『扶桑武侠演義』あらすじ
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「扶桑武侠傳」の記事における「『扶桑武侠演義』あらすじ」の解説
巻之一 方士徐福、扶桑にて王となる。 第一巻は中国史に名を残す道士(方士)である徐福を主人公とする扶桑開闢の物語である。 秦の始皇帝の命を受け、不老長寿の仙薬を探しに童男童女数千人を引き連れて東海へ旅立った方士徐福は、倭国へ辿り着く。そこは「覇王」を名乗る王が妖術で支配している国であった。徐福は稲作などの高度な文化を倭国の民にもたらし人心を集めるが、覇王はそのことをよくは思わず、部下である「十三鬼将軍」をさしむけて略奪を開始した。これに対抗すべく徐福は連れてきた童男童女たちに仙術を教え、覇王と徐福との間に壮大な戦いが起こる。この末に覇王は不死山(ふしさん)に封じ込められ、徐福は倭国の王となった。 巻之二 扶蘇、死を退け扶桑に至る 第二巻は始皇帝の息子である扶蘇を主人公とする物語である。 始皇帝の長子である扶蘇は、父の焚書坑儒をいさめたことにより追放され、北方の僻地へと流された。その地で名将蒙恬とともに異民族と戦い、平和をもたらした。 始皇帝の死後、秦の後継者の座を狙う末弟の胡亥が、丞相・李斯、宦官・趙高とともに、長子である扶蘇を亡き者にする謀略をたくらんだ。扶蘇の元には彼らにより作られたニセの命令がとどき、その内容は扶蘇に自害を強要するものであった。父の本物の命令と信じて疑わなかった扶蘇は自害を為そうとするが蒙恬の説得のよりそれを思いとどまり、扶蘇は蒙恬ら忠臣とともに東海への亡命の旅に出た。 巻之三 扶蘇王大福、国譲り 第三巻は扶蘇による扶桑王朝建国の物語である。 倭国にたどりついた扶蘇は、この地を支配する大福王と面会する。大福王こそ始皇帝の命でこの地に辿り着いた方士徐福であり、大福王はこの地の王権を扶蘇に譲ることを宣言する。 不死山の麓に生える霊樹「扶桑樹」の下で国譲りの儀は行われ、扶蘇はこの地を永遠に守護することを誓う。この際扶蘇は「もしも帝が廃され扶桑王朝が滅んだ時は、扶桑樹は扶桑の大地に戻り、民たちは一人残らず花や鳥に姿を変えて果てる」という万世一系の誓いを立てた。扶桑樹はこの誓いを聞き入れ、大地を剥ぎ取りその跡に5つの湖をつくり、大海へと消えていった。 巻之四 奸臣、覇王の岩戸を開く 第四巻は4人の武侠が扶桑を救うために奮闘する物語である。そのプロットには水滸伝の影響も受けている。 扶桑王朝は千年を超えて繁栄したが、四十八世元樹帝の頃、宰相である成望元が帝位簒奪の野望を抱き、不死山に封印された覇王と十三鬼将を復活させようとした。これに気づいた仙人徐福は弟子である4人の武侠を派遣する。「剣の玄武」「刀の朱雀」「棍の白虎」「槍の青龍」の4人は成望元と激しい戦いを行い、自らの命を犠牲にして覇王の復活は阻止したものの、この事件の影響で不死山は大噴火を起こし、扶桑は「大殺戒」と呼ばれる天変地異にみまわれた。 巻之五 双樹のごとく、朝廷分かれる 第五巻は扶桑王朝が東西に分かれる経緯を描いた物語である。 天変地異により扶桑の東部は甚大な被害を受け、それは都である大東京(だいとうけい)も例外ではなかった。四十八世である元樹帝は七人の武侠に救われ、西国の飛鳥京(あすかけい)へ逃れ朝廷の血筋は絶えることはなかったが、天変地異により民草の心は荒れ、朝廷の権威は地に堕ちた。 元樹帝の死後、飛鳥京で元樹帝の長娘が四十九世として帝位につくが、時を同じくして大東京にて「成望元の孫であり、元樹帝の妹の長娘」なる8歳の少女が四十九世を名乗り帝位を主張した。ここに朝廷は東西で二分し、互いに戦争を起こすようになり、扶桑の大地はさらに荒れ果てた。 巻之六 瑞雲覇王、中原の覇者となる 第六巻は東西分裂から約300年後に現れた瑞雲と呼ばれる武侠が、天下を統一しようとする荒らぶる英雄譚である。 東西分裂後、扶桑は統一王朝としての体裁を失い、南方、西方、東方、中原、北方の5つの文化圏に分かれるようになってしまった。東西王朝は小競り合いを続け、民衆はたびたびその戦争の被害を受けていた。 瑞雲(ずいうん)は朝廷によって滅ぼされた村の生き残りであり、樹上老人と呼ばれる仙人に育てられた武侠である。彼と強大弟子である飛雲(ひうん)と実力を伯仲していたが、瑞雲は次第に飛雲をねたむようになり、飛雲が実は皇族の血筋に連なるものであることを知った瑞雲は飛雲を暗殺しようとする。樹上老人はそれを止めようとするが瑞雲はそれを返り討ちにし、奥義を記した秘伝書である「陰陽八卦」を奪って逃走した。 その後、瑞雲は自らを神話時代に徐福による封印された「覇王」の転生であると宣言し、瑞雲覇王・瑞覇を名乗り朝廷打破を目指すようになる。瑞雲覇王に従うは邪派の魔侠たち。朝廷を守護する正派の武侠たちとの激しい戦いが各地で起こるようになった。いっぽう、樹上老人が残したもう一つの奥義「風化風琴拳(ふうかふうきんしょう)」に目覚めた飛雲は瑞雲との戦いを決意。そして荒廃した扶桑中原を支配下におき覇者となった瑞雲は、大東京に向かって上洛の行軍を開始した。 『扶桑武侠演義』はここまでが描かれて唐突に終わっている。そして、このゲーム『扶桑武侠傳』こそがこれより「先」に起こる物語を語るためのものである。『扶桑武侠傳』では瑞雲と飛雲の決戦で、飛雲は瑞雲に慈悲の心を問い、決闘後、二人とも人々の前から去り隠棲したとされている。瑞雲が支配していた扶桑中原は支配者を失い無法の地となり、瑞雲が組織していた魔侠の集団「天文会」では派閥争いが勃発している。
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