アリストテレス哲学における「形相」とは? わかりやすく解説

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アリストテレス哲学における「形相」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/02 14:02 UTC 版)

形相」の記事における「アリストテレス哲学における「形相」」の解説

質料」(ヒュレー)と「形相」(エイドス)を対置して、内容素材とそれを用いてつくられたかたちという対の概念として初め用いた人は、古代ギリシア哲学者アリストテレスである。彼の『形而上学』中にこういう概念枠組み登場する。また『自然学』でもこうした枠組み説明が行われる。 プラトン観念実在論を採り、あるものをそのものたらしめ、そのものとしての性質付与するイデアを、そのものから独立して存在する実体として考えたのに対しアリストテレスは、あるものにそのものの持つ性質与え形相エイドス)は、そのものマテリアル素材である質料ヒュレー)と分離不可能で内在的なのである考えたプラトン元来イデア意味するのにエイドスという言葉使っていたのだが、アリストテレスが師の概念区別してこの言葉定義した大雑把に言えばプラトンイデア判子のようなのであるが、アリストテレスエイドス押され刻印のようなのであるイデア個物から独立して在するが、エイドス具体的な個物において、しかもつねに質料セットになったかたちでしか実在し得ないエイドス素材と結びついて現実化し個物アリストテレス現実態エネルゲイア)と呼び現実態生み出す潜在的な可能性可能態デュナミス)と呼んだ。今ある現実態は、未来現実態うみだす可能態となっている。このように万物はたがいの他の可能態となり、手段となりながら、ひとつのまとまった秩序をつくる。 アリストテレスまた、「魂とは可能的に生命をもつ自然物体(肉体)の形相であらねばならぬ」と語る。ここで肉体質料にあたり、魂は形相にあたる。なにものかでありうる質料は、形相による制約受けてそのものとなる。いかなる存在形相のほかに質料をもつ点、存在半面においては生成でもある。 質料そのもの第一質料)はなにものでもありうる(純粋可能態)。これに対し形相そのもの第一形相)はまさにあるもの(純粋現実態)である。この不動の動者(「最高善」=プラトンイデア)においてのみ、生成停止する。 すなわち、万物はたがいの他の可能態となり、手段となるが、その究極に、けっして他のものの手段となることはない、目的そのものとしての最高善」がある。この最高善見いだすことこそ人生の最高の価値である、としたのである

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