腐海
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/29 06:42 UTC 版)
腐海(ふかい)は、ウクライナ本土とクリミア半島の間に横たわる、アゾフ海の西岸に広がる干潟である。腐海は、この地のほとりに居住している3民族でそれぞれ別の呼び方がなされている。当地に先住しているクリミア・タタール人からは「泥」、または「汚れ」を意味する言葉で「スヴァシュ」クリミア・タタール語: Сываш( 「スィヴァーシュ」ウクライナ語: Сива́ш、「シヴァシュ、シヴァーシュ」ロシア語: Сиваш)、または、「腐海」、「腐った海」を意味する言葉で、クリミア・タタール語: Чюрюк Денъиз、(ウクライナ語: Гниле́ Мо́ре:、ロシア語: Гнилое Море)と呼ばれている。英語でもこの海をラテン表記して"Sivash"、あるいは意訳して"Rotten Sea"と呼んでいる。
- ^ a b c “Central Syvash | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (1998年1月1日). 2023年4月1日閲覧。
- ^ a b “Eastern Syvash | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (1998年1月1日). 2023年4月1日閲覧。
- ^ “Russian border guards detain two Ukrainian fishermen on Syvash lake” (英語). www.unian.info (11.09.18). 2021年10月31日閲覧。
腐海(英:Toxic Jungle、NWP:Toxic Jungle)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 04:31 UTC 版)
「風の谷のナウシカ」の記事における「腐海(英:Toxic Jungle、NWP:Toxic Jungle)」の解説
巨大な菌類からなる樹海で、蟲(むし)と呼ばれる異形の動物達が棲んでいる。 (映画の位置は不明) 大陸の西及び北端を中心に広がっている。木々は空気中に瘴気と呼ばれる毒ガスを放出する為防毒マスクをつけねば人間や一般の動物が立ち入る事はできない。蟲や植物、粘菌といった種の枠すら超えた生物群集をなし、腐海ではいかなる菌類も単独では存在せず互いに共生・寄生しあって複雑な生態系を構成しているとされる。「火の七日間」の終結直後に地上に出現したと語られており、徐々に面積を拡大し従来の生態系や人類の生存を脅かす存在となっている。
※この「腐海(英:Toxic Jungle、NWP:Toxic Jungle)」の解説は、「風の谷のナウシカ」の解説の一部です。
「腐海(英:Toxic Jungle、NWP:Toxic Jungle)」を含む「風の谷のナウシカ」の記事については、「風の谷のナウシカ」の概要を参照ください。
腐海
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 04:31 UTC 版)
腐海(英:Toxic Jungle、NWP:Toxic Jungle) 巨大な菌類からなる樹海で、蟲(むし)と呼ばれる異形の動物達が棲んでいる。 (映画の位置は不明) 大陸の西及び北端を中心に広がっている。木々は空気中に瘴気と呼ばれる毒ガスを放出する為防毒マスクをつけねば人間や一般の動物が立ち入る事はできない。蟲や植物、粘菌といった種の枠すら超えた生物群集をなし、腐海ではいかなる菌類も単独では存在せず互いに共生・寄生しあって複雑な生態系を構成しているとされる。「火の七日間」の終結直後に地上に出現したと語られており、徐々に面積を拡大し従来の生態系や人類の生存を脅かす存在となっている。 外部からの刺激により、蟲、特に王蟲(オーム)の大群が腐海の外へと暴走し、津波のように押し寄せる現象を大海嘯(だいかいしょう)と呼ぶ。大海嘯の後は蟲の死骸から新たな腐海が誕生する為、膨大な面積が一度に腐海と化す事になる。 原作では腐海は自然発生した環境ではなく、千年前の人類が創り出した人工的な汚染浄化システムで、数千年かけて世界を浄化する目的がある。全ての毒を無毒化したとき腐海は役目を終え、老化して崩れて清浄な大地が復活する。物語の時点で既にこのような土地が生まれているが、この事を「森の人」は秘密としている。また腐海外の人間を含む生物は汚染された環境に適合するように旧世界の技術で改造されており、浄化された土地で生きていく事はできない。原作の伝承の「青き清浄の地」(つまり緑色の葉や茎を持つ草木が生えた清浄な大地の事) は、腐海の尽きる所の先だが (大陸の西端) 、映画ラストシーンで、腐海の底でチコの実の木の芽が生え始めているのが映る事から、映画では腐海の底が将来は「青き清浄の地」になる事を示唆している。 (原作の腐海の底は、マスクのいらない瘴気のない所と (上記の生物が改造された設定の為、厳密に言うとわずかに瘴気が残っていると思われる) 、マスクの必要な瘴気のある所があるが、映画は生物が改造された設定がない為、腐海の底は瘴気がない) 腐海の植物 植物と呼ばれているが、実態は巨大化した菌類である。菌糸を体の構成単位とする糸状菌が主であるが、植物体の構造や生態は従来の真菌類とは大きく異なっている。顕微鏡サイズの微小な種から種子植物並みかそれ以上に巨大に生長する種まで、その大きさは多種多様で、大型の種は一般に、地中深く張った菌糸の根と幹、枝、葉に分化した地上部を持つ巨大な樹木となる。 成木がつける「花」と呼ばれる胞子嚢や、発芽する芽から胞子を飛ばして繁殖する。原作ワイド判第5巻と第6巻見返しイラスト (ムシゴヤシの解説) によると (映画も) 、腐海植物が瘴気を出すのは、発芽し胞子を飛ばす時と、花が胞子を飛ばす時である。原作でナウシカが胞子の飛ぶ様子を雪に例えている事や、上記の原作見返しイラストや映画から胞子が白い事が分かる。胞子から発芽してしばらくは大地や人間や動植物の死体 (生きた植物に付着する事もある) を苗床として養分を得る従属栄養性であるが、生長後は葉緑素を持つ葉を展開し光合成によって養分を得る独立栄養生活を営むようになるものもある。胞子の生命力は強く、腐海ではない場所にわずかでも胞子が入り込めばたちまち繁殖して (生きた植物 (恐らく王蟲以外の生物の死体も同様。王蟲については下記の王蟲の項を参照) に付着すると2、3日で菌糸を伸ばし、その植物を内側から枯らし、その後発芽する) 、一帯は腐海に飲み込まれてしまう。この為、腐海周辺の人々は居住地に胞子を持ち込まないように注意を払っており、胞子は発見され次第、焼却処理される。腐海植物は燃えやすく熱に弱い (上記の風の谷の項及び後述の胞子を燃やす場面だけではなく、腐海から帰ってきた後、ナウシカとミトが服等から胞子を払い落し焼却した上、ガンシップを熱い水蒸気で消毒する場面もある。また、蟲使いの村が腐海内の火山の火口の中にあり、村には地中の噴気を利用した空気の浄化装置がある) 。上記の原作見返しイラストや映画の芽の中には白っぽい色のものがある事も分かる。映画は枯れて石化した植物も白い。原作ワイド判第1巻のユパの台詞によると、腐海植物 (恐らくムシゴヤシ) の中には樹高が100メルテを超すものもある。 「瘴気」と呼ばれる猛毒のガス状の物質を大気中に放出する為、腐海では従来の動植物は一切生息できず、瘴気は腐海の周辺に住む人間の健康や作物の生育にも深刻な影響を及ぼしている。人間や家畜が腐海に入る際は瘴気マスクと呼ばれる器具を身につけなければ、5分で肺が腐り死に至る。原作・映画共に瘴気は重く、原作で (恐らく映画も) 瘴気が届きマスクが必要なのは10リーグまでである。 瘴気の毒素は腐海の植物が地中の有毒物質を無毒化する過程で生じた二次代謝物であり、数百年かけて無毒な結晶になっていく。したがって汚染されていない土壌や清浄な水と空気だけで育ったものは瘴気を出さず、また大きくもならない。原作の瘴気は土中の毒を無毒化する前に活性化させる。腐海の植物はその土地を無毒化しきると下層から枯れて石化し砂になっていき、上層との間には空洞が生まれる。この空洞は約300年経つと瘴気が結晶化しきって清浄になり、瘴気マスクなしで腐海の外の生き物が活動できるようになる。また腐海の植物に「食われた」人工物も砂になり、やがて崩れてしまう。 石化・崩壊を繰り返すうち空洞は上へと登っていき、登り切って腐海が役目を終えた後は小型の植物群となる (原作の人工の腐海生物、現生人類及び腐海外の生物の改造の設定により、小型の植物群にもわずかに毒が残っている模様) 。原作で腐海の木々が午後の胞子 (下記のムシゴヤシの項を参照) を飛ばす時に気流が生まれ、その風にメーヴェを乗せて、ナウシカとアスベルが腐海の底から脱出する為に上空に飛び上がる場面がある。(映画も映ってはいないが、同じ方法でナウシカとアスベルは腐海から脱出した模様) 原作はナウシカ達は前述の風にメーヴェを乗せて飛ぶ前に少しでも重量を軽くする為、ナウシカは上着の下に着ていた胴ヨロイ等を脱ぎ捨て、アスベルは上着等を脱いだ。メーヴェに収納していた武器も置いてきた。アスベルも武器を置いてきた (アスベルの上着等のその後は不明) 。これより前にナウシカは腐海の底で、メーヴェで飛行中に翅蟲達に襲われ、マスク等を失った上に、上着が破れベルトが外れ、腰に下げていたポケット (ポシェットの事) とセラミック刀が地面に落ちたが、後にポケットを発見し拾ったが、マスク等は発見できなかった。映画は腐海の中で、メーヴェでアスベルと共に飛行中に後ろから翅蟲の体当たりを受け、ナウシカのマスク等が外れ地面に落ち、彼女が気絶し墜落後、二人が流砂に飲み込まれ腐海の底に落ちる直前に、アスベルがマスクだけ発見し拾った (アスベルの気づかない内に飛行帽も流砂により腐海の底に落ちた) 。 (二人のマスクは下記の瘴気マスクの項を参照) ムシゴヤシ 代表的な腐海植物。王蟲が好んで食べる事からこう呼ばれる (恐らく漢字・平仮名の表記は「蟲肥やし」) 。新しい腐海ができる時はムシゴヤシが先駆的に成長し、その後小型で多様な植物群がゆっくりと育って、多様な腐海の生態系を形成していく。成木は光合成を行い、上記の原作見返しイラストによると、最大樹高は50メルテ(作中の単位)に達する。原作・映画共に、ナウシカが「午後の胞子を飛ばしている」と言っており、1日の間に胞子を飛ばす時間が決まっている事が分かる。 ヒソクサリ 猛毒の腐海植物。土鬼軍が生物兵器として利用を試みたが、凍結保存されていた種苗が粘菌状に突然変異して暴走、大海嘯の引き金となった。 粘菌 この世界における粘菌は、腐海に生息する、移動能力を持った細胞群体である。群で生活し、老化したり餌がなくなると球状に集まって休眠する。この球は時が経つと弾けて胞子を放出する。粘菌が感情を持っている描写がある。原作のみの登場。 変異体の粘菌 土鬼軍が兵器として培養したヒソクサリの苗が突然変異を起こして生まれた粘菌。爆発的な増殖速度と極めて短い寿命を持ち、繁殖しないように改造(突然変異株の選出)されている。変異体の瘴気の中でも他の腐海植物は成長する上、通常よりも成長が速い。変異体が意志や知能や感情を持っている描写がある。原作のみの登場。 マスクが効かず蟲さえも死に至らしめる猛毒の瘴気をまき散らしながら巨大なアメーバ状の体(変形体)で周囲の物を飲み込み、さらには大海嘯の直接的な引き金となった事で土鬼の国土に壊滅的被害をもたらした。最終的には飲み込んだ王蟲の群に付着していた腐海植物の苗床としてその大部分が吸収され、腐海生態系の一部として取り込まれる形で安定化した。 蟲(英:Bug) 腐海に生息する動物の総称。作中における用字は「蟲」であり、腐海以外に生息する昆虫などは「虫」と表記され、区別されている。 王蟲(オーム)のように巨大なものから微小なものまで、多種多様な大きさや形態のものが存在する。その多くは体節制をとる外骨格の体に多数の関節肢を具えた、現生の節足動物に似た形態をしているが、顎は横開きではなく脊椎動物のような縦開きである。 生息空間を基準に「地蟲(じむし)」「翅蟲(はむし)」「管蟲(くだむし)」と3種類に大別される。翅蟲は2対以上の翅を具えた飛翔性であり、地蟲と管蟲は地上棲か地中棲である。水中で活動できるものもいる。瘴気の無い所では長く生きられない。蟲は基本的に卵生である。体の成長に合わせて脱皮を繰り返すが、変態に関しては完全変態するものから不変態型まで様々なタイプがいる。食性に関しては、他の蟲を対象とした狩りをしない種、すなわち捕食性の低い種が多いが、中には高い種もいて、作中にも狩りの描写がある。蟲は強い光や高い音に敏感で、閃光弾 (光弾) や蟲笛や鏑弾といった道具で、一時的に活動を停止させたり、行動をある程度誘導する事もできる。 腐海の植物と並んで、蟲は腐海生態系の主要な構成要素であると共に、人々が容易に腐海に踏み込めないように配置された守護者でもあり、個体や種をも超えた超個体的意識(集合精神)を形成している。大型の種は一般に攻撃性が強く、種類を問わず他の蟲が外敵(主に人間)によって傷付けられると群をなして攻撃を加える為、腐海のほとりで暮らす人々の間では蟲を殺す事はタブーとされている。一方で危害さえ加えられなければ人間が腐海に侵入しても全く意に介さない。 王蟲(別表記:オーム、英:Ohmu、NWP:Giant Gorgon) 最大の蟲。現実世界の等脚類(ワラジムシ目動物)を巨大化したような外見をしているが、整然と並んだドーム状(半円形状)の複眼を第三節と第四節に具えている点では大きく異なる。水中でも活動できる地上棲で、卵生で、無変態型の脱皮をし、捕食性の低い部類に入る。腐海の“大木”であるムシゴヤシを好んで食べる。 卵から孵化した50cm程の幼生 (例:幼いナウシカと遊んでいた幼生 (赤ん坊) ) は脱皮を繰り返して成長し、成体は体長70mを超える。十数節の体節からなる濃緑色の体に14個の眼と多数の歩脚を持つ。眼の色は普段は青いが、怒ると赤くなり、また気絶すると灰色になる。体液の色は青。口腔内には直径数cmの糸状の金色の触手が無数にある。原作は消化管内壁からは酸素を含む「漿液 (しょうえき) 」と呼ばれる液体を分泌し、人間は肺に漿液を満たす事で液体呼吸が可能となる。原作は王蟲の血には蟲の怒りを鎮める力がある。原作は王蟲の死体に付着した腐海植物の胞子が、1日で大木に成長した事から、王蟲の血の中に、植物の成長を促す成分が入っている事を示唆する場面がある。 表皮は非常に堅牢かつ弾性に富み、脱皮の抜け殻は装甲板や刃物や甲冑に加工される。原作・映画共に、ナウシカが王蟲の抜け殻の一部を持ち帰る為に、セラミック刀を突き刺そうとしたが、刃先が欠けただけで抜け殻に傷はつかなかった。その後、1個の抜け殻の眼の周りに1個の銃弾の火薬をまいて爆破し、セラミック刀を使い取り外して持ち帰った。王蟲の抜け殻から削りだした刀剣はセラミックの物よりも軽く、トルメキア装甲兵 (親衛隊) とクシャナのセラミック甲冑 (クシャナの鱗状の甲冑は、原作ワイド判第3巻表紙絵等は映画の装甲兵同様銀色。映画は金色) さえも貫通する切れ味を持つ。抜け殻の眼は透明なドーム状で、ゴーグルのレンズやガンシップの風防に利用される。原作の300年前の大海嘯は、古代エフタル王国の王位継承を巡る内乱によって増大した武器の需要に応える為に王蟲が乱獲された事が原因だった。狩猟方法は不明。原作・映画共に、王蟲の皮の剣を使用する場面があるのは、ナウシカ (原作の長剣は元々彼女の物。映画で彼女が使った長剣は父の物) とユパ (長剣と短剣) 。原作ワイド判第1巻表紙絵等でナウシカが、出陣時に身につける恐らく王蟲の甲皮の額当て (風の谷の紋章のレリーフ付き) は銀色なので、上着の下につける王蟲の甲皮の胴ヨロイと袖の下につける手甲 (ちなみに、原作でユパも手袋(袖)の下に同じ材料の手甲をつけている) も同じ色だと思われる。 ムシゴヤシを食べ進んだ跡は森の中にトンネル状の空間となって残り、「王蟲の道」と呼ばれる。 種のレベルでの超個体的意識を具えており、比較的高度な知性をも具えている為、思いやり、慈しみ等といった精神文化を有している。その慈しみは蟲を攻撃した人間にも及ぶ為、憎しみに駆られその人間を殺してしまった事を悲しむ。念話(テレパシー)で人間と対話したり (一度だけテレパシー能力を持たないアスベルに話しかける場面があった) 、他種の蟲に指令を下して行動を制御する事もできる。怒った際の攻撃性は強く、群をなして暴走し、人間の居住地に甚大な被害をもたらす。エフタルや土鬼の土着の宗教には、畏敬の念を籠めて王蟲を神聖視する思想がみられる。 原作で王蟲は自然発生した生物ではなく、1000年前に人工的に造り出された浄化の為の人工生物であり、ナウシカは墓所 (の主) の血液と王蟲の体液が同じだったと独白している。原作で王蟲の群を酸の湖岸のクシャナ軍の宿営地に誘導する為の囮 (おとり) の王蟲の仔を、ナウシカが群に帰した後、彼女が「私が知る限り12回は脱皮する王蟲の子を捕らえる事は不可能。腐海の中では」と言った。後に蟲使いが腐海で手に入れた王蟲の卵の殻のかけらを使い、墓所の技術で眠らせたまま培養した仔を囮にした事が判明する。原作・映画共に夢の中の回想場面で、幼いナウシカと腐海の外で遊んでいたが、彼女の前で大人達に捕まった幼生 (その後この幼生は彼女のいない所で殺された模様) と同様に幼生は、成虫のいない所では簡単に捕まえたり殺したりできるし、テレパシーで成虫を呼ぶ事もない模様。映画の腐海の中でペジテ市民が囮の仔を捕まえた方法は不明。原作で後にナウシカは囮になった仔と腐海の中で再会、その時この仔は少し大きくなっていて、セルムがこの仔に頼み、ナウシカとミラルパとセルムを乗せて彼女が行った事のない腐海の尽きる所の近くまで運んでもらう。この時ミラルパは死んで霊体になっており、ナウシカとセルムは幽体離脱をしている。その後3人はセルムの案内により、腐海の尽きる所及び、その先の青き清浄の地に行き、そこからミラルパは彼岸に旅立った。 なお、アニメに描かれた王蟲の抜け殻について、本体の抜け出た形跡がどこにも見当たらないという(庵野秀明らの)意見があるが、脱皮の際に正中線に沿って入る亀裂はしっかりと描かれており、特に真上から描いたシーンでははっきりと見えている。実際の蝉(せみ)等で、本体が抜け出た後に乾燥が進む事により、内側に巻き込み気味である程度元の位置まで戻る例が割とあるのを、むしろ忠実に再現して見せている。 映画における王蟲の鳴き声は布袋寅泰が演奏するエレキギターの音が使われている。 大王ヤンマ 人の身長と同程度の体長の翅蟲で、細身の体に同形同大の翅を持つ。青緑色の体に2対の翅を持ち、脚は4対で、赤い眼は頭部側面の大きな1対の他、頭部側面の小さなものを1対持つ個体と、茶色がかった緑色の体に4対の翅を持ち、脚は多数で、赤い眼は頭部側面の大きな1対の他、頭部前面に横一列に並ぶ小さなものを5つ持つ個体がいる (体色はどちらも映画版) 。クチバシ状の口器を持ち、口腔内には舌のようなピンク色の器官がある。活動の際には、身体から軋むような音を発する。「森の見張り役」と呼ばれ、腐海に何らかの異常が起こった時、他の蟲を呼び集める働きを持つ。人間を攻撃する王蟲等に随伴する事が多いが、自ら人間を襲う描写はほとんどない。ヤンマに似ている。 ウシアブ 翅蟲の一種。赤茶色ないし紫色の丸い体に2対の翅を持ち (紫の体色は映画版) 、翅を広げた幅はメーヴェの全幅の倍程。縦に開く大きな顎を持つ。赤い眼は頭部側面のやや大きな1対の他、頭部前面に横二列に並ぶ小さなものを7つ持つ。8本の脚を持つ。水辺に産卵し親が卵を守る習性がある。また危機を感じるとスズメバチのように顎を噛み鳴らし、触角を震わせて仲間を呼ぼうとする。牛と同程度の体長である。 映画は腐海に侵入後蟲に襲われ、風の谷に落下したトルメキアの大型船に潜んでいたが、ナウシカが蟲笛を使って森に帰した。 なお、実在するハエ目アブ科アブ属(英語版)の昆虫の1種であるウシアブ(学名:Tabanus trigonus)とは無関係。 ヘビケラ 竜や蛇のように細長く上下に平たい体(背中は紫で腹は白)に2対の翅を具えた大型の翅蟲で、全長は数十mに達する。脚はなく、赤紫色の頭部に昆虫の大腮(おおあご)のような巨大な赤紫色の鎌状の器官を具え、尾端にはオレンジ色の剣状の突起がある。オレンジ色の眼は頭部側面の大きな1対の他、頭部前面に横一列に並ぶ小さなものを3つ持つ (体色は映画版) 。飛翔速度は航空機であるバカガラスより速い。群で移動する前に大量の卵を産み残す習性がある。ミノネズミの成虫。 ミノネズミ 地蟲の一種で、ヘビケラの幼生。「蓑鼠」というその名の「蓑」は、頭に密生している黒い毛に由来する。頭部に白くて小さいが、ヘビケラと同様に鎌状の器官を具えている。赤い眼は、ヘビケラと同様に頭部側面の大きな1対の他、頭部前面に横一列に並ぶ小さなものを3つ持つ。焦げ茶色の体 (毛と体の色は映画版) 。脚は5対。群で行動し、外敵に対しては跳び掛って攻撃する。 映画のみの登場。
※この「腐海」の解説は、「風の谷のナウシカ」の解説の一部です。
「腐海」を含む「風の谷のナウシカ」の記事については、「風の谷のナウシカ」の概要を参照ください。
腐海
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 05:27 UTC 版)
「風の谷のナウシカ (映画)」の記事における「腐海」の解説
人類によって汚染された大地を浄化する為にこの星が生みだした生態系という仮説は、原作序盤も語られている。しかし、原作終盤に、腐海は自然発生したものではなく旧文明の科学力により創出された浄化装置の一種である事が明かされる。詳細は漫画の腐海の項を参照。原作・映画共にナウシカが、人間や家畜がマスクなしで腐海に入ると、瘴気により5分で肺が腐り死ぬと言った。原作・映画共に瘴気は重く、原作で (恐らく映画も) 瘴気が届きマスクが必要なのは10リーグまでの近距離。原作・映画共に生きた植物に腐海植物の胞子が付着すると2、3日で菌糸が伸び (恐らく生物の死体に胞子が付着した時も同様) 、その植物を内側から枯らし、その後発芽する。原作ワイド判第5巻と第6巻の見返しのイラストと映画で、腐海植物が発芽し胞子を飛ばす時と、成木がつける花と呼ばれる胞子嚢から胞子を飛ばす時に (原作・映画共にナウシカが「ムシゴヤシが午後の胞子を飛ばしている」と言っており、腐海植物が胞子を飛ばす時間が決まっている事が分かる) 、瘴気を出す。上記の風の谷の項の通り原作・映画共に腐海植物は燃えやすく熱に弱い。原作・映画共に腐海の周辺に住む人や家畜や作物は、わずかに届く瘴気で死産及び、ジルと城オジ同様病気にかかり、死ぬ事が多い。平均寿命も短い模様 (登場人物の年齢設定によると成人後は早く年を取る模様) 。映画ラストシーンの腐海の底でチコの実の木の芽が生え始めているのが映る事から、腐海の底が将来は「青き清浄の地 (つまり緑色の葉や茎を持つ草木が生えた清浄な大地の事) 」になる事を示唆しているが、原作も腐海は「青き清浄の地」と関係があるが、原作の「青き清浄の地」の場所は違う。 王蟲の仔 原作・映画共に王蟲の仔 (王蟲の詳細は漫画の腐海の項を参照) を捕まえて傷つけ飛行ガメ (飛行ポッド) から吊り下げて王蟲の群をおびき寄せる事は共通しているが、原作の囮 (おとり) の王蟲の仔は、ナウシカが「私が知る限り12回は脱皮する王蟲の子を捕らえる事は不可能。腐海の中では」と言っており、腐海の中では人間が捕まえる事はできない為 (原作・映画共に夢の中の回想場面で、幼いナウシカと腐海の外で遊んでいたが、大人達に捕まった幼生 (この幼生は彼女のいない所で殺された模様) と同様に幼生は成虫のいない所では簡単に捕まえたり殺したりできるし、テレパシーで成虫を呼ぶ事もない模様) 、以降の展開への伏線となる。映画の腐海の中でペジテ市民が囮の仔を捕まえた方法は不明。原作と映画の囮の仔の大きさはほぼ同じに見える。
※この「腐海」の解説は、「風の谷のナウシカ (映画)」の解説の一部です。
「腐海」を含む「風の谷のナウシカ (映画)」の記事については、「風の谷のナウシカ (映画)」の概要を参照ください。
- >> 「腐海」を含む用語の索引
- 腐海のページへのリンク