単体金属とは? わかりやすく解説

単体金属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/27 01:15 UTC 版)

第1族元素」の記事における「単体金属」の解説

アルカリ金属単体は、すべて銀色金属光沢放つ金属である。電気伝導性および熱伝導性は、他の金属と同様極めて良好である。しかし、それ以外性質は、他の金属比べて特異的である。第一に、ほとんどの金属が高い融点を持つ中で、アルカリ金属比較融点低く、かつ重い元素ほど低い。セシウム常温より少しだけ高い29融解するナトリウムはその高い熱伝導性と低い融点(98)が故に原子炉の冷却材としても用いられるまた、アルカリ金属は他の金属比べて非常に柔らかい金属である。リチウムナイフ切断でき、カリウムバターのように押しつぶすことができる。さらに特異な性質として、その密度低さあげられるリチウムナトリウムカリウム比重1以下に浮く。特にリチウム密度水の半分程度で、もし反応性柔らかさにさえ目をつぶれば、船を造るのに最適な金属であろういずれも反応性高く周期表周期大きくなるほど、結晶エネルギー解離エンタルピー)が低減するため、激しく反応する傾向見られるリチウムおよびナトリウムの単体金属を得るためには、これらの酸化還元電位いずれも非常に低い(つまり非常に還元されにくい)が、溶融塩電気分解することで生産することができる。(水溶液だとH2O分解され水素発生するカリウムルビジウムセシウムは低融点かつ気化しやすいため単純な電気分解による生産には適しておらず、カリウム溶融させた塩化カリウムナトリウム蒸気反応させることで作られルビジウムおよびセシウムそれぞれの水酸化物金属マグネシウム金属カルシウムによって還元させることで得られる代表的な工業生産法には、溶融した塩化ナトリウム融点降下剤として塩化カルシウム加え、それを電気分解することで金属ナトリウムを得るダウンズ法がある。このアルカリ金属元素の強い還元性は他にも、有機化学分野におけるバーチ還元 (Bürch reduction) などに利用されるいずれのアルカリ金属元素単体、あるいは空気中の酸素反応する為に、それらを避けるためにミネラルオイル中に保存されるオイル拭って放置する自然発火することもあるので取り扱い考慮する必要がある危険物3類)。アルカリ金属反応性の高さは原子量大きいものほど高い傾向があるが、窒素との反応に関して例外的にリチウムのみが直接的な反応によって窒化リチウム (Li3N)を生成するアルコールなどプロトン溶媒とは水素ガス発して反応し生成する水酸化物金属アルコキシドなどは強塩基として利用されるアルカリ金属イオンはハロゲンイオンなど種々のアニオン水溶性の塩を作る。これは、アルカリ金属イオン強く水和することの寄与大きい。これらのアルカリ金属塩の溶解性アルカリ金属イオン挙動強く影響される例えば、クラウンエーテルクリプタンドなどはアルカリ金属イオン包摂化合物形成し、塩は有機溶媒可溶となることが知られている。 カリウム反応次の式であらわされる。 2 K ( s ) + 2 H 2 O ( l ) ⟶ 2 KOH ( aq ) + H 2 ( g ) {\displaystyle {\ce {2K(s) + 2H_2O(l) -> 2KOH(aq) + H_2(g)}}} アルカリ金属一般的金属比べて異常に高い反応性を持つため、超金属とも呼ばれる。特に水との反応劇的であり、重い元素ほど高い反応性を示す。 アルカリ金属元素は、いずれも炎色反応を示す。ナトリウム発光D線呼ばれる波長589 nm単色光であるため、単色光でないと測定できない旋光度測定するための光源利用される。このD線は、実際は1本の輝線ではなく波長589.592 nmD1線と波長588.995 nmD2線の2本に分かれた双子線である。これは、ナトリウム最外殻電子スピンが2方向あるためであり、同様の理由によりナトリウム以外のアルカリ金属元素スペクトル双子線となる。セシウムのみは励起必要な高温を得るために、酸水素炎観察する必要がある。 リチウムナトリウムカリウムルビジウムセシウムフランシウム深紅色 黄色 紫色赤色 青紫色 未確認 フランシウム放射性元素天然からは産出されないが、核反応により少量合成されアルカリ金属としての物性を持つことが確認されている。余談だが、フランス科学者ペレーがこのアルカリ金属単離した際に、母国にちなんフランシウム名付けた。またガリウムフランスを表すラテン語ガリアにちなん名づけられており、フランス二つ元素命名の由来となっている。 アルカリ金属単体低温においてはいずれも体心立方格子等軸晶系結晶であるが、常温においてはカリウムルビジウムセシウム正方晶系結晶となる。 仕事関数小さいという特長活かして光電子増倍管光電面材料にはアルカリ金属主成分とした合金利用されスーパーカミオカンデ使用されたものではバイアルカリと呼ばれるSb-K-Cs合金用いられている。

※この「単体金属」の解説は、「第1族元素」の解説の一部です。
「単体金属」を含む「第1族元素」の記事については、「第1族元素」の概要を参照ください。

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