意義と批判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/16 16:17 UTC 版)
『馬氏文通』は中国の文法学の成立を告げる画期的なものであり、その後の中国の文法研究は、同書をめぐる議論から出発している。ただし、馬建忠は純粋言語学的な関心からではなく、祖国の置かれた現状を嘆き、救国の一方策として同書を執筆したのであり、彼が言語学の基礎を学ばず、そのため西洋文法を模倣せざるをえなかった点から、後世に批判された。品詞分類にあっても、もっぱら意味によってその分類を行っており、品詞の形式や構造を軽視している点も批判の対象になり得る。しかし、中国語学者の大島正二は、当時中国の文法学は黎明期であり、既に体系化されていた西洋文法にその範を求め、まねをしようとしたことも、またやむをえなかったと指摘する。
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