2光子吸収過程
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/07/15 20:19 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動2光子吸収過程とは、多光子吸収過程のうち、同時に2個の光子が吸収されることによって、電子や原子の状態が励起され高いエネルギー準位に遷移すること。通常、非常に低い確率で発生する現象だが、レーザー光を収束させるなどの方法によって光子密度の大きな電磁波を作ると、多数個の光子が同時に吸収される状態が観測できるようになる。
特に、レーザーを収束させることによって生じる2光子吸収が発生する確率は、光子密度に対して非線形である(発生効率が光強度の自乗に比例して発生する)ため、2光子吸収が発生する範囲は、波長によって規定されるビームウェストより小さくなる。そのため、高分解能な顕微鏡や、光造形に応用されることがある。また、エネルギーの低い光で、高い遷移エネルギーを作り出すことができるため、例えば通常紫外線によって生じるような励起を赤外線レーザーによって発生させることもできる。
関連項目
参考文献
- 『次世代光記録材料』 奥田昌宏、シーエムシー出版、ISBN 978-4781300641
- 『ナノオプティクス・ナノフォトニクスのすべて: ナノ光技術の基礎から実用まで』、河田聡、ISBN 978-4902410075
2光子吸収
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 15:06 UTC 版)
「シリコンフォトニクス」の記事における「2光子吸収」の解説
シリコンは1対の光子が電子-正孔対を励起するように働く2光子吸収を示す。この過程はカー効果と関連があり、複素屈折率の類推により複素カー非線形の虚部と考えることができる。1.55マイクロメートルの電気通信波長では、この虚部は実部の約10%である。 2光子吸収の影響は、光を無駄にし望ましくない熱を生成するため非常に破壊的である。しかし、2光子吸収のカー比が低くなる長い波長に切り替えるか、スロット導波路(内部非線形材料がカー比に対する2光子吸収が低い)を使用することで軽減することができる。もしくは、2光子吸収により失われたエネルギーは、生成された電荷キャリアからエネルギーを抽出することにより(後述の通り)部分的に取り戻すことができる。
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