文法学とは? わかりやすく解説

文法学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/13 08:28 UTC 版)

文法学(ぶんぽうがく)は、言語学の分野で、自然言語文法を分析する学問。文法論(ぶんぽうろん)ともいう。

概要

古代ギリシア・ローマでは、ディオニュシオス・トラクスら多くの学者が文法を論じ、特にドナトゥスプリスキアヌスの著作は中近世ヨーロッパにも受容された。また古代には、文字の読み書きの教育や、古典文献学も文法学に含まれた[1]

中近世ヨーロッパでは、論理学修辞学と並ぶトリウィウムとして自由七科に含まれ、各地にラテン語学校グラマースクール)が設立された。キリスト教徒、特に聖職者にとって言葉を誤り無く相手に伝えることは聖書に書かれた教義を正しく布教するうえで重要であると考えられた。このため、修道院大学などで学生達に文法学の講義が行われた。グラマースクールのルーツもこうした修道院内の教育施設に由来している。

近現代では、文法論(Grammar)は言語学の関連分野ないし細分野である。統語論(Syntax、構文論)と同一視されることも時折あるが、一般には分けて扱われる。また、「文脈自由文法」など、分野的にというよりも専ら慣例的にその語が使われている、といった場合も多い。

関連項目

脚注

  1. ^ 納富信留〈提題〉古代ギリシア・ローマにおける「自由学芸」の教育」『中世思想研究』第56号、中世哲学会、70-79頁、2014年http://jsmp.jpn.org/archives/journals/smt56/ 77頁。

文法学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 13:53 UTC 版)

王力 (言語学者)」の記事における「文法学」の解説

1936年に「中国文法学初探」(清華学報11-1、のち1940年出版)、翌年に「中国文法中的繋詞」(清華学報12-1)、1939年に『中国語概論』(商務印書館燕京大学での講義をまとめたもの。1950年に『漢語語法講話』と改題して再版)を発表している。日中戦争中に紅楼夢』を読んで従来見すごされてきた文法現象多々あることに気づき、『紅楼夢』を主な資料として大著中国現代語法』(1943上冊、1944下冊)、『中国語法理論』(1944上冊、1945下冊)をいずれも商務印書館から出版した1946年の『中国語綱要』(開明書店1957年に『漢語語法綱要』と改題してアレクサンドル・ドラグノフによる序と注釈セルゲイ・ヤホントフによる書評をつけ新知識出版社より再版)は自説短くまとめたものであるイェスペルセンランク理論(「詞品」)を中国語応用して首品・次品・末品に分けたのは王力文法大きな特徴であったが、「唯心主義的」であるとして批判され、後には使わなくなったまた、ブルームフィールドからは代理数量詞考え影響受けている。 王力複数単語組み合わせ全体として単語のように働くものを「仂語」と呼んだ。「拿起来」「睡不着」などの現在「動補結構」と言われるものもここに入れられている。いっぽう「子」や「們」などは「記号」(これもブルームフィールド由来)と呼んで単語には入れず、「了・着」も「情貌」(アスペクト)をあらわす記号とした。 王力中国語複雑な構文に「能願式・使成式・処置式・被動式・逓繋式・緊縮式」などの名前をつけてその特徴分析した。これらの名称の多くは現在も使われている。 現代の中国語で西洋の影響による「欧化語法」が見られることにも早くから注目している。 王力文法書いくつか日中戦争中に日本語訳されている。 王力中国文法学初探』田中清一郎訳、文求堂、1937年王力支那言語学概説佐藤三郎治訳、生活社、1940年。 『中国語概論』の翻訳王力支那言語学概論猪俣八・金坂博訳、三省堂1941年。 『中国語概論』の翻訳、『中国文法学初探』の抄訳付す

※この「文法学」の解説は、「王力 (言語学者)」の解説の一部です。
「文法学」を含む「王力 (言語学者)」の記事については、「王力 (言語学者)」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「文法学」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「文法学」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「文法学」の関連用語

文法学のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



文法学のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの文法学 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの王力 (言語学者) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS