はん‐こ【判子】
印章
(判子 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/21 04:46 UTC 版)
印章(いんしょう、英語: seal)は、木・竹、石、角や象牙、金属、合成樹脂などを素材として、その一面に文字やシンボルを彫刻したもの。個人・官職・団体の印として公私の文書(公文書や私信など)に押して特有の痕跡(印影・印痕)を残すことにより、その責任や権威を証明する事に用いる。
注釈
- ^ 1981年10月1日に常用漢字表が告示されると、行政指導により表外漢字を含む「印顆」は使わないようにという行政指導がなされたが、それ以前にはよく使われていた表現であった[5]。
- ^ ハンコを「判子」と書くのは当て字である[6]。
- ^ この意味における「印鑑」という語の用法としては公証人法第21条の「公証人ハ其ノ職印ノ印鑑ニ氏名ヲ自署シ之ヲ其ノ所属スル法務局又ハ地方法務局ニ差出スヘシ」などがある。
- ^ 例えば、かつて織田信長は「天下布武」の印章を純金で作らせようとしたものの、これが印材として適さず印影がうまく出なかったため、金と銅の合金を用いることによって解決したという[117]。その一方、金を印材とする金印は古代ギリシア末期や[85]古代ローマ末期[118]の印章、中国から古代日本へと伝わった漢委奴国王印など古くから例があり、その他にも明治時代に作られた大日本國璽など、様々な国の国璽の印材として用いられている。
- ^ なお、「印相学」は登録商標である[131][132]。
- ^ 例えば陰刻の登録を認めないことを明文化した条例がある自治体の一例として、埼玉県さいたま市[134][135]などがある。条例により明文化された根拠を確認できないものの、自治体のウェブサイトに掲示されたガイドラインで陰刻を登録不可としている自治体には、青森県青森市[136]、東京都北区 [137]、東京都新宿区[138]、長野県長野市[139]、愛知県名古屋市[140]、和歌山県和歌山市[141]、山口県山口市[142]、香川県高松市[143]、佐賀県佐賀市[144]などがある。外枠部分の有無の規定があるものの文字部分については明文化された規定がない自治体もあるため、外枠部分を設けることで陰刻印章による印鑑登録を認められる場合もある。
出典
- ^ a b c 総合法令 1998, p. 36.
- ^ a b c d e 金融実務研究会 2014, p. 2.
- ^ 木内 1983, p. 8.
- ^ a b 樋口 1987, pp. 14–15.
- ^ 樋口 1987, pp. 15.
- ^ a b c まるごと日本の道具, p. 101.
- ^ 樋口 1987, p. 18.
- ^ 樋口 1987, p. 16.
- ^ a b 樋口 1987, pp. 32–36.
- ^ a b c 矢島 1990, p. 8.
- ^ a b 新関 1991, p. 15.
- ^ a b c d 塩小路 1993, p. 3.
- ^ a b 樋口 1987, p. 46.
- ^ 矢島 1990, p. 8-16.
- ^ a b 新関 1991.
- ^ 木内 1983, p. 9.
- ^ 新関 1991, pp. 120–131.
- ^ a b 新関 1991, pp. 129–131.
- ^ a b 新関 1991, pp. 117.
- ^ a b 北 2004, pp. 242–243.
- ^ a b c 新関 1991, pp. 113–117.
- ^ 新関 1991, pp. 76–78.
- ^ “IT担当相「デジタル印で産業保護」 初入閣竹本氏「はんこ議連」会長”. 『毎日新聞』 (毎日新聞社). (2019年9月14日) 2019年9月15日閲覧。
- ^ 浅川直輝 (2017年3月15日). “ITpro Report ネーム印のシヤチハタが、ハンコ不要の電子印鑑を開発する理由”. 日経 xTECH. 日経BP. 2019年9月15日閲覧。
- ^ a b 【withnews】上司へのハンコ、斜めに押す? 謎の慣習に「社畜!ゴマすり」批判も(若松真平)『朝日新聞』2015年11月18日
- ^ a b 木内 1983, p. 7.
- ^ a b c d 新関 1991, p. 14.
- ^ 大審院 明治43年(れ)第2151号 私書偽造行使詐欺未遂有償證券偽造行使詐欺ノ件 明治43年11月21日 宣告 大審院刑事判決録16集26巻2093頁 (大審院刑事判決録. 第16集 第1巻-第30巻 〔明治43年〕 - 国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 『有斐閣 法律用語辞典 [第3版]』法令用語研究会 編、有斐閣、2006年、ISBN 4-641-00025-5 51頁目「印章」の項
- ^ a b 法令用語日英標準対訳辞書(平成19年3月改訂版)法令外国語訳・専門家会議、p.30,p.58,p.147[1]
- ^ もと「捺印」が用いられたが、当用漢字の制定、および「法令用語改正要領」の施行によって、この語が用いられるようになった。精選版 日本国語大辞典「押印」[2]
- ^ 企業法務リーガルメディア|署名捺印・記名押印の留意点(2020年10月31日配信)
- ^ Shachihata Cloud|今更聞けない印鑑の基本
- ^ a b 牛窪 1996, p. 12.
- ^ 中本 2008.
- ^ 小田 2012, p. 3.
- ^ a b 小田 2012, p. 4.
- ^ 樋口 1987, pp. 27–28.
- ^ a b 新関 1991, pp. 80–81.
- ^ 新関 1991, p. 81.
- ^ 新関 1991, p. 82.
- ^ 新関 1991, pp. 82–84.
- ^ 新関 1991, p. 94.
- ^ 新関 1991, pp. 102–104.
- ^ 新関 1991, p. 104.
- ^ 新関 1991, pp. 105–109.
- ^ 新関 1991, p. 120.
- ^ a b 塩小路 1993, p. 79.
- ^ a b c 新関 1991, p. 122.
- ^ 北 2004, pp. 210.
- ^ 木内 1983, p. 18.
- ^ 新関 1991, p. 124.
- ^ 新関 1991, p. 127.
- ^ 新関 1991, pp. 135–139.
- ^ 新関 1991, pp. 140–142.
- ^ 新関 1991, pp. 147–156.
- ^ 塩小路 1993, p. 91.
- ^ 新関 1991, pp. 166–173.
- ^ 北 2004, pp. 211–212……新関 1991, pp. 120–183からの孫引き
- ^ a b c 新関 1991, p. 171.
- ^ 『諸証書ノ姓名ハ自書シ実印ヲ押サシム』。ウィキソースより閲覧。 明治10年太政官布告第50号
- ^ 新関 1991, pp. 176–178.
- ^ a b 新関 1991, pp. 178–183.
- ^ 信森毅博「認証と電子署名に関する法的問題」別表 私法上の押印の扱い年表(69頁)、日本銀行金融研究所ディスカッションペーパー98-J-6、1998年、2008年8月31日閲覧。
- ^ 『月刊 現代印章』ゲンダイ出版(2019年4月9日閲覧)。
- ^ 「はんこ文化」見直し本腰 仕事を電子化、テレワーク推進―政府 時事通信 (2020年4月20日)2020年10月27日閲覧
- ^ 甲斐古文書研究会 1983, pp. 108–109.
- ^ 押印廃止「正しい情報を」 はんこ産地の山梨知事が官房長官らに要望 産経ニュース(2020年10月8日)2020年10月27日閲覧
- ^ “押印担当が続ける週1出社 コロナでも「ハンコの壁」”. 『朝日新聞』 (2020年4月24日). 2020年4月27日閲覧。
- ^ “中西宏明・経団連会長「印鑑はナンセンス」 代替に電子署名”. 『毎日新聞』 (2020年4月27日). 2020年4月27日閲覧。
- ^ 【独自】河野行革相がハンコ使用廃止を要求 「できない場合は今月中に理由を」[リンク切れ]TBS
- ^ 河野太郎さんはTwitterを使っています 「前にもツイートしたけれど、行政の手続きにハンコはやめようと言ってるのであって、ハンコ文化は好きです。 - 本人のTwitter
- ^ 大逆風はんこ業界「残っているのは日本だけ」 印章文化存続へ、趣味用に活路『京都新聞』2020年9月24日(2020年10月27日閲覧)
- ^ “兵庫県、年度内に押印廃止 オンライン手続き推進”. 神戸新聞NEXT. (2020年10月14日) 2020年12月30日閲覧。
- ^ “【衝撃事件の核心】生活保護費2億円着服に使われた「印鑑550本」の異様…公費不正の闇”. 産経ビジネス. (2014年4月17日) 2020年12月30日閲覧。
- ^ “生徒に給食費返したい 女性教諭が無断で書類作成”. 神戸新聞. (2019年6月14日) 2020年12月30日閲覧。
- ^ “「兵庫県電子申請共同運営システム」の運営について”. 兵庫県電子申請共同運営システム(e-ひょうご) 2020年12月30日閲覧。
- ^ “マイナンバーカードをお持ちの方の転出届”. 東京共同電子申請・届出サービス西東京市 2021年1月9日閲覧。
- ^ “1 電子申請が可能な手続き”. 大田区 2021年1月9日閲覧。
- ^ 新関 1991, pp. 52–55.
- ^ 新関 1991, pp. 54–55.
- ^ 新関 1991, p. 55.
- ^ 新関 1991, p. 52.
- ^ 新関 1991, pp. 55–57.
- ^ a b 新関 1991, p. 58.
- ^ 新関 1991, pp. 61, 63.
- ^ 新関 1991, p. 60.
- ^ 新関 1991, p. 64.
- ^ a b c 新関 1991, p. 66.
- ^ 新関 1991, pp. 66–67.
- ^ 新関 1991, p. 67.
- ^ a b 新関 1991, p. 68.
- ^ a b 新関 1991, pp. 70–71.
- ^ 新関 1991, p. 76.
- ^ a b c d e f 新関 1991, pp. 76–77.
- ^ 新関 1991, p. 8.
- ^ 新関 1991, p. 42-45.
- ^ 樋口 1987, pp. 40–42.
- ^ 『印判秘訣集 全』野州佐野大聖密院盛典(編輯)、日光堂書店発行
- ^ 樋口 1987, p. 42-43.
- ^ a b 樋口 1987, pp. 43–44, 47–48.
- ^ 樋口 1987, pp. 42–43, 46.
- ^ a b c 新関 1991, p. 182.
- ^ 樋口 1987, p. 45.
- ^ 樋口 1987, p. 46-47.
- ^ 樋口 1987, p. 47-48.
- ^ a b 総合法令 1998, p. 65.
- ^ a b 塩小路 1993, pp. 103–105.
- ^ ハンコ文化を終わりにしたい! オンライン契約の基礎知識 | Adobe
- ^ “光学式印鑑スキャナー「FMN‐10」を開発”. グローリー (2018年1月22日). 2019年12月15日閲覧。
- ^ a b c 樋口 1987, p. 21.
- ^ 樋口 1987, pp. 21–22.
- ^ 樋口 1987, p. 22.
- ^ 矢島 1990, pp. 11–13.
- ^ 老舗が作る「DUAL HANKO」外国人にブーム来COOL『東京新聞』朝刊2018年12月25日(24面)。
- ^ 塩小路 1993, pp. 14–40.
- ^ 新関 1991, p. 149.
- ^ 新関 1991, pp. 62.
- ^ a b c d e 学研もちあるき図鑑, p. 101.
- ^ いんかんプチ辞典
- ^ 塩小路 1993, pp. 22–24.
- ^ a b 塩小路 1993, p. 23.
- ^ 塩小路 1993, pp. 20–22.
- ^ a b 塩小路 1993, p. 21.
- ^ a b 塩小路 1993, p. 31.
- ^ 塩小路 1993, pp. 14–20.
- ^ ダイヤの次に硬い「タングステン印鑑」パナソニックが12月発売 蛍光灯製造技術を応用
- ^ a b c d e f g h i j k l おとなの漢字入門, p. 50.
- ^ a b 樋口 1987, p. 29.
- ^ a b 樋口 1987, p. 48.
- ^ 株式会社日本印相学会公式サイト
- ^ “登録0550125「印相学」”. 特許情報プラットフォーム. 2020年4月21日閲覧。
- ^ 樋口 1987, p. 42-47.
- ^ さいたま市印鑑条例第4条第6号
- ^ “印鑑登録・印鑑登録証明書”. さいたま市 (2022年5月12日). 2022年8月22日閲覧。 “逆彫りでないもの”
- ^ “印鑑登録”. 青森市 (2022年4月5日). 2022年8月22日閲覧。 “逆さ彫り印(押印すると文字が白くなるもの)”
- ^ “印鑑登録の手続き”. 東京都北区 (2022年3月4日). 2022年8月22日閲覧。 “逆彫り(文字が白く浮き出る)してあるもの”
- ^ “印鑑登録・印鑑登録証明書”. 新宿区 (2021年10月1日). 2022年8月22日閲覧。 “外枠がなかったり、凸凹が逆転しているもの”
- ^ “印鑑登録・印鑑登録証明書の申請について”. 長野市 (2020年6月25日). 2022年8月22日閲覧。 “文字の部分を彫ったもの(逆さ彫り)”
- ^ “印鑑登録申請・印鑑登録証明書・その他の印鑑に関する申請(各種届出と証明制度のご案内)”. 名古屋市 (2021年5月28日). 2022年8月22日閲覧。 “印章そのもの(凹凸)が逆に刻印してあるもの”
- ^ “印鑑登録するには”. 和歌山市 (2022年3月28日). 2022年8月22日閲覧。 “陰刻のもの、その他外枠のない印鑑”
- ^ “印鑑登録の手続き”. 山口市 (2020年3月13日). 2022年8月22日閲覧。 “字が白抜きになっているもの”
- ^ “印鑑登録の申請”. 高松市 (2020年9月9日). 2022年8月22日閲覧。 “押印すると文字が白くなるもの(逆さ彫り印)”
- ^ “印鑑登録の申請”. 佐賀市 (2021年3月29日). 2022年8月22日閲覧。 “白抜き(逆彫り)又はタイコ判と呼ばれるもの”
- ^ 爪印 - コトバンク
- ^ “戸田市出納員その他の会計職員の使用する領収印に関する規程”. 2018年8月7日閲覧。
- ^ “青森県文書取扱規程”. 青森県. 2018年8月7日閲覧。
判子
「判子」の例文・使い方・用例・文例
- 彼は大通りに店を持つ判子屋だ。
- これはわたしの判子だ
- >> 「判子」を含む用語の索引
- 判子のページへのリンク