ダウンズ法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/31 10:03 UTC 版)
ダウンズ法とは、溶融させた塩化ナトリウムを「Downs cell」と呼ばれる特殊な装置において電気分解することで金属ナトリウムを商業生産する、電気化学的な手法である[1]。溶融塩電解の工業利用の一形態である。
1922年にアメリカ合衆国の化学者ジェームズ・クロイド・ダウンズ(James Cloyd Downs, 1885年–1957年)により開発され、1924年に特許を取得した[2][3]。
方法

ダウンズ法では、陽極には炭素電極が、陰極には鉄電極が、電解質には加熱されて溶融した液体の塩化ナトリウムが用いられる。塩化ナトリウムの結晶は電気伝導性が低いが、溶融すると電離し、電流を伝導できるようになる。塩化カルシウムもしくは塩化バリウム、塩化ストロンチウム、フッ化ナトリウム[4]を電解質に添加することで、電解質の溶融温度を低下させることができる(凝固点降下)。塩化ナトリウムの融点は通常801℃であるが、これらの塩を添加することによって600℃でも溶融状態を維持することができる。
陽極では以下の半反応が起こる。
ダウンズ法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 06:47 UTC 版)
ダウンズ法は溶融させた塩化ナトリウムをダウンズセル(Downs cell)と呼ばれる特殊な装置で電気分解する方法である。 (陽極) 2 Cl − ⟶ Cl 2 + 2 e − {\displaystyle {\ce {2Cl^{-}->{Cl2}+2{\it {e}}^{-}}}} (陰極) Na + + e − ⟶ Na {\displaystyle {\ce {{Na+}+{\it {e}}^{-}->Na}}} (全体) 2 Na + + 2 Cl − ⟶ 2 Na + Cl 2 {\displaystyle {\ce {{2Na+}+ 2Cl- -> 2Na + Cl2}}} 金属ナトリウムは塩化ナトリウムよりも密度が低いため、鉄電極(陰極)上の採取部分に浮かび上がってくる仕組みである。
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