ドライブ・スルー
ドライブスルー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/15 15:38 UTC 版)

左の施設から商品のやり取りを行える

右側の駐車場とは別に、左側に専用通路が設けられている

左側に専用通路、右側が駐車用窓口に分岐(2024年に閉店、建物も解体済)。
ドライブスルー(英語: drive-through、drive-thru)は、利用者が自動車に乗ったまま商品やサービスの提供と、運転による即時退出ができる機能およびその通路・設備である。
概要
入口から自動車で進入してきた利用者は、そのまま自動車から降りることなく窓越しに商品の受け取りや代金の支払いなどのサービスを利用し、用が済むとそのまま自動車を前進させて出口から退出できるようになっている。
一般的にはハンバーガー店をはじめとするファーストフード店での利用実態が広く知られているが、他にも銀行窓口(ATM)[1][2][3]、クリーニング受付・引渡し、調剤薬局での受取[2][3]など応用範囲は広い。
2020年から続く新型コロナウイルスの流行で、人との接触を最小限にすることができることから、様々な業種で急速に拡大している。
アメリカ合衆国
ドライブスルーの形式は、1930年代にアメリカ合衆国で生まれ[4]、その後は他の国々にも広まっていった。
アメリカでは車社会が発達していることもあり様々な業種のドライブスルーがある[3]。図書館の本の貸出(要予約)や返却を行うドライブスルー[3]、募金を促す寄付のためのドライブスルー[3]などである。ラスベガスには結婚式を執り行うドライブスルーもある[3]。
アメリカでドライブスルーが発達した理由としては、駐車場を探す手間が省けるという理由のほか、治安面で夜間や人気のない場所でも犯罪から身を守ることができること、子供連れや身体が不自由な場合に利便性があることなどがある[3]。
日本
ファーストフード店のドライブスルーは日本でもお馴染みの存在となっている[3]。ハンバーガー、フライドチキン、牛丼、コーヒーといったドライブスルーは決して珍しくなく、ラーメン、すしなど非ファーストフードのものも徐々に登場している。
日本では、年賀状の受付期間における混雑緩和のため郵便局の駐車場で差出ができる「年賀状引受ドライブスルー」[5]や、酒店において顧客が車両に乗ったまま購入品の引き渡しや空ケースの引き取りを行うサービスを実施しているところもある。
なお、少なくとも日本では業界初とされる旅行会社における導入事例では、事前に電話申込を行ってから出向くことを推奨するほか、比較的単純なチケットの受け渡し以外の複雑な旅行相談などはドライブスルーではない併設の既存窓口で行うとするなど、ドライブスルーの役割を特化している[6]。
日本においては1960年代半ばが導入の端緒といわれるが、正確な記録が残っていないため、起源ははっきりしていない。
- 当時の役員がアメリカを旅行した際、現地の車社会を目の当たりにし「海苔も車に乗ったまま買えるようにしよう」と思いついたのが導入のきっかけであった。ドライブスルーの発祥について、同社は「日本初と思われる」としている[7]。
- 同社の研修旅行でアメリカへ行った際、現地のファーストフード店のドライブスルーを見た創業者が車社会への対応を見越して導入を決めた。ファーストフード業界では国内初だが、同社はドライブスルーの発祥そのものに関しては「正確に日本一(国内初)なのかどうかまでは不明」としている[8]。
- ファーストフード業界では上記の前年のフレンドに次ぐものだが、マクドナルドでは当時の高井戸店の設備について「日本で初めての本格的なドライブスルー方式を採用」としている[9]。
2020年、新型コロナウイルス感染拡大に際し、オープンスペースで効率的に検体を採取できる事に着目し、ドライブスルー方式のPCR検査が各地で行われている[10]。
関連項目
脚注
- ^ “こんなATMがあります!!”. 2013年7月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年7月13日閲覧。
- ^ a b “ドライブスルー型の銀行窓口 全国初、愛知で4月オープン”. 2013年3月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年7月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g h アメリカ・合理的なドライブスルー社会 Listn.me、2017年2月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年2月6日閲覧。
- ^ Robert J. Sickels (ed), The 1940s, Greenwood Press, 2004, p. 107.
- ^ “年賀状差し出し、車から楽々 金沢でドライブスルー開始”. 2013年7月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年7月13日閲覧。
- ^ 石垣で旅行業界初の「ドライブスルー」 -航空券3分で手元に - 石垣経済新聞(2013年5月10日付、同年7月13日閲覧)
- ^ “日本橋こぼれ話 NORIYA'S BLOG「日本初のドライブスルー?」”. 2013年5月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年3月12日閲覧。
- ^ フレンド調査隊「マ○クよりも早い!? ドライブスルーの謎」 - フレンド、2022年12月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。(2013年3月12日閲覧)
- ^ “沿革”. 日本マクドナルド. 2020年6月25日閲覧。
- ^ 新型コロナウイルス感染症ドライブスルーPCR検査のシミュレーションを実施 - 山梨大学 2020年5月1日
ドライブスルー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 03:44 UTC 版)
ドライブスルーは日本国外で「マックドライブ」と呼称される。利用手順は車両をメニューが掲示されたマイク前に移動し注文する。この際店員から支払い金額が請求される。 通常はマイク越しに店内にいるインカムを装着した店員に話し掛けることになるが、一部店舗では休日のピーク時を中心に、移動型のレジを伴った店員に直接話し掛ける状況もある。この場合もレジは有線で店内のシステムに直結しているため店内のMade For Youシステムへも注文が直接伝わる。WOT(Wireless OrderTaker, ワイヤレスオーダーテイカー)と称する小型のタッチパネル端末で受注することもある。WOTはほとんどの場合コーポレートカラーである赤色の肩掛けケースに入れられている。WOTは注文を無線方式でキッチンへ伝達するため混雑時に店内で用いられることがある。この場合、決済やレシート発行はカウンターのレジで行う。導入極初期はテレビ画面に映る店員に向かって注文する形だったが、その後テレビは撤去されてメニュー板のみになっていた。近年の店舗ではマイクの下に注文を表示するディスプレイが導入されている。 その後順路に沿って車両を進めると商品受け渡し口がある。まず代金を支払い、袋などに入った商品を受け取る。一部の古い店舗で見られる受け渡し口手前の使用されていない窓口もしくはその跡は、かつて代金の支払いと商品の受け渡しを別々の窓口で行っていた名残である。現在もこの形態を採る店舗も存在し、休日のピーク時のみ支払いと受け渡しが異なる店舗も存在する。近年オに新規開店した店でも、ピーク時以外でこの方式が採用されている場合もある。雨が多い地域では商品を濡らさないために配慮されており、日本の店舗では受け渡し口に通常屋根がある。マックカフェバイバリスタ取扱店舗かつマックカフェドライブスルー対応店舗では、代金支払い、ハンバーガーなどの通常商品受取、マックカフェ商品専用受取の計3か所受け渡し口がある店舗も存在する。商品を受け取った後に車両を進めると公道へ出る。 購入商品が多いなど受け渡しまでに時間を要する際、ドライブスルー進行レーンから外れた待機場所で待たされる。多くの場合、店員が商品を車両まで運搬する。 ドライブスルーは主に普通乗用車などを対象としているが、オートバイや自転車など二輪車両での利用は、商品受け取り後の走行や自動車による追突など安全上の理由で、店舗によっては断られる場合もある。トレーラーやトラックの場合車両限界などで利用できない場合もあるが、これらに配慮したドライブスルー設置店舗も幹線道路沿線に見られ、送迎や路線などバスでの利用もある。
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