先天性風疹症候群 (せんてんせいふうしんしょうこうぐん)
先天性風疹症候群
先天性風疹症候群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/19 06:36 UTC 版)
先天性風疹症候群 | |
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先天性風疹症候群に罹患した患者。白内障により目が白く濁っている。 | |
概要 | |
診療科 | 小児科学 |
分類および外部参照情報 | |
ICD-10 | P35.0 |
ICD-9-CM | 771.0 |
OMIM | 188030 |
DiseasesDB | 11729 |
MedlinePlus | 001658 |
eMedicine | emerg/388 |
MeSH | D012410 |
先天性風疹症候群(せんてんせいふうしんしょうこうぐん、英語: Congenital rubella syndrome, CRS)とは、妊娠中の女性が風疹に罹患した時に、胎内にいる胎児に感染する疾患の一群を指す。風疹ウイルスが胎児の細胞分裂を抑制し破壊する作用を有するために生じると考えられている[1][2]。
概要
主に妊娠3ヶ月頃までの妊娠初期の女性の罹患が多い。発症する確率は妊娠1ヶ月で50%以上、2ヶ月で35%、3ヶ月で18%、4ヶ月で8%程度とされる[3]。症状は心疾患、難聴、白内障、網膜症、肝脾腫、血小板の減少、糖尿病、発育や精神発達の遅れ、小眼球症などがあり[3]、中でも心疾患、難聴および白内障の3つが三大症状と見なされている[3]。なお、難聴については妊娠6ヶ月頃までの感染でも発症しうる[3]。
また風疹の予防接種は生ワクチンなので、妊娠中に麻疹・風疹混合ワクチンや新三種混合ワクチンの予防接種を受けることは先天性風疹症候群の原因となるため禁忌となっており、女性はワクチン接種後2ヶ月間は避妊することが望ましい。
出典・脚注
- ^ NAEYE, R. L., and BLANC, W.: Pathogenesis of Congenital Rubella. JAMA., 194: 1277-1283, 1965., doi:10.1001/jama.1965.03090250011002
- ^ 西田之昭, 武末正義, 植田浩司 ほか、「先天性風疹症候群とその臨床的診断」 『耳鼻と臨床』 1970年 16巻 4号 p.211-220, doi:10.11334/jibi1954.16.4_211
- ^ a b c d “先天性風疹症候群とは”. 国立感染症研究所. 2019年8月30日閲覧。
関連項目
外部リンク
先天性風疹症候群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 04:20 UTC 版)
詳細は「先天性風疹症候群」を参照 妊娠10週までに妊婦が風疹ウイルスに初感染すると、90%の胎児に様々な影響を及ぼす。この先天性風疹症候群(congenital rubella syndrome:CRS)の典型的な三大症状は、心奇形・難聴・白内障である。11 - 16週までの感染では10 - 20%に発生する。妊娠20週以降の感染で発生することはまれとされる。 診断は、新生児血清IgM特異抗体検出で確定診断可能。エコー下穿刺液によるPCR法で胎内診断も可能である。しかし、先天性風疹症候群を容易に再現できる動物モデルが存在していないため、発症機序は解明されていない。 1941年にグレッグによって、新生児に白内障や心奇形が発生したと初めて報告された。成人でも30 - 50%程度の無症状感染者があるので、母親が無症状であってもCRSは発生し得る。また、出生前に感染した乳児は、出生後数ヶ月感染力を持ち続けるとされている。
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