うつせみ荘
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 06:18 UTC 版)
セミオトコ(セミオ) 演 - 山田涼介 本作品の主人公。6年間地下で幼虫として過ごした後、今年の夏に成虫に羽化したセミ(のちに人間に変身)。 偶然の事故がきっかけで出会った由香とともに、生命が尽きるまでの地上で一週間過ごす。 メイプルシロップが好きで、もぐらが嫌い。 セミだったことから彼にとってセミの鳴き声は言葉らしく、会話をしたり、鳴き声を小さくするように指示を出したり、春が倒れた時はセミたちがそれを知らせている。 毎朝7時に目覚まし時計で起き、窓を開け「おはよう、世界!」といってから飛び降り「うつせみ荘」の庭にあるクヌギの木にしがみつき、滑り落ちて1日が始まる。 セミのままならば絶対にできなかったことを経験し、その度に「なんて素晴らしい世界なんだー!!」と言っている。 2日目、国分寺中央食品に翔子・基子の娘たちと一緒に工場見学に行き、さらに「おかゆさんと一緒にいたい」という願望から、3日目、4日目、そして最後の日はボランティアとして働いた。 6日目、由香とのデートにもぐらたたきで、にっくきもぐらを「コラッ!」と言いながらものすごいスピードで叩いていき、最後は由香の頭突きでパーフェクトを達成し、記念写真を撮ってもらった。 7日目の夕方、死んだため人間の体は衣類・持ち物ごと消えてしまい、セミとしての亡骸も金色の粉となって散っていった。 6年後、虹が見えた時の願い事「生まれ変わって、またおかゆさん会えますように」が叶い、再び人間として復活する。 大川由香(おおかわ ゆか)〈27〉 演 - 木南晴夏(幼少期:笹川椛音) 本作品のヒロイン。真面目だが地味で冴えないアラサー女子。ニックネームは「おかゆ」で、セミオの名付け親。 幼少期より運が悪く、人とのコミュニケーションを取ることを苦手としており、学校でも職場でも孤立している。 偶然セミの命を救ったことから感謝され、共に過ごすこととなる。 かなりの田舎出身(東京都以外)で社会人になった後も実家通いで働いていた。ある日、職場に無断侵入する人影を目撃し公衆電話で通報する。だが、逮捕されたのは兄・健太だったため、両親や住民から白い目で見られ完全に居場所をなくし、上京し国分寺にやって来た。 小川ほどではないが裁縫は得意なようであり、よく美奈子の学校の提出課題を手伝ったり、セミオのために首掛け式の「メイプルシロップホルダー」を独学で作っている。 6年後、これといった変化はないが幸せに暮らしており、プロポーズされたり初めて実家に里帰りしたりしている。そして、彼女も虹が見えた時の願い事「いつかまたセミオに会いたいです」が叶い、セミオと再会する。 現在の住人の中では、最後に「うつせみ荘」にやって来た。 熊田美奈子(くまだ みなこ) 演 - 今田美桜 服飾系の専門学校に通う「うつせみ荘」の住人。博多出身で、感情が高ぶると博多弁になる。 思ったことは包み隠さずはっきりと口に出す性格。そのためか何を考えているか分からない小川との絡みが多い。 第5話で、ピザをみんなで食べようと提案したねじこが「店屋物」、「出前」といっても何のことか分からず、くぎこが「デリバリー」と言って初めて納得するなど現代っ子である。父親は42歳。 小川、由香のように裁縫が得意な方ではないらしく学校の提出課題は彼女に、大がかりな作業は彼や国分寺姉妹に手伝ってもらっている。そして、「うつせみ荘」の住人、国分寺中央食品の人たち、相田夫妻、大川家の古着を集め白いドレスを作り上げ、「あなた(由香)は1人じゃない」と由香に伝えた。 上京してすぐは、都会とおしゃれな生活に舞い上がっていたが、東京育ちの同級生たちには敵わず逃げるように田舎の国分寺に引っ越してきた。 セミオの7日目の朝食準備の時、彼に好意を抱いていた様子が見受けられる。ゆえに、セミオがいなくなることを由香の次に悲しんでいる。 6年後、無事学校を卒業し、雑誌取材を受けるほどの有名デザイナーになった。今も「うつせみ荘」に住んでいる。 「うつせみ荘」には岩本夫妻の次にやって来た。 岩本春(いわもと はる) 演 - 山崎静代 絵本作家。普段からベレー帽を被っている大柄な女性。 セミオに木のような背中が気に入られ、抱きしめられる。 以前は夫のマサとお笑いコンビを組んでいた。 「なつ」という男の子を亡くしたショックから過呼吸に悩まされるようになり、阿佐ヶ谷から国分寺の「うつせみ荘」に療養のために住むことにした。 第6話でセミオの真実を知った後、彼と由香をモデルにした「せみ王子とおかゆちゃん」という絵本を描くことを決心した(住人代表で小川から「ハッピーエンドにしてくれよ」と頼まれている)。 「せみ王子とおかゆちゃん」はベストセラーとなった。その後、また描けなくなってしまったが「夏雄」を出産した。 岩本マサ(いわもと マサ) 演 - やついいちろう 春の夫。 妻の春とお笑いコンビをしていたが、妻のことと自分の優しすぎるツッコミが原因で断念。現在は会社員。 6年後、春が「夏雄」を出産し父親になった。 彼らは、小川の次に「うつせみ荘」にやって来た。 小川邦夫(おがわ くにお) 演 - 北村有起哉 「余命僅か」を自称する男。元外科医で、現在は日雇い労働者。 手先が器用で料理や裁縫も得意。 「私に期待するな」、「惚れるな」など、自分にも他人にも無関心な態度を取っている。そのため、思ったことをすぐ口にする美奈子との絡みが多い。また無愛想だが、バーベキューをする予定で大雨が降った時、こっそりてるてる坊主をいくつも作ったり、美奈子の服作りを手伝ったりとお茶目で優しいところもある。しかしやや鍋奉行な性格(気づいたのは岩本夫妻)。 元外科医ということから、手術を受けている患者の恋人や家族が「この人が死んだら私も死ぬ」という決意の表情をしているのを何度も見ており、明るく振る舞ってはいたが、由香がその状況に陥っていることを最初に看破した。 セミオの6日目の夜、いつどうなるか分からない病気に本当になっており、人も自分自身も悲しまずひっそり死ぬために全てを捨てここにやって来たとセミオにだけ話した。 6年後も存命しており、美奈子との掛け合いも健在。 「うつせみ荘」には最初にやって来た。 庄野くぎこ(しょうの くぎこ) 演 - 檀ふみ アパート「うつせみ荘」の大家で、ねじこの姉で長身。 せっかちな性格で何かあればねじこに文句を言っている。 庄野ねじこ(しょうの ねじこ) 演 - 阿川佐和子 くぎこの妹で小柄。 姉とは逆におっとりとした性格で、何をするにもマイペース。 2人とも冠婚葬祭など最低限度にしか外に出ない。 女学生時代は姉妹で学校中のアイドルだったらしく「国分寺姉妹」と呼ばれていた。双子で、性格だけではなく名前と体格も正反対である(マサが指摘)。父親は建築関係で働いていた。 若いころは病弱な弟を置いて様々な場所に旅行に行っていたが、それが原因で弟の最期を看とることができなかった。そして、彼が2人にかけた最期の言葉が「なるべく早く帰って来て」だったことから、全てを後悔し、外に出るのが億劫になったと話している。 第5話で「うつせみ荘」の住人たちとバーベキューをし、作中では初めて外に出た。 6年後、彼女たちのみ変化は語られていないが、姉妹で雑誌を読みながら談笑している。由香曰く2人合わせて「306歳」になったとのこと。 孵化して物心がついたセミオが最初に聞いた人間の声が、6年前に父親の法事から帰ってきた2人の会話だった。
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