風疹ワクチン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/02 15:11 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動ワクチン概要 | |
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病気 | 風疹 |
種別 | 弱毒ワクチン |
臨床データ | |
販売名 | Meruvax, other |
MedlinePlus | a601176 |
識別 | |
CAS番号 |
![]() |
ATCコード | J07BJ01 (WHO) |
ChemSpider | none ![]() |
風疹ワクチン(ふうしんワクチン)とは、風疹の予防に用いられるワクチンである[1]。
概説
初回のワクチン投与から約2週間ほどで95%の人に免疫がつく[1]。予防接種を受けてる人口の多い国での風疹や先天性風疹症候群の発症は稀である[1]。 幼児期に予防接種を受けてる人口が少ない場合、特に妊娠出産期の女性は予防前の小児や風疹ウイルスとの暴露の機会が増え、先天性風疹の発症率が高くなる[1]。よって、80%以上の人口が予防接種をすることは重要なことである[1]。
世界保健機関(WHO)は全ての人に風疹ワクチンの定期予防接種を推奨している[1]。もし人口の全体が予防接種を受けてない場合、最低限妊娠出産適齢期のパートナーは予防接種を受けるべきである[1]。妊娠している人や免疫機能が非常に乏しい人には投与するべきではない[1]。1回の投与で95%の人々に免疫はつくが、2回投与されることで、確実に免疫獲得ができる[1]。
一般的に副作用は軽度である[1]。穿刺患部の発熱、発疹、痛み、赤みが生じることがある[1]。女性には接種後から1~3週間ほど関節に痛みが生じることがある[1]。重度のアレルギーはまれである[1]。風疹ワクチンは弱毒化ウイルスのワクチンである[1]。
この単体ワクチンは、複数の生ワクチンと組み合わせたものがある[1]。麻疹ワクチン、おたふくかぜワクチン、風疹ワクチンの組み合わさったMMRワクチン、または麻疹ワクチンと風疹ワクチンのMRワクチン、麻疹ワクチン、おたふくかぜワクチン、風疹ワクチン、水痘ワクチンの組み合わさったMMRVワクチンがある[1]。
風疹ワクチンが承認されたのは1969年である[2]。このワクチンは世界保健機関の必須医薬品リストに掲載されており、医療制度に必要な最も効果的で安全な医薬品である[3]。2009年には世界130以上の国の定期的予防接種の1つになっている。2014年の開発途上国でのMMRワクチンの卸売価は1投与$0.24米ドルである[4]。 米国では$50~$100米ドルで売られている[5]。
脚注
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p “Rubella vaccines: WHO position paper.”. Releve epidemiologique hebdomadaire / Section d'hygiene du Secretariat de la Societe des Nations = Weekly epidemiological record / Health Section of the Secretariat of the League of Nations 86 (29): 301–16. (15 July 2011). PMID 21766537. オリジナルの4 March 2016時点におけるアーカイブ。 .
- ^ Atkinson, William (2011). Epidemiology and Prevention of Vaccine-Preventable Diseases (12 ed.). Public Health Foundation. pp. 301–323.
ISBN 9780983263135. オリジナルの2017-05-01時点におけるアーカイブ。 2015年3月閲覧。Check date values in:
|access-date=
(en:Help:CS1_errors#bad_date help) - ^ “WHO Model List of Essential Medicines (19th List)”. World Health Organization (2015年4月). 2016年12月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年12月8日閲覧。
- ^ “Vaccine, Measles-Mumps-rubella”. International Drug Price Indicator Guide. 2016年1月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年12月8日閲覧。
- ^ Hamilton, Richart (2015). Tarascon Pocket Pharmacopoeia 2015 Deluxe Lab-Coat Edition. Jones & Bartlett Learning. p. 315. ISBN 9781284057560
風疹ワクチン
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詳細は「風疹ワクチン」を参照 RNAウイルスは一般的にゲノムが比較的不安定で変異しやすい言われているものの、風疹ウイルスの場合は、ワクチン接種が有効とされており、弱毒風疹生ワクチンも存在する。ただし、ワクチンを接種しても直後から効果が得られるわけでは無い上に、TORCH病原体の1つである風疹ウイルスの生ワクチン、すなわち、病原性を弱めてあるとは言え増殖能力を持った風疹ウイルスであるため、このワクチンは妊婦に対して禁忌とされており、妊娠中は使用できない。そして、胎児に先天性風疹症候群が起きた場合は、基本的に回復不能であり、胎児は出生後、生涯にわたって障害を抱えることになる。したがって、特に妊娠を希望する女性は、妊娠する前に接種しておくことが望ましいとされている。中には、初潮を迎える前の女児に、弱毒風疹生ワクチンを接種するようにしている地域も見られ、例えば日本では2015年以降は1歳から2歳までの間と6歳から7歳までの間に接種できるような施策を取っている。 しかしながら、弱毒風疹生ワクチンであるため、免疫抑制剤を使用している者や、ステロイドホルモン剤の大量使用に伴って免疫抑制状態にあると考えられる者に対しても禁忌であり、使用できない。弱毒風疹生ワクチンは比較的安全なワクチンとされているものの、免疫抑制状態では弱毒性とは言え、風疹ウイルスの増殖を押さえ込めない可能性があり、危険だからである。この他、一般的なワクチンと同様に、重篤な急性疾患に罹患していたり、高熱を発していたりしても、安全のために禁忌とされており、使用できないなど、制約も存在する。また、一般的なワクチンと同様に、一定の確率で副作用も発生し得る。 なお、風疹ワクチンの保管上の注意点として、弱毒性の風疹ウイルスが失活しないように、5 ℃以下で凍結しないように保存しなければならず、また、太陽光や紫外線に当てないように遮光を必要とする。
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