて自分が引き継ぎ、首縊りの家へ呼び出されたところ、頭上に落下してきたシャンデリアの吊り金具(敏男の生首が吊るされていたもの)で重傷を負って意識不明となる。 吉沢平次(原作の吉沢平吉)は小雪が由香利に成り替わっていることに気付いて滋を脅迫し、滋は弥生を脅迫、弥生が吉沢を呼び出しギターで撲打したうえ絞殺した。滋がその現場に呼び出されたところへ、吉沢が狙われる可能性に気付いた金田一が現れたため、滋は容疑者扱いされる。 金田一は古本屋で琢也の歌集を探し出して読み込み、南部風鈴を手掛かりに東北地方(水沢や北上)へ調査に行く。宮坂すみは琢也を嫡子として扱うための五十嵐猛蔵の強引な処置の一環として追い出されていたのを金田一が探し出して諸事情を聞き出す。さらに、小雪が母・冬子の形見として持っていた風鈴の内側の銘が琢也の歌集にも記載されていることを手掛かりに、風鈴職人の娘を探し出して冬子の出自を明らかにする。弥生は猛蔵との情事により妊娠出産しており、その子が冬子であった。冬子が弥生不在の間に訪ねてきたのは弥生との親子関係を知ったからであった。 冬子に関する真相が明らかになった後、小雪が敏男と由香利の死の顛末を語る。婚礼写真撮影のあとガレージへ戻ると、薬が切れかけて朦朧とした状態の由香利がトラックの荷台から抜け出し、敏男と争っている間に頭を強打して死亡した。敏男はガラス片で頸を切って自殺、死の間際に小雪に首の扱いを託し、小雪は弥生に助けを求めた。 真相解明の直後、弥生の専属車夫・三之介が千鶴の死を告げる。一同が千鶴に気を取られている間に弥生は三之介の牽く人力車で抜け出し、首縊りの家の前への到着と同時に車内で自害した。 冒頭とラストシーンでは、老推理作家(横溝正史)夫妻と仕事を手伝っている親戚の薬学生・妙ちゃんを、冒頭では金田一、ラストでは黙太郎が訪ねて語り合っている。ラストシーンでは金田一は既に渡米していてサンフランシスコから便りを1度寄越している。写真館は黙太郎が辞めたあとスグに潰れ、黙太郎は職を探していた。なお、妙ちゃんは古本屋の場面にも登場する。
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原作からの改変の概要
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「女王蜂 (1978年の映画)」の記事における「原作からの改変の概要」の解説
大きな変更点として、銀造(原作の欣造)の父が東小路家の馬丁で、事故の責任を押し付けられて獄死したという過去があり、犯行動機の一部とされた。 等々力警部は静岡県警所属で遊佐三郎殺害の捜査を指揮しており、前作と同姓で同一俳優だが金田一と初対面という設定である。ラストシーンの列車内で金田一に遭遇し、表向きは真相を知らないことになっているが実は気付いていることを匂わせる。 その他、以下のような変更があるが、基本的には原作の設定を踏襲している。 原作より1年半ほど遅い昭和27年秋の事件で、智子は18歳ではなく19歳の誕生日を迎える。 舞台が伊豆沖の「月琴島」から伊豆半島天城にある「月琴の里」に変更され、遊佐三郎が殺害された時計台は衣笠家跡ではなく大道寺家にある。 冒頭で日下部死亡の経緯(秀子と九十九が認識していた内容)を提示したあと、遊佐殺害の場面へ飛び、遡って事情が説明される順序になっている。金田一が智子の迎えを依頼された設定は無く単純に脅迫状についての調査依頼を受けており、現場到着は遊佐殺害直後であった。九十九龍馬は遊佐殺害に関する初動捜査が終わったころに現れる。 遊佐死体発見後に時計が動き出したとき、遊佐の腕が巻き込まれて引きちぎられる。遊佐とほぼ同時に姫野東作こと嵐三朝が殺害された設定は無い。殺害直前に智子の婿候補者同士の間で喧嘩沙汰が起きたのは卓球場ではなくテニスコートであり、ラケットと月琴との相似は強調されていない。 旧皇族・衣笠家が旧華族・東小路家に変更され、当主は女性である。加納弁護士が相談者名を秘して金田一に依頼する設定は原作通りだが、原作のように自身が変装して行動する設定は無い。 大道寺の活動拠点、東小路家の本宅、九十九龍馬の心霊研究所(原作の道場に相当)は東京ではなく京都にある。 赤根崎(原作の三宅)は歌舞伎座ではなく東小路家主催の野点で毒殺される。 九十九殺害現場に抜け穴は無く、天井から刃物を落とすことが可能であり、部屋自体の入口が寄木細工で閉ざされていた。 編み記号の暗号は換字法ではなく、編めない部分を線でつなぐと文字になり、アナグラムで文章になる方式。 智子は最後の真相説明を立ち聞きしており、それを知ったうえで月琴の里に残ることを選択する。 『犬神家の一族』『悪魔の手毬唄』『獄門島』に出演した俳優を多く出演させており、そのうち草笛光子、坂口良子、常田富士男、白石加代子らは原作に無いオリジナルの登場人物を演じている。
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