代表的な高層天気図の等圧面
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/26 09:09 UTC 版)
「高層天気図」の記事における「代表的な高層天気図の等圧面」の解説
850hPa 対流圏下層を代表する層で、地上の摩擦力などの影響がなくなる高さにあたる。主に前線の解析や、相当温位から暖気移流、寒気移流などを解析する。この高さの気温が-6℃以下の場合冬に雪が降る目安といわれる。海抜高度では約1,300 - 1,600m付近(気温、湿度、地上気圧、重力加速度等によって変動する。以下同じ)に相当する。 700hPa この層では収束、発散が少なく、上昇流(p速度)を解析できる。上昇流が強ければ対流が強いということで、対流雲の発生と悪天候が予想される。また、気温から露点温度を引いた湿数が3℃以下の地域(湿潤域)は雲が発生している可能性が高く、雲の位置がおおよそ解析できる。海抜高度では約2,700 - 3,100m付近に相当する。 500hPa 中層を代表する層で、高層気象図の代表格。主に中層の移流や気圧の谷、峰を解析し、また寒冷渦(寒冷低気圧、切り離し低気圧、カットオフ・ロー)などの存在を解析する。冬場の雪について考える場合は-36℃以下の寒気が入ると大雪になる可能性があるので、天気予報でよく耳にする「寒気が上空に入って大雪」という場合はほとんどがこの-36℃の等温線が日本にかかったときなどの表現となる。また、夏場の大気不安定による雷も、上空に相対的な寒気が入った場合に起こりやすくなる。この場合も天気予報ではよく「寒気が上空に入って大気が不安定」と説明される。海抜高度では約4,900 - 5,700m付近に相当する。 300hPa 上層を代表する層で、ジェット気流を解析する。海抜高度では約8,500 - 10,000m付近に相当する。 250hPa, 200hPa, 100hPa 上層の気象を解析する。特に200hPa天気図には対流圏界面高度やジェット気流軸が表示され、圏界面付近の気象解析やジェットの流れの解析に都合がよい。海抜高度では11,000 - 16,000m付近に相当し、数ヶ月単位での長期予報に利用される。航空機の運航には200hPaや250hPaも利用されるが、100hPaが利用されることはほとんどない。 50hPa, 30hPa, 10hPa 長期予報や季節予報に利用されるが、観測網が粗くデータが少ないため精度に欠ける。海抜高度ではそれぞれ、約20,000m、約24,000m、約30,000m付近に相当する。
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