アリストテレス形而上学の破綻と再構築とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > アリストテレス形而上学の破綻と再構築の意味・解説 

アリストテレス形而上学の破綻と再構築

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/02 23:17 UTC 版)

弁証法」の記事における「アリストテレス形而上学の破綻と再構築」の解説

ただし、中世までと、近世・近代では、アリストテレス思想取り巻状況、その位置付け大きく変化したというのもアリストテレス思想・学問体系は、「純粋形相・純粋現実態である不動の動者によって動かされている、地球中心に円運動する宇宙世界」といった地球中心説天動説)的宇宙観世界観から始まり、「万物ヒュレー質料)・デュナミス可能態)から、エイドス形相)・エネルゲイア現実態)の実現へと向けて運動する」といった共通法則を、自然学形而上学第一哲学)→倫理学政治学と、人間実践的領域にまで敷衍適用するように組み立てられた、緻密かつ壮大なグランドセオリーだったが、コペルニクス等によって太陽中心説地動説)が解明普及された16世紀以降、その枠組み破綻してしまったためである。 したがって近代哲学においてはアリストテレスのそれに代わる新しい形而上学(第一哲学)、ひいてはグランドセオリー再構築が、1つ大きな課題となった。(ヘーゲル等の段階では、これは「Wissenschaft」(ヴィッセンシャフト、学・学知)と呼ばれるうになるが、念頭に置かれているものは同じである。) 英国はそうした拙速枠組み先決」を避け経験的漸進的な学習解明重視する経験論感覚論主流になったが、ヒュームによって、それを突き詰めると懐疑論へと行き着くことが示されてしまった。他方欧州大陸では、古典力学勃興期であった当時の状況背景に、合理主義的に形而上学グランドセオリー再構築試みられたが(大陸合理論)、独断論の域を出なかった。 イマヌエル・カントは、大陸合理論理性主義基調引き継ぎつつ、他方で「経験によって認識が始まる」という経験論発想加味しながら、認識の共通の基盤土台となっている(とカント等が考えた)「理性自体吟味するという逆転の発想コペルニクス的転回批判哲学)によって、経験的領域と、非経験的実践的形而上学的領域を、(「理性」を共通の基盤土台としつつ)区別共存させるという方法で、形而上学グランドセオリー枠組み適正な再生回復試み示そうとした。 このカント二元論経験感覚的現象」と非経験・非感覚的物自体」)的な批判哲学枠組み再編乗り越えを、「弁証法」(dialectic)の賞揚と共に志向したのが、フィヒテシェリングヘーゲル等、ドイツ観念論分類される人々である。

※この「アリストテレス形而上学の破綻と再構築」の解説は、「弁証法」の解説の一部です。
「アリストテレス形而上学の破綻と再構築」を含む「弁証法」の記事については、「弁証法」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「アリストテレス形而上学の破綻と再構築」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アリストテレス形而上学の破綻と再構築」の関連用語

1
12% |||||

アリストテレス形而上学の破綻と再構築のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アリストテレス形而上学の破綻と再構築のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの弁証法 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS