トレンド分析
相場は動き出すと、しばらくは一定の方向に動く習性があります。株価が上昇、下降、もしくは横バイのいずれの方向にあるのかを判断する手法として、「トレンド(趨勢)分析」があります。例えば、いくつかの天井値や、いくつかの底値を結んだ線を「トレンド・ライン」と言い、これが上昇している間は相場は強いと判断します。また、株価が上昇トレンドを割り込めば売り転換、下降トレンドを上に突き抜ければ買い転換と判断します。つまり、上昇トレンドまたは下降トレンドに変化がみられない時に限って、投資スタンスを持続するか、見送りを継続するかを決めればいいわけです。投資判断とタイミングをつかむのにぴったりの分析手法と言えます。
トレンド分析
傾向推定
![]() | この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2023年3月) |
傾向推定(けいこうすいてい、英: trend estimation)とは、ある過程(プロセス)を測定したものを時系列として扱い、そのデータの傾向を推定する統計的手法である。完全には解明されていない物理的系に対しては、何らかのモデルを構築して測定結果を説明しようと試みる。特に測定結果が増加傾向や減少傾向にあるかを知ることでランダムな振る舞いではないことを判断しようとする。例えば、ある地点での毎日の気温を測ることで季節による変化の傾向や長期的な気象変化の傾向を読み取る。
特に、等質性の問題は重要である(その時系列は全測定区間で等しく信頼できるか?)。以下では、単純化のためそのような観点をあえて避ける。
傾向への適合: 最小二乗法
データ群が与えられ、そのデータから何らかのモデル(この場合、データに適合する関数を意味する)を構築したい場合、選択可能な関数は様々である。しかしそのデータについて何らかの事前の解釈が存在しない場合、最も単純な直線的関数を適合させるのが基本である。
直線に適合させると決めた場合にも様々な手法が存在する。しかし圧倒的に多く使われるのは最小二乗法である。データの地点
無作為であることが分かっているデータ列(例えばサイコロを振った結果やコンピュータが生成したランダムな数列)があるとき、その傾向を求めるとゼロ傾向となることはほとんどない。しかし、その傾向が極めて小さいことは予測される。ある決まった程度のノイズを含む決まったサイズ(例えば100個)のデータ列があり、それを多数生成する(例えば10万組)と、その10万組のデータ列から傾向を計算することができ、傾向の分布があることを経験的に知ることになる(右図参照)。その分布は(完全にランダムなら)ゼロを中心とする正規分布となるだろう(中心極限定理)。以上の手順からある程度の統計的確かさ
最小二乗法による傾向推定では、残差の二乗を推定後に捨てる。それはつまり推定された傾向のラインで説明されるデータの分散の部分がどれだけかということでもある。それは傾向の有意性には関係しない(右図参照)。ノイズの多い系列では残差の二乗は非常に小さいこともあるが、推定の有意性が非常に大きいこともある。フィルタリングを行うと残差の二乗は増大する傾向があるが、推定される傾向そのものやその有意性にはあまり違いが生じない。
自己相関的な実データ
これまで、データ列は傾向とノイズから構成されるとしてきた。また、ノイズは各データで「独立」であった(マルコフ性、正規分布ノイズ)。ノイズが定常的なガウス・マルコフ過程に従うという前提は情報最小の原理から生じた。これは統計の容易さという点で大きな意味がある。気象データのような実データはこの前提を満たさないかもしれない。
自己相関的時系列は自己回帰移動平均モデルを使ってモデル化される。
関連項目
参考文献
- Chatfield, C. (1993) "Calculating Interval Forecasts," Journal of Business and Economic Statistics, 11(2) 121-135.