テナント部分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 23:38 UTC 版)
オープン前の状況 2005年1月に構想が発表された当初は地上3階地下1階の全フロアと地上4階から6階までの1部を商業施設とし、売場面積は11,400m2であったが、周辺商業施設の影響を考慮して2007年2月時点の計画では地上3階地下1階に縮小。さらに専門学校の移転入居が決定したことで再縮小され、最終的に地上2階地下1階売場面積5,400m2となった。また、核店舗として食品スーパーの入居が予定されていたが、こちらも岡島百貨店食品売り場やオギノかすがもーる店(ココリ竣工前の2009年2月に撤退)など競合店が多くあったことから核店舗としては断念し、かわりに規模が大幅縮小された生鮮館が入居することになった。 グランドオープン半年前の2010年3月の時点で全フロアの8割が埋まっていない状況であったが、組合は東京のコンサルティング会社の協力のもと「甲府楽市」と称し、2階部分を50から60の小規模店舗が定期的に入れ替わる方式に変更した。 開店直後と相次ぐ撤退 上述の甲府楽市や1階にプレミアムアウトレットジュエリーモールを入れるなどし、2010年(平成22年)10月22日に全面オープンを迎える。地元紙の山梨日日新聞は全施設がオープンしたことで賑わいを見せているとの記事を掲載したが、全国紙の地方版は1階の3区画が埋まらないままオープンを迎えたことを指摘している。程なくして全国紙が危惧していた通り客足が遠のき、1ヶ月が経過した11月には早くも撤退店舗が現れ、12月にはクリスマスシーズンにもかかわらず客が十数人しか入っていない状況が報じられている。年が明けた2011年(平成23年)も撤退店舗が相次ぎ、2月をもって生鮮館が閉鎖(後に生鮮館の名前も削除された)、5月にはコンサルティング会社の撤退により2階の甲府楽市が閉店し、オープンから1年足らずで約100店舗入居していた商業施設はわずか30店舗まで激減した。撤退した店舗に代わる新たな店舗を模索するも「周囲の人通りが少ない」「(賃料が)ただでも出店は無理」と言われるなど断られ、管理者の西松建設と所有者、組合とで意見が対立が起きていると報じられている。 各関係者による考えの相違 マスメディアによる商業施設関連の報道に対し、宮島雅展市長は会見で「活性化のインパクトを発揮していない」と述べたことをはじめ、一部山梨県議や甲府市議からは「巨額の公費を使って建てたもので市民からの不信感が強い」「業者に責任転嫁するのではなくビル全体の立て直しに一定の責任を負うべき」等議会で問題を指摘している。一方、組合は「報道される内容が組合の趣旨と異なっている可能性が高い」ことを理由に取材拒否を行ない、甲府市の都市計画課も「居住、駐車場、教育は成功している」と主張している。組合の公式ホームページ(現在は閉鎖)では「都市機能の更新」「土地の高度利用・有効利用」「住環境の整備」「防災性の向上」を事業の目的としており、都市計画課も「防災機能の向上」と「住宅、教育、駐車場、商業機能を中心街にもたらす」と主張するなど、あくまでも商業施設の失敗を「ココリ全体の失敗」と主張するマスメディアとそれに反応する首長と議会、それに対し本来の目的は達成されていると主張する組合・自治体とで温度差が起きている。 「ホビータウン甲府」の開店と再度の店舗撤退 甲府楽市の撤退で2階は一度完全閉鎖となったが、その後に改修を実施し、2011年(平成23年)12月にらしんばんやパセオ時代に山梨県民情報プラザ向かいへ転出したアニメイトなどサブカルチャーの店舗と新たに契約し、ホビータウン甲府として再開。2012年(平成24年)9月には山梨県民会館にあった献血ルームを移転開設し、さらに2013年(平成25年)夏に1階北側にモンテローザ系列の串揚げ居酒屋が入居し、一時的に空きフロアが順次埋まる状態になったが、串揚げ居酒屋と同じ時期にホビータウン甲府内に出店していたハイカラ横丁甲府店が無期限休業すると同年11月末にはケータイ・スマートフォンショップが撤退。さらに2014年(平成26年)1月には1階のプレミアムアウトレットジュエリーモールが、別業者の入居希望を受けて別の客入りの良い場所に移転する形で撤退を検討していることが2014年1月14日付のUTYニュースで報じられるなど、再び流出に転じている。 イオンモールおよびサンリオの支援 2014年(平成26年)2月5日、イオングループのショッピングセンター運営会社であるイオンモールがココリのテナントを支援することが山梨日日新聞や各全国紙県内版、YBSニュースなどで報じられ、地下1階の生鮮館跡地に飲食店等、1階の空きフロア部分と2階の南側にテナントを入居させるなどの方針を表明した。これについて一部メディアが「イオンモール甲府昭和の増床計画を理解してもらうため」と報道され、増床計画に反対している甲府商店街連盟などが警戒していたが、イオンモール側が数日後に「イオンモール甲府昭和の増床計画とは別である」と否定。その後、テナント部分を管理する西松建設との契約等が進み、近く正式契約すると報じられている。 2015年(平成27年)1月30日、甲府市は「ハローキティ」で知られるサンリオが開発事業に協力すると発表した。また、上述のイオンモールによる支援も同日プロパティマネジメント締結の発表があり、これによる参入店舗は3月下旬から順次オープンするとしている。 同年3月20日にリニューアルオープン。ホビータウン甲府は残ったがプレミアムアウトレットジュエリーモールが撤退し、入れ替わりや空き店舗の場所に未来屋書店や築地銀だこ(2年後に閉店し、現在は中央部の大手ゲームセンターが拡張した)、コンタクトレンズ店やエステ店などが入居した。その後も4月24日にはパソコンショップのドスパラが2階に、27日にはサンマルクカフェが1階にオープンしている。 2016年7月12日に系列のイオンリテールにより地下1階の生鮮館があった場所に「イオン甲府ココリ店」が、1階のサンマルクカフェの隣に「イオンリカー」オープンした。ただし、1階のアイシティと唯一残っていたジュエリー系の店が2017年中に閉店し、1階は空きテナントが目立っている(2階はゲーセンの一部が銀だこ跡に移転拡張した)。 イオンの撤退 2019年8月18日、未来屋書店が閉店。近隣の岡島百貨店に売場面積3,000m2を誇るジュンク堂があり、1,000m2に満たない未来屋書店は劣勢に立たされていた。跡地はマンションギャラリーが入居している。 そして2020年5月29日、イオンは「店の面積が手狭でイオングループとして強化しようとしている出来立ての総菜を調理する厨房を確保するスペースが取れない」との理由で同年11月末日を以てココリから撤退することを発表し、リカー店と同時に11月30日を以って閉店した。
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