ライフサイクル‐アセスメント【life cycle assessment】
ライフサイクルアセスメント
ライフサイクルアセスメント
ライフサイクルアセスメント
ライフサイクルアセスメントとは、ある製品が生産されてから廃棄されるまでの間に、環境に与える影響や負荷を評価する考え方、あるいは手法のことである。
ある製品を産出する資源の採掘に始まり、素材の製造、製品の生産、流通、使用されて廃棄されるに至るまで、製品のライフサイクル全体を見渡し、資源消費量やエネルギー消費量、排出物量などを求める。
ライフサイクルアセスメントによって、総合的な環境への影響と負荷を測定することができ、負荷軽減の方途を見出すことが容易になる。また製品を、その寿命を把握しながら設計することができ、よりリーズナブルな生産が可能となる。
ライフサイクルアセスメント(LCA)
ライフサイクル・アセスメント
ひとつの製品が製造→使用→廃棄または再利用されるまで,すべての段階における環境への影響を総合的に評価する方法。数値としては,投入されるエネルギー量,材料の使用量,排出される二酸化炭素量などが使われる。たとえば,消費段階では二酸化炭素の発生する量が少ない製品でも,生産や廃棄段階まで合わせると無視できない製品もあり,同じ機能を持つ2社の製品を比べたり,旧型製品と新型製品の環境への負荷を比べたりするのに役立つ。欧米諸国などへ製品を輸出するに当たり,LCAによる評価が求められるケースが増えてきつつあり,日本企業の中でも,LCAを本格的に導入する企業が増えている。
ライフサイクルアセスメント
ライフサイクルアセスメント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/05 08:54 UTC 版)
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ライフサイクルアセスメント (life-cycle assessment: LCA) とは製品やサービスに対する環境影響評価の手法のこと。
「環境アセスメント」では主に、大規模開発等による環境への影響を予め評価することを目的とするが「ライフサイクルアセスメント」では、主に個別の商品の製造、輸送、販売、使用、廃棄、再利用までの各段階における環境負荷を明らかにし、その改善策をステークホルダーと伴に議論し検討する。
このような環境負荷の少ない商品の開発や設計については特に『環境配慮設計』と呼ばれ、「環境工学」の一分野にもなっている。
また、代替製品や新製品の環境負荷を既存の製品と比較し、より環境負荷の少ない製品、サービスへの切り替えを行う意思決定のツールでもある。
近年では、カーボンフットプリントなど「環境負荷の見える化」のための指標を計算するためのツールとしても用いられている。
LCAの手法
ISO14040/44ではLCAを、1. 目的・評価範囲の設定 2. インベントリ分析 3. 影響評価 4. 解釈 の4つのステージから構成されると規定している。
1. 目的・評価範囲の設定では、システム境界と機能単位、評価する環境負荷を決め、評価の目的を明らかにする段階である。システム境界は、評価するプロセスとその範囲のことである。機能単位とは、評価する単位である。機能単位の設定では、例えば、「車一台の生産」など製品単位だけではなく、「人一人を1km移動させること」などのサービス単位を設定することが出来る。
2. インベントリ分析とは、決定されたシステム境界内の製品のライフサイクルにおいてエネルギーや材料などがどれだけ投入され、また排気ガスや廃棄物がどれだけ放出されたかを分析することである。
3. 影響評価とは、様々な環境負荷(二酸化炭素などの温室効果ガス、窒素酸化物などの大気汚染物質、油などの水質汚濁物質)を、環境影響に換算(これを特性化という)することである。設定された目的と、評価範囲の投入排出項目をみて、適切に環境影響領域を選択することが必要である。定量化された複数の環境影響に重み付けを行った上で足し合わせ、統合化することもある。重み付けをどのようにするかは立場や考え方によって異なるため、ISO規格において重み付けは必須要素に含まれていない。
1.2.3の各段階で、LCA実行者とステークホルダーが情報の共有と意思疎通を行う。
4. 解釈が行われ、それぞれで、LCAを行うことの理解と、製品・サービスにかかわる環境負荷への理解が深まり、より適切な意思決定が目指される。
LCAの歴史
1969年に米コカ・コーラ社がミッドウェスト研究所(現フランクリン研究所)に委託して行ったリターナブル瓶と飲料缶の環境負荷評価がLCAの基礎を築いたとされる。
1972年にはイギリスにおいても飲料容器の製造エネルギー評価が行われている。
1970年代には、1973年の第一次石油ショックもあり、現在のLCAに似たREPA (Resource and Environmental Profile Analysis) の研究が進められた。
1984年にはスイスの生協であるミグロスが国とチューリッヒ工科大学と包装材料について共同研究を行った。ミグロスではLCAの結果に基づき製品の包装方法を改善している。
1991年にはオランダのライデン大学が製品のライフサイクル分析のマニュアルを発行した。
1996年にはスウェーデンの環境研究所とボルボが環境影響の経済評価手法を開発した。
日本では1995年(平成7年)に産官学の協力によりLCA日本フォーラムが設立され、データベースの必要性などがポリシーステートメントとしてまとめられた。それを受け、1998年(平成10年)度から2002年(平成14年)度に第1期LCAプロジェクト、2003年(平成15年)度から2005年(平成17年)度まで第2期LCAプロジェクトが実施された。
これら一連のLCAプロジェクトを通じ、データベースの拡充、日本版被害算定型環境影響評価手法(LIME)、地域におけるLCAの応用などがなされた。また2004年(平成16年)には日本LCA学会が設立された。
関連項目
外部リンク
- 日本LCA学会
- LCAお役立ち情報
- ライフサイクルアセスメント(LCA) - 国立環境研究所
- The European Commission's Directory of LCA services, tools and databases
- The European Commission's LCA database ELCD (free of charge)
- PwCのLCA(Life Cycle Assessment)コンサルティング
- 『LCAが変える産業の未来』(PwC Japanグループ)
ライフサイクルアセスメント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 04:23 UTC 版)
「グリーンマーケティング」の記事における「ライフサイクルアセスメント」の解説
1980年代後半、ライフサイクルアセスメント(LCA)のような、マーケティング上の意思決定に環境配慮を組み込むための新たな手法が考案された.。ライフサイクルアセスメントは、ある製品がそのライフサイクルを通じて生み出す、主な環境影響のタイプを明らかにするモデルである。LCAはISO14040に沿って開発された。その主要な目標は、廃棄されるまでの製品のエネルギーと環境における経歴を示すことにある。正確な工程評価の作成や、改善の可能性を探る必要性から、LCAを用いることの意義が高まった。それを用いることによって、環境、エネルギー、並びに、経済の効率性、及び、工程全体の効果を向上させることができる。加えて、リサイクル材料を使用することで得られる、環境における優位性を定量化することも、その目的の一つであった。
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