アリストテレスの論理学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 15:46 UTC 版)
「論理学の歴史」の記事における「アリストテレスの論理学」の解説
詳細は「オルガノン」を参照 アリストテレスの論理学、特に彼の三段論法の理論は西洋思想に巨大な影響を与えた。彼の論理学関係の著作、いわゆる『オルガノン』は最初の形式的な論理学の研究書であり、近現代にまで伝わった。時期を決定するのは困難だが、アリストテレスの論理学関係の著作の執筆順序は以下のようであると考えられている: 『範疇論』、10の範疇と初歩的な名辞に関する研究 『トピカ』(『詭弁論駁論』という付録がある)、弁証術に関する議論 『命題論』、単純な定言命題から単純な名辞、否定、量を表す記号への分析; および否定・逆といった観念 『分析論前書』、妥当な推論つまり「三段論法」の形式的分析 『分析論後書』、学問的論証の研究であり、円熟期のアリストテレスの論理学思想を含む 以上の著作は論理学の歴史の中でも際立って重要である。アリストテレスは統辞論を名詞(あるいは名辞)と動詞へという体系的な分析を行おうとした最初の論理学者である。『範疇論』において、彼は名辞が指示しうるすべてのものを分類しようと試みた。この作業は、西洋思想に甚大な影響を与えた哲学的著作『形而上学』の主張を補強する役割を果たしている。彼は体系立てて述べるうえで最初に矛盾律と排中律を扱った人物である。彼は最初の形式論理学者である(つまり、彼は主張の基盤となる論理形式を示すために変項を用いて推論の原理を与えた)。彼は必要な推論の特徴となる依存関係を模索し、そういった関係における妥当性を前提の真偽(主張の健全性)と区別した。『分析論前書』では三段論法に対する研究が展開され、歴史上はじめて三つの原理、つまり変項の使用、純粋に形式的な取扱い、公理系の使用、が採用されている。『トピカ』および『詭弁論駁論』では彼は非形式論理学(例えば誤謬の理論)を展開してもいる。
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