ペルシアのシビュラとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > ペルシアのシビュラの意味・解説 

ペルシアのシビュラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/08 14:52 UTC 版)

ミケランジェロ・ブオナローティペルシアの巫女』。1511年。ローマシスティーナ礼拝堂天井画

ペルシアのシビュラ古希: Περσική Σίβυλλα, : Persian Sibyl)は、ギリシア神話およびローマ神話に登場する、アポローン神託を告げる巫女シビュラの1人である[1]

概要

シビュラとはもともと固有名詞であったが、早くから複数のシビュラが各地にいたと考えられた。たとえば、3世紀から4世紀頃の初期キリスト教の著述家ルキウス・カエキリウス・フィルミアヌス・ラクタンティウスが引用した古代ローマの学者マルクス・テレンティウス・ウァッロは様々な地域に10人のシビュラが存在したと述べた。ウァッロは各地のシビュラについて挙げていく中で最初にペルシアのシビュラを挙げ、ニカノール(Nικάνωρ)という人物がマケドニアアレクサンドロス大王の歴史を書いた際に言及したと述べた。ちなみに他のシビュラは、リビュアのシビュラデルポイのシビュラ、キンメリアのシビュラのシビュラ、エリュトライのシビュラ、サモスのシビュラ、クーマエのシビュラ、ヘレースポントスのシビュラ、プリュギアのシビュラ、ティーブルのシビュラであった[2]

ペルシアのシビュラはその出身や呼び名について多くの異説があったようである。旅行家パウサニアースオリエント世界にシビュラがいたとする伝説について触れ、デルポイのシビュラやクーマエのシビュラの後にヘブライ人の中にシビュラが現れたと述べた。彼女はベーロソスとエリュマンテーの娘で、サッペーという名前であった。しかしバビュロン出身あるいはエジプト出身とする説もあったという[3]

さらに10世紀にまとめられた辞典『スーダ』はカルデアのシビュラの項目でいくつかの別名について挙げ、ヘブライ人のシビュラ、あるいはペルシアのシビュラとも呼ばれると述べた。『スーダ』によるとカルデアのシビュラは『旧約聖書』に登場するノアの末裔にあたり、名をサムベテといい、24冊あった著作はあらゆる人種と地域を網羅し、アレクサンドロス大王やイエス・キリストについて数多くの予言を残したという[4]

ギャラリー

脚注

  1. ^ 『ギリシア・ローマ神話辞典』p. 133。
  2. ^ SIBYLLINE ORACLES--appendix with early Christian commentary”. Ancient Sacred Works of the Hebrews. 2025年1月20日閲覧。
  3. ^ パウサニアース、10巻12・9。
  4. ^ Suda Encyclopedias”. ToposText. 2025年1月20日閲覧。

参考文献


ペルシアのシビュラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 16:40 UTC 版)

シビュラ」の記事における「ペルシアのシビュラ」の解説

詳細は「en:Persian Sibyl」および「en:Hebrew Sibyl」を参照 ペルシアのシビュラは、アレクサンドロス大王仕えていたニカノル (Nicanor) の著書マケドニアアレクサンドロス業績』 (Res gestas Alexandri Macedonis) で言及されている。ヘブライカルデアバビロニアエジプトなどのシビュラとも同一視される

※この「ペルシアのシビュラ」の解説は、「シビュラ」の解説の一部です。
「ペルシアのシビュラ」を含む「シビュラ」の記事については、「シビュラ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ペルシアのシビュラ」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ペルシアのシビュラ」の関連用語

ペルシアのシビュラのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ペルシアのシビュラのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのペルシアのシビュラ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのシビュラ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS