11世紀〜13世紀ヨーロッパとは? わかりやすく解説

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11世紀〜13世紀ヨーロッパ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/06 20:04 UTC 版)

言語哲学」の記事における「11世紀〜13世紀ヨーロッパ」の解説

ラテン語圏では11世紀になると、アンセルムス代表されるような形で論理学が再び活発化する。 まず、ヨーロッパ各地での学問的な活性化の中で、細々とした伝承だけであったアリストテレース論理学著作も、再びボエティウス註解とともにきちんととした形で読まれるうになるロスケリヌス音声論者(Vocales)は「普遍単なる音声にすぎない」とし、後の唯名論 (Nominalismus) へとつながる議論開始したが、これはアンセルムスロゴス受肉に関する書簡』などで批判された。このころには論理学事物(res)に関する学問であると考えられていて、それに対して論理学言葉音声(vox)に関する学問だという意見奇抜なものだと受け取られとされる12世紀入りそうした運動の中でアベラルドゥスアベラール)は、それまで漠然と使用されてきた「普遍」といった概念自体問いかけ大きな議論引き起こす普遍論争)。アベラルドゥス以前ヨハネスロスケリヌス音声(vox)という用語を使ったに対してアベラルドゥス初期はそれに従った途中からはsermoやnomenという用語を使い、彼とその弟子たちはnominalesと呼ばれるようになった。この違いは、ロスケリヌスらとその批判者との対立普遍範疇言語哲学問題として扱うか形而上学問題として扱うかという点にあったのに対しアベラルドゥス存在論態度表明持ち込んだことによるアベラールは『文法学(Grammatica)』という名の著書著した。これは現在では失われているが、彼は論理学議論文法学の用語・手法を持ち込んだ。このことは音声論者たちに影響受けてのことだったと推測されている。対して論敵のシャンポーのギヨーム文法学論理学切り離して論じ傾向があり、これが12世紀支配的な傾向だった。 カロリング朝ルネサンス時代にはドナトゥス著書文法学テキストとして使用されていたのに対して、この時期にはプリスキアヌス文法学教程(Institutiones grammatice)』が使われるようになった。しかし13世紀にいたるとダキアのボエティウスのように、プリスキアヌス規範文法学では満足できないものが現れ言語的法則規範原因を問う思弁文法興隆することになる。それに伴って文法学分野様態(modus)に着目する様態論者(modistae)が現れた。彼らの言う様態表示様態(modus significandi)、理解様態(modus intelligendi)、存在様態(modus essendi)の三つ区別され理解様態表示様態原因で、存在様態理解様態原因だとされた。また、今日哲学者現実について知るために言語本性について考察するのに対し様態論者言語現象原因明らかにするために現実について論じたという。しかし様論者主張のうち、表示様態は後にオッカムの剃刀によって剃り落されてしまう、というのはオッカム表示問題精神-事物間でのみ扱うために言葉の表示の機能不要となるからである。 そうして、イスラーム圏保持されギリシア哲学文書流入翻訳機に実際には、ビザンツ所有文献流入影響もかなり大きかったというが)いわゆる12世紀ルネサンスが起こる。その動きは、イスラーム圏進んだ科学探求成果導入のみならずそれまで論理学者としての知られてきていアリストテレース広範な業績再発見でもあり、これらの新たな思潮消化・吸収反発13世紀形成することになる。 そして14世紀には独自な発展があり、それは例えオッカム論理学等に見ることができる。オッカム思想の内ではオッカムの剃刀の他に代示理論もよく知られている。代示理論オッカム一人唱えたものではなく長い期間研究されたもので、研究蓄積するとともに理論精妙ではあるが煩瑣なものとなり、ルネサンス以降批判の的となった20世紀以降言語哲学では再評価されている。 これらスコラ哲学における論理学文法学発展中には当時流れから言えば傍流ではあるが例えラモン・リュイ (ラテン語名:Raimundus Lullus ライムンドゥス・ルルス、1235-1316) がおり、語と語を組み合わせる機械によって全世界全真理を知ろうとする「ルルスの術普遍的な偉大なars magna generalis)」の発明を得るに到った

※この「11世紀〜13世紀ヨーロッパ」の解説は、「言語哲学」の解説の一部です。
「11世紀〜13世紀ヨーロッパ」を含む「言語哲学」の記事については、「言語哲学」の概要を参照ください。

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