新三種混合ワクチン
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グラクソ・スミスクラインの Priorix
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成分一覧 | |
---|---|
麻疹ワクチン | 生ワクチン |
流行性耳下腺炎ワクチン | 生ワクチン |
風疹ワクチン | 生ワクチン |
臨床データ | |
販売名 | M-M-R II, Priorix, Tresivac, Trimovax, その他 |
Drugs.com | |
法的規制 |
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データベースID | |
ATCコード | J07BD52 (WHO) |
ChemSpider | none |
新三種混合ワクチン(しんさんしゅこんごうワクチン)とは、麻疹(measles)、流行性耳下腺炎(おたふく風邪、mumps)、風疹(rubella)の三種の弱毒化ウイルスが混合された3価生ワクチンで、頭文字からMMRワクチンと呼ばれる。日本では後述のワクチン禍を引き起こしたことから承認が取り消されたため、現在生産されている国産MMRワクチンは無い。
概要
日本では、1988年(昭和63年)から1993年(平成5年)まで予防接種が実施されていた。しかし、大阪大学微生物病研究所の占部株ムンプスワクチンによる無菌性髄膜炎発生率が高い事が問題となり、接種中止となった。1993年4月、占部株の製造企業に立ち入り調査が行われた結果、細胞培養法のみが承認されていたが、無許可で1989年1月から細胞培養法+羊膜培養法に変更していたことがわかった[1][2]。2006年(平成18年)4月から、副反応が問題となった占部株ムンプスワクチンを除いた、麻疹・風疹混合(MR)ワクチンの予防接種が開始された。世界では、グラクソ・スミスクラインの商品名 Priorix が有名なMMRワクチンである。
日本で輸入のMMRワクチンを接種することは、国立国際医療研究センター病院など薬監証明を取ったトラベルクリニックの自由診療で予防接種が可能で、日本の医薬品医療機器総合機構による医薬品副作用被害救済制度は適用されないが、輸入ワクチン副作用被害者補償制度(輸入商社による補償制度)の対象となる。
アメリカ合衆国においては、1971年から一般的に行われており、現在では改良された混合ワクチンが利用されている。さらに2005年には、アメリカ食品医薬品局(FDA)が、麻疹・流行性耳下腺炎・風疹・水痘-帯状疱疹の4価ワクチン(MMRV、Vは varicella-zoster の頭文字)の予防接種を認可している。
ランセットでの自閉症論文掲載と抹消
1998年、新三種混合ワクチンの接種と自閉症の発症との間に「関係性があると指摘する論文」が、医学雑誌『ランセット』に発表され[1]、イギリス・アメリカ合衆国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドにおいて、ワクチン接種が激減し、麻疹に感染する子供が増加した。2010年1月、イギリスの医事委員会(General Medical Council)は、論文に問題があることを指摘し、ワクチンと自閉症の関連性が全否定された[2]。
『ランセット』は、捏造された虚偽のデータに基づく科学における不正行為であるとして、2010年2月2日に論文を抹消し[3][4]、イギリス政府は主著者であるアンドリュー・ウェイクフィールドの医師免許を剥奪するという懲戒処分に至った[5]。
2011年に追調査が行われ、詐欺であったことを裏付ける論文が発表されている[6]。
関連性が全否定された後でも、論文の影響は根強く残り続けた。イタリアではワクチンを受ける子供が減少した結果、麻疹の発症が3倍に増えるという余波が見られ、それにより未接種者は義務教育を受けられない法律が施行された[7]。
出典
- ^ Wakefield AJ, Murch SH, Anthony A et al. (28 February 1998). “Ileal-lymphoid-nodular hyperplasia, non-specific colitis, and pervasive developmental disorder in children”. Lancet 351 (9103): 637–41. doi:10.1016/S0140-6736(97)11096-0. PMID 9500320 .
- ^ “英医学誌、自閉症と新三種混合ワクチンの関係示した論文を撤回” (日本語). AFPBB News (フランス通信社). (2010年2月3日) 2017年1月18日閲覧。
- ^ Harris, Gardiner (2010年2月2日). “Journal Retracts 1998 Paper Linking Autism to Vaccines”. The New York Times. オリジナルの2010年12月1日時点におけるアーカイブ。 2011年1月6日閲覧。
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) (説明)⚠ - ^ “Medical journal retracts study linking autism to vaccine”. CNN. (2010年2月2日) 2010年2月2日閲覧。
- ^ Meikle, James; Boseley, Sarah (2010年5月24日). “MMR row doctor Andrew Wakefield struck off register”. The Guardian (London). オリジナルの2010年5月27日時点におけるアーカイブ。 2010年5月24日閲覧。
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) (説明)⚠ - ^ Godlee F, Smith J, Marcovitch H (2011). “Wakefield's article linking MMR vaccine and autism was fraudulent”. BMJ 342: c7452. doi:10.1136/bmj.c7452. PMID 21209060 .
- ^ イタリア、予防接種を就学の条件に AFP(2017年5月20日)2017年5月20日閲覧
関連項目
- ワクチン忌避
- ヒトパピローマウイルスワクチン - 副反応が報道された結果、日本で接種者が激減した。
- MMRワクチン告発 - アンドリュー・ウェイクフィールドが監督を務めたアメリカ映画
- MMRワクチン捏造論文事件
外部リンク
MMRワクチン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 18:18 UTC 版)
詳細は「MMRワクチンと自閉症(英語版)」を参照 イギリスでは、1998年にアンドリュー・ウェイクフィールドらが、ワクチン投与直後に発症した自閉症スペクトラム障害を主とする12の子供の症例報告を『ランセット』に発表した後、MMRワクチンが論争の的となった。 1998年の記者会見においてウェイクフィールドは、1度に予防接種を行うよりも、3回に分けて子供にワクチンを投与した方が安全であることを示唆した。この示唆はその論文によっても支持されておらず、その後のいくつかの査読済み研究論文では、ワクチンと自閉症の間にいかなる関連性も示すこともできなかった。後に、ウェイクフィールドはワクチン製造業者との訴訟当事者から資金を受け取っていたことが判明したが、彼は自らの利益相反を同僚や医療機関へ申告していなかった。このことが知られていれば、ランセット誌での発表は行われていなかったであろう。 ウェイクフィールドは、予防接種率の低下を引き起こしたことについて科学的見地から厳しく批判され (イギリスの予防接種率は研究の翌年に80%まで低下した)、研究の実施手法についても倫理的見地から批判がなされた。2004年に、論文のMMRワクチンと自閉症についての解釈は12人の共著者のうちの10人によって撤回がなされ、2010年にはランセット誌の編集者によって論文の完全な撤回がなされた。ウェイクフィールドは、ランセット誌に発表された研究における意図的な改竄を特定する声明とともにイギリスの医師免許を剥奪され、イギリスでの医療行為が禁止された。 CDC、IOM、イギリスの国民保健サービスはすべて、MMRワクチンと自閉症の関連についてはいかなるエビデンスも存在しないと結論付けた。また、コクラン・ライブラリによるシステマティック・レビューは、MMRワクチンと自閉症の間に信頼性の高い関連は存在しないこと、依然として多くの死者と合併症をもたらしている疾病をMMRワクチンが予防してきたこと、MMRワクチンに対する信頼の欠如によって公衆衛生が損なわれたこと、MMRワクチン研究の実験デザインやその安全性に関する報告はほとんどが不適切なものであることを結論付けた。 2009年にサンデー・タイムズ紙は、ウェイクフィールドが1998年の論文において患者のデータを操作して誤った結果を報告し、自閉症との見かけ上の関連性を作り出した、と報じた。2011年のブリティッシュ・メディカル・ジャーナルの記事では、研究データが予め決められた結論に達するよう、ウェイクフィールドによっていかに改竄されていたかが記述された。同ジャーナルの付随論説では、ウェイクフィールドの仕事は、予防接種率の低下を引き起こし、数十万人の子供を危険にさらし、自閉症の真の原因の研究からエネルギーと金銭をそらすこととなった、「手の込んだ詐欺」であると記述された。 アメリカ合衆国では、全国ワクチン被害救済プログラム(英語版) (National Vaccine Injury Compensation Program) のもとで主張を検討する特別法廷が招集され、2009年2月12日、自閉症の子供の親は、特定のワクチンが子供に自閉症を引き起こしたという主張では、補償を受ける権利がないことが示された。
※この「MMRワクチン」の解説は、「ワクチン忌避」の解説の一部です。
「MMRワクチン」を含む「ワクチン忌避」の記事については、「ワクチン忌避」の概要を参照ください。
「MMR ワクチン」の例文・使い方・用例・文例
- 経口ワクチン
- 私の娘は生後4カ月でBCGワクチンを接種しました。
- ワクチン接種をしていない子供は何パーセントですか。
- 私はサイトメガロウィルスからワクチンを開発するために研究している。
- 髄膜炎菌多糖(類)ワクチン
- 診療所では汚染防止のために単一用量のワクチン瓶を採用している。
- 肺炎球菌ワクチン
- その犬は鼻腔内ワクチンを投与された。
- 彼女はそのワクチンに無反応者だと判明した。
- そのワクチンには十分な免疫原性がなかったことが、後日わかった。
- 我々は犠牲者の数を減らすために、ワクチンの値段を安くしなければならない。
- 髄膜炎ワクチン
- ワクチンを接種する必要は無い。
- お子さまは経口ポリオワクチンを接種したことがありますか。
- お子さまは不活化ポリオワクチンを接種したことがありますか。
- 流感の予防ワクチンの注射をした。
- ポリオワクチンは済んでいます。
- 皮下にワクチンを注射する.
- 経口ワクチン, 生ワクチン 《小児まひ予防用》.
- ワクチンを作る.
MMRワクチンと同じ種類の言葉
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