『モスラ3 キングギドラ来襲』のキングギドラ
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「キングギドラ」の記事における「『モスラ3 キングギドラ来襲』のキングギドラ」の解説
1億3千万年ぶりに地球を襲った宇宙超怪獣。中央の首がリーダー的な役割を務める。 地球の生態系の頂点にして生命力に富む人類の子供をさらって富士樹海に分身体である生体ドームに閉じ込め、最後にはドーム内から分泌される溶解液で生命エキスに変えて吸収することにより、エネルギー源にしようと企む。過去作品の個体以上に豊富な技と高い知能をもち、通常の引力光線のほか、3つの口を揃えて一斉に引力光線を吐くトリプルトルネード、羽から放つ反重力光線などといった数多の戦力を有している。さらに防御手段としてバリア(バリアー、バリヤー)の展開能力をはじめ、獲物である子供を捕らえるための誘導テレポート能力や催眠光線など、過去作品の個体にはなかった特殊能力を数多く備えている。モスラとエリアス族の関係も瞬時に見抜き、モスラをサポートする力を半減させるためにロラを操ってモルと引き離すなど、性格はきわめて悪賢い。 恐竜のエキスで強大に成長しており、空中戦においてレインボーモスラのビームをバリアで防ぐと翼にのしかかり、左右の首がモスラの翼に噛みついて投げ飛ばしたあと、トリプルトルネードで倒す。タイムスリップしたレインボーモスラに白亜紀当時のキングギドラが倒されたことから一度はドーム共々消滅するが、白亜紀で切断された尾からの再生を経て再出現する。再び子供たちを捕らえ、フェアリーに乗ったベルベラとロラによる攻撃を一蹴したあと、タイムカプセルで1億3000万年眠り続けて進化した鎧モスラと戦うが敵わず、鎧・翼カッターで左の翼を切断され、最終的にはエクセル・ダッシュ・バスターで青色の塵に分解されて大爆発する。同時に子供たちも完全に解放された。 エリアスのモルによれば、本作品世界の宇宙の星々における生物大絶滅の原因は、その半数がこの登場個体を始祖とする「ギドラ族」が行った虐殺の結果であるとされ、モルは「恐怖の大魔王」と呼称する。 白亜紀型と区別する際は現代型と表記される。造形スタッフや西川にはデザイン画に入れられた名称から「グランドギドラ」とも呼ばれていた。 小学館の書籍『モスラ3超全集』では、鎧モスラが切断した翼からキングギドラが復活するかもしれない可能性が指摘されている。 企画段階では新怪獣→ラドンがこの役割で登場する予定だった。 脚本を担当した末谷真澄は、ドームをキングギドラの胃であると想定している。 スーツアクターは喜多川務(後述する白亜紀型を含む)。特技監督の鈴木健二がキングギドラを走って飛ばせるスーツアクターを要望したところ、若狭がドラゴンからの連想によってCMでブルース・リーのモノマネを演じていた喜多川を起用するに至ったという。喜多川は本作品での演技が評価され、翌年の『ゴジラ2000 ミレニアム』でゴジラ役に抜擢された。 デザイン デザインは西川伸司が担当。カラーデザインでは年老いているという設定のため、シミのような黒い点が翼に入れられているものもある。西川は、白亜紀型を従来のキングギドラ、現代型を進化したキングギドラという解釈でデザインしており、羽根の色を初代のNG版のようなグラデーションとする白亜紀型のラフスケッチも描いている。また、西川は従来のキングギドラは体の中心から首・翼・尾が放射状に広がっていると分析し、現代型では首と翼が扇型に広がるシルエットとしている。従来の翼では実際に飛行できない構造であるため、翼の根本に関節を増やし、着陸時と飛行時とで翼の角度を変化させている。胴体は、平成VSシリーズでのゴジラの肉付きを意識している。 頭部は、角の形を昭和版と似せつつ、VS版と同様にたてがみを廃している。造型プロデューサーの若狭新一は、特技監督の鈴木に初代を意識するなら毛を生やすか尋ねたところ、鈴木は毛を嫌い、西洋風のドラゴンとすることを希望したため、顔の側面に毛を立体的にしたイメージのディテールをとり入れている。 酉澤安施による検討稿では、下顎が2つに割れるものも存在した。 造形 造形はMONSTERSが担当し、代表の若狭が頭部原型を担当した。鱗は小川スタジオが製作を担当した。 過去作品の個体と比べて格段に凶悪な顔付きとなっており、中央の首の角は他の2つのものと若干違う形をしている。また、首だけにあった棘(とげ)が首から尻尾まで生えており、体の部位による鱗の大きさの差も大きくなっている。若狭は、洋風テイストであった『VS』のキングギドラに対し、本作品では和風をベースに洋風のテイストを取り込んだと述べている。スーツの塗装には、部分的にカメレオンカラーも採用されている。 スーツの重量は80キログラムあったが、このサイズとしては軽量となっている。鱗はラテックス製で、1万6千枚が1つずつ貼り付けられている。 造形物は、メインスーツのほか、2/3サイズの飛行モデル、頭部のギニョール2種類などが制作された。 造形に予算がかかったため、都市破壊シーンはミニチュアではなく実景合成で表現された。ドームはCGで描写され、撮影現場では青く塗装されたミニチュアを用いていた。
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