『手引き』とは? わかりやすく解説

『手引き(エイサゴーゲー)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 09:16 UTC 版)

テュロスのポルピュリオス」の記事における「『手引き(エイサゴーゲー)』」の解説

ポルピュリオス哲学的業績で最も知られている。ネオプラトニズム基本的な文献である『理解学習の手引き(Sententiae Ad Intelligibilia Ducentes)』の著作をおけば、彼は、しばしばアリストテレス『範疇論』注釈だとそのタイトルから思われている非常に短い著作範疇の手引き(Introductio in Praedicamenta)」によって評価されている。しかしながら、バルネス(2003年)によれば、『範疇の手引き』の正し題名は「手引き(εἰσαγωγή)」であって、この本は特に「範疇ではなく一般にオルガノン全体対す手引きであり、実際に命題、定義、証明理論内容とするという。この手引きでは物体与る性質どのように分類されるかが論じられ実体という哲学的概念が「類」、「種」、「種差」、「固有性」、「付帯性」の五つ分けられるポルピュリオスの最も影響力の強い哲学的功績は、『範疇の手引き』でアリストテレスの論理学ネオプラトニズム合体させたこと、特に、範疇という概念実体的に理解したこと(後の哲学で言う普遍)である。ボエティウスによる『エイサゴーゲー』のラテン語訳中世ヨーロッパ学校大学標準的な教科書となり、それらの学校大学中世論理学普遍論争哲学的神学的に進展することとなったエイサゴーゲーのうちで極めて重要なポルピュリオスの樹(Arbor porphyriana)」は彼の論理学における実体分類図示したのである今日に至るまで、分類学生物の分類においてポルピュリオスの樹恩恵受けている(系統樹分岐学参照)。 エイサゴーゲーはイブヌル・ムカッファによって、当時存在したシリア語版からアラビア語翻訳された。アラビア語化され題名「イサーグージー(إيساغوجي)」の下にイスラーム圏において長い間論理学の手引きとなる標準的な教科書として扱われ神学哲学文法学法哲学影響与えた。この著作翻案縮図の他にも、論理学に関する独立した著作ムスリム哲学者によって多く書かれ、しばしば「イサーグージー」という題名付けられた。ポルピュリオスの「付帯性に関する議論端緒として、「付帯性」と「固有性」の適用に関する長きにわたる論争起こった

※この「『手引き(エイサゴーゲー)』」の解説は、「テュロスのポルピュリオス」の解説の一部です。
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