2冊制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/02 20:36 UTC 版)
two-part code、randomized code、hatted codeとも。 この方式では、原語と暗語の対応はランダムである。言い換えると、原語側を辞書順など何らかの組織立った順序に並べた時には暗語側の順序には何の法則も無くランダムであり、逆に、暗語側を何らかの順序で並べた時の原語側の順序も同様である。このため実用的な速度での作業のためには、暗号化用と復号用の別の表を必要とすることからその名がある。なお2冊に別けて製本する必要は無く、1冊にまとめてあることも多い。 2冊制の例 1 (暗号化用) 原語暗語Black FFC Blue OHY Green XLD Orange OFF Red MVT Violet SJM White AZV Yellow GET 2冊制の例 2 (上記で暗号化されたものからの復号用) 原語暗語White AZV Black FFC Yellow GET Red MVT Orange OFF Blue OHY Violet SJM Green XLD この方式には1冊制と比べ、不規則さにより、攻撃が難しくなる利点がある。 さらに1冊制よりもエラーの検出が容易である利点もある。例えば上記の1冊制コードにおいて、Blackを示すCAAの3文字目のAが通信エラーにCになった場合、復号側においてCACを、システム的に通信エラーだと気付くことは不可能である(平文の文意から気付くかもしれないが、それは「システム的」ではないし、もしかしたら本来意図した平文が「間違った文章」なのかもしれないわけである)。しかし2冊制の場合はコードが1文字違いの別コードになっても、類似性のある原語(別の色)になる可能性が低いのでエラーを検知しやすい。
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