溶融電気分解法よる化学物質製造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/17 16:06 UTC 版)
「溶融塩」の記事における「溶融電気分解法よる化学物質製造」の解説
溶融塩電解は電位窓が広い事から、水溶液の電解では製造困難なアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、フッ素などの製造に利用される。この方法では原料物質を溶融した溶融塩を用いる事で原料濃度100%の高濃度溶液として電気分解が可能である。また、イオン導電率が高く、高温であるため反応速度や拡散速度が早くなるため生産性が高く、水溶液電解より小型の電解槽で製造が可能である。また原料塩に他の塩を添加して溶融温度を低下させて加熱エネルギーコストを下げる事も行われる。 2008年段階で下記物質が溶融塩電気分解法で工業的に生産されている。 製品製法使用溶融塩組成/Mol%金属アルミニウム ゼーダベルグ法、ホール・エルー法 NaF(75)-AlF3(25) 金属ナトリウム ダウンズ法 NaCl-CaCl2 フッ素ガス UCC法、PCP法、ICI法 KF-HF 金属カルシウム IG法 CaCl2 三フッ化窒素 三井化学法 NH4F-HF 金属マグネシウム Dow法 MgCl2(25)-NaCl(45-60)、CaCl2(15-25wt%) 金属リチウム LiCl 金属マンガン MnCl2 過去には金属ベリリウム、金属ホウ素、金属シリコンの製造にも用いられたが、1990年代までに他法に取って代わられた。
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