11世紀以降のゲルマン世界
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 10:12 UTC 版)
11~12世紀以降にキリスト教が公的生活にまで影響を及ぼすようになったが、これは古ゲルマンの意識とは異質なものであり時間意識や死生観は変化してゆくことになった。キリスト教の時間意識は、神を目指すひとつの方向に進む直線的な時間観であったので、《繰り返す時間》の観念は否定されてゆくことになり、終末に向かって進んでゆく時間の変化が意識され、人間は死ねば、煉獄、そして天国か地獄へ行き、最後の審判を待つしかない、とされることになった。古ゲルマンと、この世とあの世の時間的関係が全く異なる。人々は死ぬと現生とのきずながたたれる、ということにされた。教会の教えにより、人はただ1度だけ生き、一度だけ死ぬ、ということになった。 またこの時代、キリスト教のほかにも、商人たちが人々の時間意識に影響を及ぼしはじめる。商人たちは日数と費用の計算をするために、計測するものとして時間の観念を使いはじめた。「市民共有の大時計は、自由都市を牛耳る商人たちの、経済的・社会的・政治的支配の道具」となった、とジャック・ル・ゴフは言う。
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