代表的な食品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/02 14:12 UTC 版)
アルゼンチンのほとんどの地域は、牛肉を多用した食事で知られている。「アサード」のグリルした肉は定番で、特にステーキやリブ肉が一般的である。「アサード」という用語自体は牛の脇腹肉の細切りを意味している。 「チョリソ」(豚肉のソーセージ)、「モルシージャ」(ブラッドソーセージ)、「チンチュリネス」(もつ煮)、「モジェーハス」(胸腺)や動物のその他の部位も楽しまれている。 しかしながら、パタゴニアでは、ラムやチビート(山羊)が牛肉よりも頻繁に食されている。伝統的に丸の子羊や山羊は、asado a la estaca(ステーキのアサード)と知られる手法で、焚火の上で調理される。 アサードで最も一般的な調味料は、香草、大蒜および酢のソースの「チミチュリ」である。他の調合品とはことなり、アルゼンチンでは「チミチュリ」にチリペッパーを入れないが、辛さが穏やかな赤唐辛子のアヒ・モリードを使っている。 パン粉をつけて揚げた肉(「ミラネーサ」)は軽食やサンドイッチの具として、あるいはマッシュポテトやピュレと一緒に温かいまま食べられる。肉、チーズ、スイートコーンおよびその他のさまざまな具を詰めた小さなペイストリーの「エンパナーダ」はパーティーやピクニックの場で普通に見られ、あるいは食事の前菜として用いられる。バリエーションの empanada gallega (ガリシア州のエンパナーダ)は最も一般的にツナとサバ(スペイン語で caballa)で作られる大きくて丸いミートパイである。 野菜やサラダもアルゼンチンで食べられており、トマト、玉ねぎ、レタス、ナス、カボチャおよびズッキーニが一般的なサイドディッシュである。 ピッツァやパスタなどのイタリア料理の定番も牛肉同様に一般的に食されている。「フィデオス」(麺)、「タジャリネス」(「フェットゥチーネ」および「タリアテッレ」)、「ニョキス」(「ニョッキ」)などが伝統的に毎月29日に供され、「ラビオレス」と「カネロネス」(カネロニ)は大都市の多くの店舗で出来立てを買うことができる。イタリアンスタイルのアイスクリームは大きなパーラーやドライブスルーの店舗で供されている。その他のイタリア料理の定番としては「ポレンタ」、「トルタ・パスカリーナ」、「パスタ・フローラ」などがある。 チュブでは、ウェールズ系コミュニティが、スコーンや「タルタ・ネグラ」(英語版)に似た「タルタ・ガレサ」を提供するティーハウスが知られている。 「サンドイッチ・デ・ミーガ(英語版)」は皮を取り除いてバターを塗ったイギリスパン、非常に薄くスライスした塩漬け肉、チーズ、レタスでできたデリケートなサンドイッチである。しばしば、起業家の家庭料理人から購入され、軽い夕食として食べられたりもする。 甘いペーストの「ドゥルセ・デ・レチェ」は、ケーキやパンケーキに詰めたり、朝食用にトーストに塗ったり、アイスクリームに添えられたりするもう一つの大事な国民的な食品である。「アルファホーレス(英語版)」はチョコレートとドゥルセ・デ・レチェか果実のペーストを挟んだショートブレッドクッキーである。"警察官" ないし "トラック運転手" のお菓子はマルメロのペーストか「ドゥルセ・デ・メンブリージョ」(英語版)とチーズの組み合わせである。「ドゥルセ・デ・バタタ(英語版)」はサツマイモから作られ、これとチーズを合わせたものが「マルティン・フィエロ(英語版)」のお菓子である。林檎、洋梨、桃、キウイフルーツ、アボカドおよび梅が主要な輸出品である。 アルゼンチンの伝統的な飲み物は「マテ茶」(スペイン語の mate は第一音にアクセントをつけて「マテ」)と呼ばれる抽出液である。名称は伝統的に飲むのに使用してきた中空のヒョウタンにちなんでいる。 「マテ」(ヒョウタン)かその他の小さなカップのおよそ四分の三がイェルバ・マテの乾燥させた葉や小枝で満たされている。やや苦い飲み物は「ボンビージャ」と呼ばれる金属やサトウキビ製のストローを使って飲まれる。「マテ茶」は砂糖で甘くしたり、ハーブや乾燥したオレンジ・ピールで香りをつけることもできる。 沸騰はしていない熱湯がヒョウタンに注がれ、飲まれると、「マテ」が再び湯で満たされる。「マテ」の中はほぼ葉で一杯なので、それぞれの抽出で少量の飲み物ができるだけだが、「イェルバ」を使い切るまでに何度もお湯を注ぐことができる。小さな集まりでは伝統的に薬缶を持っている人がお湯を注いで、人から人に「マテ」がてわたさっる。お湯を注ぐ人に毎回例を言わないのが通例であり、最後の gracias は飲み手がもう十分だという意思表示と見なされる 。 「マテ茶」を一緒に飲むことは重要な社会的儀礼である。「マテ・コシード(英語版)」は同じ葉を使うが、熱湯で淹れるのではなく煮出して、紅茶のようにミルクと砂糖を添えて供される。 その他の典型的な飲み物としてはワイン(時には炭酸水で割って)があり、紅茶とコーヒーも同様に重要である。キルメスは発祥の地であるブエノスアイレス州キルメスの街にちなんだ、ペール・ラガーのナショナルブランドである。
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