ゴログラスの城編とは? わかりやすく解説

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ゴログラスの城編

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/14 16:10 UTC 版)

ゴラグロスとガウェイン」の記事における「ゴログラスの城編」の解説

(222~1362行) 糧秣満載したアーサー一行は、川沿い岩山の上に、城壁囲まれ三十三もの塔のそそり立つ美し城砦都市通過するアーサー王は、城主と、その城主の上にたち冊封授けている君主誰か、ぜひ知りたいという。物識りのスピナグロス卿 (Spynagrose) が言うに、ここの城主(のちゴラグロス卿 Schir Golagrus と判明)は、代々、どの君主にも従わず土地治めてきたとのことだった。アーサーは、「これはしたことか、ならば、巡礼終えたあかつきにはここへ戻り必ずや城主屈服させ主従の礼をとらせよう」、と意気込む。スピナグロスは、相手が手ごわすぎると諫言するが、アーサー一度誓った決意揺るがないキリスト聖地からの帰り道、王らは、ゴログラスの都市近く天幕張り作戦考える。交渉決裂場合攻城戦視野入れ、まずガウェインランスロットユーウェイン(イウェイン)を使節立てて送る。しかしスピナグロスは、この3人を合わせた力を持つ騎士だろうと、奴にはかなわないという。「しかし気性からしていたって穏やかな御仁ではある。だから、穏便なことばで交渉することを勧める」、と言った三人使節は、ゴラグロスに快く迎えられガウェインが、伝令伝えた。すなわち、アーサー王比類なき君主であり、飛ばせ12人の強大な王が馳せ参じること、そしてゴラグロスの名声かねてから聞いており、その友好求めており、それを得るためならなんぞ褒美惜しまない、ことなどを。しかしゴラグロスは厳粛な顔で、「もしかつてのこの地の城主たちが臣従の礼をとった前例があったならば、アーサーへの服従承諾したろう。だが、わが先祖たちは代々そういう拘束受けず栄えてきた。そんな私が臣従の例をとったなら、それは縛り首値すると言った。(337-453) 使節らはアーサー王のもとに戻り着々と攻城戦用意はじめられた。砲弾(pellok)や青銅大砲研ぎ澄まされた矢(ganye)、トランペットの音が騒々しい。木は伐採され木柵打ち立てられた。ゴラグロス側の軍も脛当て(グリーブ(Greis n. pl. Greaves)や膝当て(Garitour1 OF. garete Armour for the knee.)を着用し始めた。ちらと見ただけでも140の盾が並び、どの盾にも丈夫な兜が載っかり、きらめいていた。各騎士の紋章バッジも明らかで、その名も記されていた。(-493行) 城から音が鳴り響き、見るとラッパ吹き鳴らした男が塔に向かった硬い鋼鉄の兜、金銀針金あしらえた盾、太い抱えていたが、まもなく立ち去った。王がその意味尋ねると、スピナグロス卿は、あの男自分愛す女性のために武勲示したいのです、ですからこちらから対戦相手さしむけてやってください、と説明した。 王はガウディフェア Gaudifeir という騎士にその役を命ずる。対する城の騎士ガリオット Galiot だった。ガウディフェアは 、ベリーブラウン色の馬(または鹿毛) に乗り、もう一方白馬乗っていた。両者最初一撃落馬し、剣を振るった戦いでは血の中を動き回った。だがついにガウディフェアが勝利しガリオット守り固めた場所に連行された。(-583行) ゴラグロスはリーガル卿 (Schir Rigal of Rone)を呼びつけ雪辱戦送り出したアーサー王側はラナルド卿(Rannald)で対抗した。ラウナルドは、鎖帷子バシネット英語版)型の兜を着こなし具足も馬も金と赤の色調整えた翌日明けた二者は馬に乗りお互いをぶつけ合って盾を砕いた。剣での戦いとなり、ラナルド卿は相手襟首断った。だが決着はつかず、両者が血泡を吐いてもなお、勝負二人がともに命が尽きるまで終わらなかった。二人騎士その日、おのおのの側により埋葬された。(-651行) ゴラグロスは、ルイス卿、エドモンド卿、バンテラス卿 (Bantellas)、サングウェル卿 (Sanguel, Sangwell)の四人用意させた。アーサー側は、ライオネル卿、ユーウェイン(イウェイン)卿、ベディヴィア卿、ギロマランス(Gyromalance)卿でそれぞれ対抗したアーサー側は、ライオネル負けてルイス捕虜となりベディヴィアはバンテラスに剣を投降したが、ギロマランスがサングウェルを捕虜とし、ユーウェインエドモンド地べたにのす、という結果得た試合としては五分結果だが、イウェインは重傷を負うかわり、エドモンド戦死している。(-730行) ゴラグロスは、遅れをとりもどそうと、いきがる。アガルス卿(Agalus)、ユーモンド卿(Ewmond)、ミチン卿(Mychin)、メリゴール卿(Meligor)、ヒュー卿 (Hew)の5人を指名円卓の騎士側からコーンウォール公カドル(英語版)、オウェールズ卿、イウェル卿、ミレオト卿の4人が出場した。(ただし、エメル卿 (Emell)という5人目円卓騎士出場するという説がある)休戦などはなく戦いおこなわれた。オウェールズ卿、イウェル卿は敵城連行されたが、アーサー側は、アガルス卿とヒュー卿を捕虜得た。(-769行) ゴラゴラスは眼を怒らせたが、朗々と「いざ我が戦いにいどみ、終焉もたらすべし」と言った。城の鐘塔から2つの鐘が鳴り響いた。この鐘鳴りについて、スピナグロス卿は、ついに城主(ゴラゴラス)自身お出ましであることを意味する、と説明した。そして、城主は、このあたりでは比肩無き剛の者自負している、こちらも相当な強者を選ばねばなりませぬぞ、と進言した。このとき志願したのがガウェインだった。スピナグロス卿は、相手相手なためガウェイン安否案じられてしょうがなく、つい悲観的な言葉が口を突いて出てしまう。こちらは、みなが尊敬する戦の器量確かなガウェインどの、いくら身代金を積もうと手加減などしてもらえませぬぞ、などと念を押す。ガウェインは、もし勇敢に死のうならば傷も少ないというものじゃ、たとえ相手怪力サムソンその人だろうがのう、などと言うしかたなく、スピナグロス卿は、実戦アドバイスなどを伝授する。まず、まっすぐに狙いをさだめ、相手衝撃受けて大声出し、熊のようになってひるまず、その連打を盾に浴びても、どんな次第になっても耐えて、相手打撃とぎれた反撃せよ。相手の息が上がったところで打てば相手動きをとめる衝撃打を浴びせることができる、などと。(-835行) 相手がおらず手持無沙汰ケイ卿は、褐色の馬の騎士対決し降参させて捕虜とする(-883行)。 ついにゴラグロスが登場する純金ルビーあしらえ甲冑着ており、重代家宝幾つもつけ、絹の縁飾り立派だった乗っている白馬は、黄金ベリル石でちりばめられていた。ゴログラスは長身で、誰よりお半足は背が高かった二人騎士は、突き合わせて馬で激突した。そして馬から降りて剣での戦い始まった。ゴログラスの一撃は、ガウェインの喉当て命中し50もの鎖を砕いた。しかしガウェイン反撃は、盾の角を割き鎖帷子と胸板と縁を貫いた黄金鍍金がはげ落ち、血が流れ出た。ゴログラスの怒りつのらせガウェイン躍りかかった。凄まじい一撃に、盾をかざしたが、みるまにベリル石が飛び散ったアーサーは甥のために、主に祈りささげた宝石飛び、鎖や拠り紐が落ちる。獅子のような攻撃に、ついにガウェインの盾は20余のかけらに千切れていた。ガウェイン怒り涙して打ちしてやまぬ猛反撃出た。(-974行)。戦い描写がしばらく続くが、ついにゴラグロスが勾配の上屈んだところをガウェインが剣で打ちつけ、ゴラグロスは足を踏み外して地面につんのめり、起き上れ前にガウェイン短剣突きつけていた。(-1029行)ガウエィンは相手降伏せよとせまるが、ゴラグロスは、そんな生き恥をさらすよりは死んだ方がましだ、と答える。ゴラグロスの城の男女たちのあいだに悲痛が走る。ガウェインは、敗北認めて、わが王の元に行けば公爵封じられそれなりの栄誉を得るからよいではないか、と説得試みる。ゴラグロスは、どんな条約もちかけても、利益得られても、面目を失うことができないという。(-1089行)。ガウェインは、ならば、どうすればその面目とやらは保たれるのか、と尋ねる。ゴラグロスは、そこで一計講じガウェインには負けたふりをしてもらい、自分の城に来てもらいたい決し危害はくわえさせないと誓うから、ともちかけた。ガウェインは、今まで見知らなかった相手身をゆだねるのは危険であるが、信じよう、と承諾した。(-1115行) そしてしばらくの間見せかけの戦闘続けたのち、ガウェインは城に足を踏み入れたので、見ていたアーサー王臣下嘆き悲しんだ。城の中では、祝勝ムード漂っていた。食事用意がされ、ガウェインも壇(英語版)(中世では食事テーブル代わりの台)のもと、席につかされた。しばしするとゴラグロスは、テーブルを棒で打ちつけ一同注意を引き、こう尋ねた:「ここにいる男爵領や町の統治者方々には、忌憚ない意見行ってもらいたい。わしが戦場で捕えられてしまうのと、わしが戦場命を落とし別の領主治められるのとでは、どちらの選択がよいと思うか?」と。集まった諸侯は、その言葉聞いて、彼らの領主敗北したのだと事態気づき悲しくなった。そして「あなた様領主でいてもらいたいです、」と答えた。(-1193行) ゴラグロスは、60騎士伴い、城を出てアーサー王挨拶をし、じつはガウェイン任されたことを告げアーサー王にたいし臣従の礼をとると告げたアーサー喜びローヌ川の城では、祝杯挙げられ騒々しい宴がくりひろげられた。さて、アーサー王がついに帰途につくことになった。すると王はゴラグロスの土地全てを、自分への服従から解放する、と宣言した。(-1362行 終)

※この「ゴログラスの城編」の解説は、「ゴラグロスとガウェイン」の解説の一部です。
「ゴログラスの城編」を含む「ゴラグロスとガウェイン」の記事については、「ゴラグロスとガウェイン」の概要を参照ください。

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