テレビシリーズの仮面ライダーV3
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「仮面ライダーV3 (キャラクター)」の記事における「テレビシリーズの仮面ライダーV3」の解説
名前の由来は、「勝利(Victory)」を意味する「V」と、ライダー3号としての「3」を合わせている。 1号ライダーの技と2号ライダーの力を象徴するダブルタイフーンを装備し、ダブルライダーの変身ポーズを組み合わせたポーズと「変身!V3!」の掛け声でベルト中央の風車が回転し、風力を吸収することでベルト横のエナージ・コンバーターによってエネルギーに転換・蓄積され、人工筋肉を通じて供給され、各機能を起動させ、変身が完了する。変身所要時間は4秒。ただし、第1・2話ではポーズを取った後に胸の前で手を交差するアクションが加えられていた。戦闘開始時は左右の指先でそれぞれVと3の字を作りながら、右前腕を地面と垂直に立てつつ右手の甲を敵に向け、左手指先は右肘に当てながら左前腕を胸の前で水平に組んで、左右の前腕同士で90度に交差したラインを作るという独特のファイティング・ポーズを決めるのが通例であった。 能力 V3は高い戦闘能力があり、1号・2号同様にジャンプ力とキック力が基本である。右側のタイフーンが1号の特性である技の能力を作動させ、左側のタイフーンが2号の特性である力の能力を作動させる。また、改造手術で組み込まれた多くの装置・ギミックや必殺技は「V3・26の秘密」と称されている。しかし、改造手術の直後にダブルライダーが姿を消したために多くの能力を知らないまま戦うことになった。そのため、初期は苦戦することも多かったが、特訓や怪人との戦闘を通じて「26の秘密」の一つ一つが解明され、戦力を向上させていった。26の秘密の半数程度は劇中未使用に終わっている。初披露されたのは2話でのテレパシー、最後に披露されたのは21話の細胞強化装置である。必殺技はV3キックおよびそのバリエーションが多く、きりもみキックや回転三段キックなど26の秘密以外の技も多用している。また、『仮面ライダー (スカイライダー)』では新たな技「空中四の字固め」を披露している。 また「4つの弱点」も存在している。劇中で確認されたのは「逆ダブルタイフーンを使うと3時間変身不能になる」ことのみである。残りの3つについては「V3バリヤーで耐えられる電圧は100万Vまで、砂地での戦いが苦手、深海1万m級の高圧力には耐えられない」との雑誌設定がある。一方で、総集編ビデオ『仮面ライダーメモリアル』では、「残り三つは明らかではない」旨が語られている。ただし、「砂地での戦いが苦手」という点は第3話劇中でイカファイアに指摘されており、実際に脚力を効率良く使えず苦戦する場面が描かれている。他の弱点としては第3話にてダブルタイフーンを塞がれると能力が低下することが暴かれ、一度敗北している他、強力な磁束を浴びると補助用電子頭脳に悪影響が出て活動力が低下する点が第13話劇中で明示されている。 デザイン・造型 デザイン上はトンボをモチーフとしている。ボディはラガーマンをイメージしている。 彩色は、1号・2号ライダーがその頭部(顔)については緑色の地の色と赤い目を採用していたのに対し、これを逆転させて朱色の地の色に緑色の目を採用した。顔の中央にある白い部分はドクロをイメージしており、白ベースに銀の汚しを入れている。ボディカラーには、1号・2号の黒色に対して、明るい緑色を採用。1号・2号に比べると全体の色彩トーンは明るめになっている。雑誌『テレビマガジン』の仮面ライダーシリーズ編集担当であった講談社の加賀博義は、V3の衣裳の色は加賀が現場で着ていた緑色のジャンパーを参考にしていると証言している。 首廻りの白い襟は、仮面ライダー1号・2号ではよく見受けられた、頭部ヘルメットマスクの後ろから覗くスーツアクターの後ろ髪を隠すためのデザインであった。これに伴い、マフラーも左右セパレート式となり、左右のそれぞれの肩から背中に向けて計2本の白いマフラーが流れる形になっている。 石ノ森章太郎による検討用デザインは、1号・2号のデザインをアレンジするところから始まり、「V」や「X」を顔のデザインに取り入れて完成デザインに至っている。このうち「X」をモチーフとしたラフデザインは、後に『イナズマン』の準備案である『パピヨンZ』の検討用デザインとして再利用された。 頭部の粘土原型はエキスプロダクションの前澤範が担当した。マスク全体はFRPで制作されたが、安定させることが難しいため、下顎はラテックスで造られた。また当時はFRPの強度に信用がなかったため、破損してもスーツアクターが負傷しないよう内側に天竺木綿が貼られていた。 最初の型抜きでは古いシリコン樹脂を使用したため硬化せず、第1回撮影会の前日に突貫で作りなおされた。 放送開始前の第1回撮影会では、コンバーターラングが完成していない状態で撮影された。第2回撮影会ではコンバーターラングは2段のみで色も緑色であった。資料ではそれぞれ「第1NG」「第2NG」と称されている。 石ノ森は後年「帰ってきたV3」と表記したリメイクデザイン案を描いている。フィギュアシリーズS.I.C.のVOL9仮面ライダーV3では差し替えによりこの形態を再現することが可能である。 制作関連 企画段階では世間に定着した「仮面ライダー=ライダーキック」というイメージを払拭するためにキック以外を必殺技に用いることが検討された。最終的にはキックを用いることになるがキック技に多彩なバリエーションを持たせることとなり、検討されたアイデアの幾つかは「26の秘密」に活かされている。 また、『仮面ライダー』中期に企画された案では、「ダブルライダーが操るアンドロイド」という設定であった。 ストーリーに連続性を持たせるため「26の秘密」が用意されたが、「26の秘密」を明かすためにV3がピンチになるという展開がV3が弱いというイメージを視聴者に与えることとなり、すべてを紹介しないまま自然消滅することとなった。 アクションはスピード感とスマートさが強調され、トランポリンも使用頻度が高くなった。
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