代表的な高山気候
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/22 02:26 UTC 版)
高山気候は海抜の高い土地にしか現れないため、当然ながら水半球では分布が見られない。[要出典]海抜が 2,000m 以上となる土地は地球上の全陸地の約3割にあたるが、そのさらに3割は南極大陸にあるため高地気候ではない。 位置する緯度の違いによって気候に違いが見られる。 熱帯高山気候 - 南北の回帰線に挟まれた低緯度地域は、気温の年較差が小さく日較差のほうが大きい。植生については、十分な日射により太陽光は確保できるため、水分が確保できる条件では森林限界高度が高くなる。ケッペンの気候区分では温帯夏雨気候もしくは西岸海洋性気候に属する地域が多く、熱帯果樹で耐寒性の高いものはこのような地域からの原産が多い。 温帯高山気候 - 気温が日較差よりも年較差のほうが大きいため、年間を通じた積算温度の影響が大きくなる。ケッペンの気候区分では寒帯、亜寒帯、西岸海洋性気候のうちのCfc(夏も冷涼)のいずれかに属し、植生も寒帯もしくは亜寒帯気候に似るが、日射が多い点で本質的には異なる。温帯では概ね標高 2000m 以上の高地に分布するとされる。 なお、日本にも富士山や飛騨山脈をはじめ標高 2000m 以上の高山は多数存在し、山頂付近などごく一部に高山気候の特色が現れる。しかし、気候区として区分できるほどには広範囲でなく、また小さなテリトリーでは緯度による気温帯以外の要因で森林限界を生じていることがあるため、通常はこれらの山々を高山気候には分類しない。 世界においても森林限界の要因が標高基準だけによっているとは限らず、また地域は山岳気候とも重なっていて基準は明確でない。現在の主な分布は概ね新生代以降の造山運動で生じた山脈中の高山地域に重なる。以下は代表的な分布地である。 熱帯高山気候 - ボルネオ島、ニューギニア島、アフリカ東部、アビシニア(現在のエチオピア)、メキシコ、アンデス中部の、いずれも高原や山岳地帯。 温帯山岳気候 - チベット高原、ヒマラヤ山脈、ヨーロッパ・アルプス、ロッキー山脈、アンデス山脈中部の、いずれも山岳地帯。同様の気候条件は日本の日本アルプスの山頂付近などにみられる。 高山では侵食による地形が気候に及ぼす影響が無視できないほど大きい。山体の陽斜面で植生が発達していても陰斜面や深い長谷の底では全く異なっているということも少なくない。盆地地形では気温の年較差日較差とも大きくなり、乾燥化がより進む。また、卓越風の影響が大きくなるため一般には風が強い。
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