ペルシアの人々
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 09:08 UTC 版)
アニス(第4の乙嫁) ペルシアの富豪の妻で、ほっそりと優雅な柳腰の美女。ハサンという息子がいる。 優しく富裕な夫に愛され、跡継ぎ息子にも恵まれて何不自由ない暮らしを送っていたが、その一方で、夫以外には話し相手が飼い猫や、庭に遊びに来る鳥くらいしかおらず、無自覚のうちに孤独感に苛まれていた。 その姿をみかねたマーフに勧められ、出向いた風呂屋でシーリーンと出会い、彼女と姉妹妻 になりたいと願うようになる。 その後、願いが叶って姉妹妻となったシーリーンの夫が病で急死、シーリーンたち残された家族が困窮する事態となったため、自身の夫にシーリーンを第二夫人に迎えてくれるように懇願する。 女性は家族以外の男性の前に姿を現さない、という土地の風習に従い、スミス一行と顔を合わせることはなかった。 シーリーン 貧しい染物屋の妻。絹のような黒髪と紅玉のような唇を持つ美女。細身で小食のアニスとは対照的に、豊満な体つきでよく食べる。ハサンよりも少し年長の息子、マフードがいる。 アニスと姉妹妻の契りを交わした直後、夫を病により失い窮地に陥ったが、アニスのたっての願いで彼女の夫の第二夫人に迎えられる。夫の両親だった義父母も一緒に引取られ、マフードも養子に迎えられてハサンの義兄となった。再婚後はアニスとともに良き妻となり、円満な家庭を築いている。 アニスの夫 優しく妻を気遣う、一途な男性。名前や身分などの詳細は明らかにされていないが、市場よりも広大な庭を持つ豪奢な邸宅を構える富豪であり、スミスを客人として歓待する。スミス一行の出立にあたっては、旅先の知人から便宜を受けられるよう取り計らった。 富裕な身分にも関わらず、不自由を感じなかったこと、何よりアニスを大切に思う気持ちから、これまで他に妻を持とうとしなかった。しかし、他ならないそのアニスのたっての懇願に、慈悲心も手伝って シーリーンを第二夫人とし、彼女の義父母・息子ごと屋敷に迎えいれることを決める。 その後はシーリーンのこともアニス同様に愛するようになり、養子縁組した彼女の息子マフードも、新たな息子として友人に披露している。 マーフ アニスの婚家に勤める女性で、アニスやハサンの世話役。さばけた性格の持ち主で、アニスの悩みを聞いて姉妹妻を持つことを勧め、出会いを求めるために公衆浴場へ行くことを提案する。 世話好きで世慣れており、場に不慣れなアニスにいろいろと助言を行い、シーリーンとの縁を取り持った。アニスをだしにして公衆浴場へ出かけようとするちゃっかりした一面もあるが、孤独感から解放された彼女の幸せそうな様子に思わず涙をこぼすなど、心優しい人物である。
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