バルトリハリとは? わかりやすく解説

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バルトリハリ 【Bhartrhari】


バルトリハリ

名前 Bhartrhari; Bhartṛhari

バルトリハリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/14 23:11 UTC 版)

バルトリハリ: Bhartṛhari, भर्तृहरि)は、インドの詩人、文法学者。5世紀ごろの人物とされており、サンスクリット語の著作が伝承されているが、詩と文法学はそれぞれ別人の業績とする説もある[1]。バルトリハリの人物像については数多くの伝説が残されている。

7世紀のインドに渡りナーランダ僧院に学んだ唐僧義浄の『南海寄帰内法伝(なんかい ききないほうでん)』[2]に、文法学者バルトリハリについての記述がある。

義浄によれば、バルトリハリは文法学者パーニニについてのパタンジャリの注釈書『マハーバーシュヤ』[3]を研究したとされ、言語哲学書『ヴァーキヤ・パディーヤ (Vākya-padīya文章単語論(三章篇)』[4]を書いたとされる。この書で、宇宙の根本原理は言語ブラフマンであり,諸現象はその仮現であるとしている[5]。バルトリハリの主張は「言葉はブラフマンである」という宣言だと言えよう[6]

また、詩人としてのバルトリハリの作品は、10世紀から14世紀にかけて3種の『シャタカ (Shataka(百 しょうの詩集)』[1]としてまとめられた。天国へ至る道についての『離欲百頌』、世俗の交際についての『処世百頌』、恋愛についての『恋愛百頌』の三つがあり『シャタカ トラヤ (Śatakatraya(三百頌)』[7]と呼ばれる。17世紀にはアブラハム・ローゲル英語版オランダ語に翻訳、ヨーロッパにも伝わった。

著作(主な日本語研究)

出典・脚注

  1. ^ a b コトバンク.
  2. ^ 訳本『現代語訳 南海寄帰内法伝 七世紀インド仏教僧伽の日常生活』 宮林昭彦・加藤栄司訳、法蔵館 2004年/法蔵館文庫、2022年。 ISBN 978-4831826435
  3. ^ 村上真完 2018年7月20日「パタンジャリ」『日本大百科全書(ニッポニカ)』https://kotobank.jp/word/%E3%83%91%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%AAコトバンクより2023年5月18日閲覧 
  4. ^ 古典インドの言語哲学』に訳・解説
  5. ^ 清島秀樹『仏教・インド思想辞典』文法学派。春秋社、1987年4月10日、400頁。 ISBN 978-4393101025 
  6. ^ 赤松明彦『インド哲学10講』岩波書店岩波新書〉、2018年3月20日、191頁。 ISBN 978-4004317098 
  7. ^ 翻訳収録:『夢幻の愛

参考文献

関連項目

外部リンク




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