代表的な非線形光学現象とは? わかりやすく解説

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代表的な非線形光学現象

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/23 23:23 UTC 版)

非線形光学」の記事における「代表的な非線形光学現象」の解説

光高調波発生 ある周波数入射光によって、物質から整数倍の周波数の光が放出される現象非線形光学効果中でも最も早く観測され基本的な過程であり、中でも2倍(第二高調波発生SHG)、および3倍(第三高調波発生THG)の周波数の光を放出する過程は重要。主な応用レーザー光短波領域への波長変換である。 光混合 位相整合条件下で、異な複数周波数入射光によって、それらのいずれとも異な結合周波数の光を物質から発生する現象和周波発生、差周波発生ともいう。光混合光高調波発生一般化取り扱えるが、周波数異な二つの光が入射するという点で区別される量子力学的には、和周波発生周波数 ω 1 {\displaystyle \omega _{1}} と ω 2 {\displaystyle \omega _{2}} の二つ光子消滅して周波数 ω 3 = ω 1 + ω 2 {\displaystyle \omega _{3}=\omega _{1}+\omega _{2}} を持つ一つ光子生まれ現象のこと(差周波発生では周波数 ω 3 = ω 1 − ω 2 {\displaystyle \omega _{3}=\omega _{1}-\omega _{2}} を持つ一つ光子生まれる)。差周波発生の過程光パラメトリック増幅とも関連付けられる。これらの現象発見により、様々な周波数に光を変換できるようになった。これらを考えるときに、Manley-Roweの関係式用いられる光パラメトリック効果 放出される2つの光の周波数の和が入射光周波数等し現象周波数変換という観点において、光混合と共に語られることもある。光パラメトリック増幅器光パラメトリック発振器誘導ラマン散乱、コヒーレントラマン散乱誘導ブリュアン散乱誘導コンプトン散乱四光混合など。 多光子遷移 複数個の光子同時に吸収または放出して光子エネルギーの和または差に相当する固有状態遷移する現象一般にn光子遷移は、nが奇数場合遷移初期および終了状態の間に偶・奇、nが偶数なら偶・偶あるいは奇・奇パリティ則がある。n=2の最も簡単な場合2つ光子同時に吸収する2光子吸収と、1つ光子吸収して1つ光子放出するラマン散乱がある。ただし、誘導ラマン散乱、コヒーレントラマン散乱非線形光学過程であるが、通常のラマン散乱自然放出ラマン散乱)は、非線形光学過程には分類されない高感度、高分解能分光法同位体分離などに利用される非線形屈折率変化 通常光強度依存しない媒質屈折率が、入射光強度強いために媒質中屈折率分布作る現象屈折率複素数拡張して議論することで、2光子吸収非線形屈折率変化として扱えるビーム媒質中一点収束したり(自己収束)、周波数変調受けたり自己位相変調)、透過光強度入射光強度履歴依存したり(光双安定性)と、現象多彩自己収束光学部品破壊原因ともなるので、大出レーザーにおいては重要な技術的問題であり、自己位相変調レーザー超短パルス化や光ファイバー用いた情報通信技術に、光双安定性は光スイッチング技術それぞれ重要。 電場依存屈折率変化 媒質屈折率が、媒質かけられ電場依存して変化する現象非線形屈折率変化一種である。電気光学効果呼ばれ二次および三次非線形光学効果としてポッケルス効果カー効果知られる可動部品の不要な焦点可変レンズなどに利用される位相共役鏡 TBD補償光学実現法として研究されている。 非線形光学効果はどんな物質にも現れるために、通常の気体液体固体もとよりプラズマ生体粒子ビームなども対象となる。また非線形光学では現象そのもの研究対象なるだけでなく、光の発生制御測定などの光エレクトロニクス非線形光学効果通じて物性を探る非線形分光学さらにはそれらの知識技術利用したレーザー工学など広い応用分野がある。

※この「代表的な非線形光学現象」の解説は、「非線形光学」の解説の一部です。
「代表的な非線形光学現象」を含む「非線形光学」の記事については、「非線形光学」の概要を参照ください。

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