フェアユース関連とは? わかりやすく解説

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フェアユース関連

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 21:16 UTC 版)

著作権法の判例一覧 (アメリカ合衆国)」の記事における「フェアユース関連」の解説

判例通称判決裁判所(判例集番号)争点著作タイプ判決訴訟概要判決要点特筆性フォルサム対マーシュ裁判(Folsom v. Marsh) 1841 C.C.D. Mass.(9. F.Cas. 342) フェアユース第1-第4基準全て 文章(印刷書籍) 違法 フェアユース法理確立した米国初の判例として知られる歴史家ジャレッド・スパークス(英語版)が初代大統領ジョージ・ワシントン書簡などの著作権獲得し12巻から成る『The Writings of George Washington』を上梓してフォルサム社(英語版)から出版。うち2巻は『The Life of Washington in the Form of an Autobiography』として別途マーシュ社(英語版)から後に出版したことから、無断転載でフォルサムが提訴した。当判決では、現代フェアユース107条の第1-第4基準類似する観点全て含まれる形で判示された。以降1976年改正法フェアユース成文化されるまでの間、米国ではもっぱら司法判断基づいてきた。 トムソン知事陣営ギャレン候補陣営裁判(Keep Thomson Governor Comm. v. Citizens for Gallen Comm.) 1978 D. N.H.(457 F.Supp. 957) フェアユース第1・第3基準 音楽(実演) 合法 ニューハンプシャー州知事選において共和党現職メルドリム・トムソン・ジュニア(英語版)の選挙キャンペーンソング15秒分を民主党候補ヒュー・ガレン(英語版)が自身選挙広告流用使用量が少なく、かつ政治討論目的のためフェアユース認められた。 イタリアン・ブック対ABC裁判(Italian Book Corp., v. American Broadcasting Co.) 1978 S.D. N.Y.(458 F.Supp. 65) フェアユース第1・第3・第4基準 音楽(テレビ) 合法 ニューヨークで開催されイタリア祭を現地取材してテレビでニュース報道したところ、祭で演奏されていた楽曲まで報道映像含まれてしまった。使用量が限定的、また収録故意ではない、かつ作詞作曲家潜在市場価値毀損ていないためフェアユース認められた。 エルスメア・ミュージック対NBC裁判(Elsmere Music, Inc. v. National Broadcasting Co.) 1980 S.D. N.Y.(482 F.Supp. 741) フェアユース第1 (パロディ)・第3基準 音楽(テレビ) 合法 NBC放送コメディバラエティ番組『サタデー・ナイト・ライブ』内で "I love New York" のパロディ曲流れたデ・ミニミス (ごく軽微な使用) であると判示en: I Love New York#Imitationsも参照。 ロイ・エクスポート対CBS裁判(Roy Export Co. Establishment. of Vaduz v. Columbia Broadcasting System, Inc.) 1982 2d Cir.(672 F.2d 1095, 1100) フェアユース第2基準 映像(ニュース報道) 違法 チャーリー・チャップリン72映画から75秒を抜粋してチャップリン死去ニュース報道使用 (Roy Exportチャップリン作の著作権者)。抜粋箇所映画肝心なシーンだったためフェアユース認められず。 ハスラー誌対モラル・マジョリティ裁判(Hustler Magazine, Inc. v. Moral Majority, Inc.) 1985 C.D. Cal.(606 F.Supp. 1526) フェアユース第4基準 文章(印刷書籍) 合法 出版実業家ラリー・フリント率いポルノ雑誌ハスラー』がキリスト教福音派宗教右派ジェリー・ファルウェル牧師冒涜する文章掲載。これを同牧師創設運営する宗教組織モラル・マジョリティが引用して数十部をコピーし資金集めのために配布。既に雑誌市場から引き上げられていたため、原著作物利益侵害当たらないとしてフェアユース認め判示。なお、両者精神的苦痛理由に、別途ハスラー・マガジン対ファルウェル裁判でも対立し最高裁まで争ったフィッシャーディーズ裁判(Fisher v. Dees) 1986 9th Cir.(794 F.2d 432) フェアユース第1 (パロディ)・第3基準 音楽(デジタル以外) 合法 DJ/ラジオパーソナリティのリック・ディーズ(英語版)がジャズ曲 "When Sunny Gets Blue英語版)" の29秒 (38小節) を引用してパロディを製作。不正競争防止名誉棄損および著作権侵害に当たるとして、原曲作詞家フィッシャー提訴楽曲全体ではないことからフェアユース判定サリンジャーランダムハウス裁判(Salinger v. Random House, Inc.) 1987 2d Cir.(811 F.2d 90) フェアユース第3・第4基準 文章(印刷書籍) 違法 小説家J・D・サリンジャー未発表手紙用いて無断ランダムハウス書籍化を計画未発表であり、手紙の内容書籍根幹をなすことからフェアユース抗弁棄却され出版差止成功スタインバーグコロンビア・ピクチャーズ裁判(Steinberg v. Columbia Pictures Industries, Inc.) 1987 S.D. N.Y.(663 F.Supp. 706) フェアユース第1 (パロディ) 基準 イラスト(デジタル以外) 違法 漫画家ソール・スタインバーグ作品雑誌ザ・ニューヨーカー表紙飾り1984年製作映画ハドソン河のモスコー』の宣伝ポスター流用された。スタインバーグ作品アメリカ経済中心主義偏狭さ風刺しており、映画ポスター同様の風刺用いている。原作風刺していればフェアユース定めパロディ該当するが、ポスター同調していることからフェアユース成立しない判示された。 ラブ対クウィットニー裁判(Love v. Kwitny) 1989 S.D. N.Y.(772 F.Supp. 1367) フェアユース第3・第4基準 文章(ニュース報道) 違法 ジャーナリスト個人同士訴訟1959年イランのザヘディ将軍英語版)によるクーデターでモサッデク首相失脚した。ケネット・ラブ(英語版)がこのイラン政府転覆予兆いち早く調査して原稿書き留め、それをジョナサン・クウィットニー(英語版)が使用した原稿半分以上使用されたことから、フェアユース引用範疇超えており、かつ未発表であったことから著作権侵害認められた。 ライト対ワーナーブックス裁判(Wright v. Warner Books, Inc.) 1991 2d Cir.(953 F.2d 731) フェアユース第1・ 第3基準 文章(印刷書籍) 合法 小説家リチャード・ライト未発表の手紙などを自伝作家引用して出版引用全体1%以下、かつ書籍上で説明目的引用のため侵害あたらない判示ツイン・ピークス対パブリケーションズ・インターナショナル裁判(Twin Peaks Productions, Inc. v. Publications International, Ltd.) 1993 2d Cir.(996 F.2d 1366) フェアユース第3・第4基準 文章(印刷書籍) 違法 人気ミステリーTVツイン・ピークス』の引用解説本を巡るケース番組のあらすじ登場人物設定セリフなどの引用量が多く、また公式解説本売上影響することから著作権侵害判示となったサイエントロジー対パグリアリーナ裁判(Religious Technology Center v. Pagliarina) 1995 E.D. Va.(908 F.Supp. 1353) アイディア・表現二分論 (マージ理論)、フェアユース第1・第3基準 文章(デジタル) 合法 (ワシントンポスト) 新興宗教サイエントロジー元信者で批判家のアーニー・ラーマ(英語版) (本名Arnaldo Pagliarini Lerma) は、同宗教団体神聖視して秘匿する教本 (OT文書) を持ち出してインターネット上全量公開したことから、連邦保安官から家宅捜査受けたほか、当文書著作権侵害教会関連団体RTCから提訴された。またワシントンポストとその記者らも同件で提訴されている。ラーマ教団教え (アイディア) とOT文書 (アイディア表現) が融合していることから、OT文書著作権保護適用すると元となるアイディアまで排他的な保護がおよぶとしてOT文書著作権はないとするマージ理論」で抗弁した。しかし教団教えOT文書以外にも記述されていることから、その融合性を否定する判示となった。また引用量が広範であったことからフェアユース抗弁否定された。一方ワシントンポストは、引用量が限定的かつニュース解説目的のためフェアユース認められた。en: Arnie Lerma#RTC v. Lermaも参照サイエントロジーラーマ裁判(Religious Technology Center v. Lerma) 1996 E.D. Va.(40 U.S.P.Q.2d 1569) 文章(デジタル) 違法 (ラーマ) モンスター・コミュニケーションズ対ターナー・ブロードキャスティング・システム裁判(Monster Communications, Inc. v. Turner Broadcasting System. Inc.) 1996 S.D. N.Y.(935 F.Supp. 490) フェアユース第1・第3基準 映像(映画) 合法 モハメド・アリボクシング対戦映像41秒を流用して自伝映画を製作。流用の秒数が短く、また映画内での情報提供に留まっているとして著作権侵害なしの判示。 ロサンゼルス・ニュースサービス対KCAL-TV裁判(Los Angeles News Service v. KCAL-TV Channel 9) 1997 9th Cir.(108 F.3d 1119) フェアユース第1・第2・第4基準 映像(ニュース報道) 違法 スクープ映像撮影知られる独立系撮影社が1992年ロサンゼルス暴動暴行シーン撮影その4分の録画から30秒抜粋して地方局KCAL-TV(英語版)がニュース報道営利利用、かつ抜粋箇所肝心なシーンだったため著作権者潜在市場での利益侵害した判定。 リングゴールド対ブラック・エンターテイメント裁判(Ringgold v. Black Entertainment Television, Inc.) 1997 2d Cir.(126 F.3d 70) フェアユース第1・第2基準 美術(テレビ) 違法 原告である芸術家教会キルト作品TVコメディロック英語版)』内の背景映像27使われた。キルト作品著名性、TV背景セット上の重要性加えTV業界では許諾を取る慣習存在することから、著作権侵害認められた。en: Faith Ringgold#Copyright suit against BET参照ドクター・スースペンギン・ブックス裁判(Dr. Seuss Enterprises, L.P. v. Penguin Books USA, Inc.) 1997 9th Cir.(109 F.3d 1394) フェアユース第1 (パロディ) 基準 文章(印刷書籍) 違法フットボール選手O・J・シンプソンによる殺人容疑裁判を、ドクター・スース児童文学キャット インハット』の設定物語二次的著作物を巡るケースドクター・スースへの皮肉や悪ふざけ要素がないことからパロディとは見なされず、また非営利性および変形利用該当しないことから、著作権侵害判示となったキャッスル・ロック・エンターテインメントキャロル出版裁判(Castle Rock Entertainment, Inc. v. Carol Publishing Group Inc.) 1998 2d Cir.(150 F.3d 132) フェアユース第3・第4基準 文章(印刷書籍) 違法 人気コメディTVとなりのサインフェルド』のトリビアクイズ形式書籍まとめて無断出版原著作のうち84話相当から引用し、また番組製作者の二次的著作物作成侵害した判示された。 リーボヴィッツ対パラマウント・ピクチャーズ裁判(Leibovitz v. Paramount Pictures Corp.) 1998 2d Cir.(137 F.3d 109) フェアユース第1 (パロディ) 基準 写真(デジタル以外) 合法 写真家アニー・リーボヴィッツ妊婦姿の女優デミ・ムーア撮影。これを映画裸の銃を持つ男 PART33 1/3 最後の侮辱』がパロディ化して映画宣伝利用パロディ利用に伴うライセンス料原告請求したが、フェアユースとして棄却された。 A&Mレコード他対ナップスター裁判(A&M Records, Inc. v. Napster, Inc.) 2001 9th Cir.(239 F.3d 1004) フェアユース第1-第4基準全て寄与侵害英語版)、代位侵害英語版)、DMCA 音楽(デジタル) 違法 通称ナップスター判決」。ナップスター社が無料配布したPeer to Peerソフトウェアによって無断楽曲ユーザ間でファイル共有され、かつ各ユーザ保有楽曲容易に検索できるようナップスターインデックス張っていたことから、A&Mなど音楽レーベル各社著作権侵害間接侵害提訴購入前の試聴目的であってフェアユース該当するナップスター抗弁した。二審控訴裁ではフェアスース第1基準変形利用英語版)は見られず、第2・第3基準楽曲著作物性認め、第4基準では実際売上発生将来的デジタル配信市場への参入障壁指摘した。また1992年家庭内録音法(英語版) (非商用私的録音合法明示した著作権法改正) は本件には適合しない判示された。寄与侵害については著作権保護中の楽曲シェア知りつつ放置したとして、ナップスター側の責任認めた。また代位侵害については、インデックスだけでは侵害発生有無把握できないものの、侵害ファイルへのアクセス停止させるなど監督管理能力有していたとして、監督不十分の責が認められた。DMCA免責適用についてはP2Pという分散システム性質上、第512条 のインターネット接続事業者ナップスター該当しないとされ、免責適用外とされた。 ケリー他対アリバ・ソフト裁判(Kelly v. Arriba Soft Corp) 2003 9th Cir.(336 F.3d. 811) フェアユース第1-第4基準全て 画像(デジタル) 合法 アリバ・ソフト社が運営する検索エンジン画像収集してサムネイル表示しており、自身ウェブサイト写真画像有料販売していたプロ写真家ケリー作品含まれていた。サムネイル画像サイズ小さく解像度も低いことから第1基準 (変形利用) は被告有利、インターネット公開写真著作権対象であることから第2基準原告有利、第3基準中立、第4基準被告有利。総合してフェアユース認められた。Perfect 10対Amazon.com事件#サムネイルおよびen: Transformativenessも参照BMGミュージックゴンザレス裁判(BMG Music v. Gonzalez) 2005 7th Cir.(430 F.3d 888) フェアユース第4基準 音楽(デジタル) 違法 被告女性ゴンザレスは、Peer to PeerのファイルシェアKaZaA利用して楽曲大量ダウンロード。後に楽曲購入する判断するための試聴であり、ベータマックス裁判タイムシフト (Time-shifting後日視聴) との類似性持ち出して抗弁した。しかし推定ダウンロード数は1370曲、うち30曲以上は被告のハードドライブに残っていた。またiTunesなど楽曲一部のみ試聴できる合法サービス別に存在することから、被告抗弁正当性否定された。 ビル・グラハム・アーカイブズ対ドーリング・キンダーズレー裁判(Bill Graham Archives v. Dorling Kindersley, Ltd.) 2006 2d Cir.(448 F.3d 605) フェアユース第1・第3基準 画像(印刷書籍) 合法 ロックバンドグレイトフル・デッドポスター別の書籍流用。サムネイルサイズであり、か経歴解説文脈内での利用のためフェアユース判定フィールドGoogle裁判(Field v. Google, Inc.) 2006 D. Nev.(412 F.Supp.2d 1106) フェアユース第1基準 文章および画像(デジタル) 合法 Google検索キャッシュ表示著作権侵害問われ裁判サイト運営者任意キャッシュON/OFF設定ができるため、Googleに非がないとして棄却された。 Perfect 10Amazon.com裁判(Perfect 10, Inc. v. Amazon.com, Inc.) 2007 9th Cir.(508 F.3d 1146) フェアユース第1・第4基準 画像(デジタル) 合法 「#ケリー他対アリバ・ソフト裁判」の類似ケース成人向け雑誌Perfect 10』はヌード画像有料会員閲覧提供していたが、検索エンジンGoogleがその画像自動サムネイル化。またそのサムネイル画像GoogleAmazon提供する業務契約締結していたことから、Amazon顧客無料画像閲覧できる状態であり、Google行為対し一時差止命令請求したサムネイル小型・低解像であったことから変形利用認められ、また元サイト (Perfect 10) の出典表記とリンクによって閲覧者誘導される仕組みであることから、損害性もないと判示された。 ワーナー・ブラザーズRDRブックス裁判(Warner Bros. Entertainment Inc. v. RDR Books) 2008 S.D. N.Y.(575 F.Supp.2d 513) フェアユース第1基準 (二次的著作物) 文章(印刷書籍) 違法 『ハリー・ポッター』シリーズ用語など収録した百科事典複数シリーズの用語を1冊の事典まとめていることから「若干変形性」は認められたものの、逐語的な引用が多いことからフェアユース要求水準には満たない判示された。en: Legal disputes over the Harry Potter series参照サリンジャー対コルティング裁判(Salinger v. Colting) 2009 S.D. N.Y.(641 F.Supp.2d 250) フェアユース第1基準 (パロディ) 文章(印刷書籍) 違法 小説家J・D・サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』主人公コールフィールド少年続編小説別の筆者創作被告パロディだと主張したが、少年大人設定し直しただけで性格など原作踏襲していることから、変形利用要件満たしておらず、著作権侵害判示となった。ただし一審では一時的出版差止認められたものの、二審では差止に関する見解修正入っている。 ウォーレン出版対スパーロック裁判(Warren Publishing Co. v. Spurlock d/b/a Vanguard Productions) 2009 E.D. Pa.(645 F.Supp.2d 402) フェアユース第1・第3・第4基準職務著作 画像(印刷書籍) 合法 当時フリーランサーだったコミック作家J. デヴィッド・スパーロック(英語版)のキャラクター「Gogos」がウォーレン出版モンスター雑誌Famous Monsters191冊中51冊の表紙飾ったウォーレンイラスト法人著作自社有していると主張し、スパーロックは1回限り使用許諾雑誌社与えたのみと主張。スパーロックがGogosのイラスト総集編2006年出版したことから訴訟となった雑誌四半世紀上前廃刊となっており、また表紙1ページのみで引用量が限定され一部イラスト改稿されていることからフェアユース判定アメリカン・コミックスにおけるクリエイターの権利参照。 ゲイロード対アメリカ合衆国政府裁判(Gaylord v. United States) 2010 Fed. Cir.(595 F.3d 1364) フェアユース第1基準 美術(切手印刷) 違法 朝鮮戦争戦没者慰霊碑 (ウェスト・ポトマック公園英語版)内) に屋外展示されている彫刻家フランク・ゲイロード(英語版)の彫刻作品19体のうち14体を、アメリカ合衆国郵便公社 (USPS) が朝鮮戦争記念切手使用一審著作権侵害認められたものの損害賠償は5千ドルのみ。控訴審経て685千ドル増額3次元彫刻2次元切手にするだけではフェアユース第1基準変形利用とは認められない判示された。en: Frank Gaylord#Career参照Righthaven対リアリティ・ワン・グループ裁判(Righthaven LLC v. Realty One Group, Inc.) 2010 D. Nev.(No. 2:10-cv-LRH-PAL, 2010 WL 4115413) フェアユース第3・第4基準 文章(デジタル) 合法 著作権侵害疑われる著作物著作権買い取って訴訟ビジネスを行ういわゆるコピーライト・トロール会社Righthavenによる訴訟新聞記事冒頭8文を不動産会社ブログ転載。8文だけで記事核心ではなく潜在市場価値影響しないためフェアユース認められた。 RighthavenJAMA裁判(Righthaven LLC v. JAMA) 2011 D. Nev.(No. 2:2010-cv-01322, 2011 WL 1541613) フェアユース第1・第4基準 文章(デジタル) 合法 非営利団体JAMAは、警察による人種差別指摘する目的新聞記事引用Righthaven新聞社から記事著作権購入した上でJAMA提訴したRighthaven新聞社ではないことから、引用して原告潜在市場価値損ねない。かつJAMA非営利団体引用目的合致のため、フェアユース認められた。 Righthaven対デモクラティック・アンダーグラウンド裁判(Righthaven LLC v. Democratic Underground LLC) 2011 D. Nev.(791 F. Supp. 2d 968) DMCAフェアユース第3基準 文章(デジタル) 合法 オンライン政治フォーラム "Democratic Underground" に新聞記事5文が引用された。当フォーラムデジタルミレニアム著作権法 (DMCA) のセーフハーバー条項適用対象あり、か引用量は5文のみで収益インパクト限定的なため、フェアユース認められた。 ノースランド家族計画クリニックバイオ倫理改革センター裁判(Northland Family Planning Clinic v. Center for Bio-Ethical Reform) 2012 C.D. Cal.(No. SACV 11-731 JVS) フェアユース第1 (パロディ) 基準 映像(デジタル以外) 合法 中絶擁護団体作成した映像流用し中絶反対団体比較映像作成一般的なパロディの定義にはユーモアジョークなど笑い要素含まれるが、本件では笑い一切ない批判評論であってもパロディ成立する判示された。 SOFAエンターテイメント対ドジャー・プロダクションズ裁判(SOFA Entertainment, Inc. v. Dodger Productions, Inc.) 2013 9th Cir.(No. 2:08-cv-02616) フェアユース第1・第4基準 映像(実演) 合法 バラエティTV番組エド・サリヴァン・ショー』の映像7秒を使用しロックバンドフォー・シーズンズドキュメンタリー調ミュージカルジャージー・ボーイズ』を創作フォー・シーズンズ経歴を辿る目的映像使用されており、変形利用認めた。また当ミュージカルステージ実演のみでDVD販売されていないことから、TV番組への損害認められなかった。 カリウプリンス裁判(Cariou v. Prince) 2013 2d Cir.(714 F.3d 694) フェアユース第1基準 絵画(実物) 合法 フランス人写真家パトリック・カリウ(フランス語版)はジャマイカ撮影した作品収録した写真集『Yes Rasta』を発行アメリカ人画家リチャード・プリンス(英語版)がカリウ写真元に絵画作品Canal Zone』を創作しギャラリー展示したほか、展示カタログにも収録した変形利用認められた。 アロー・プロダクションズ対ワインスタイン・カンパニー裁判(Arrow Productions, LTD v. The Weinstein Company LLC) 2014 S.D. N.Y.(2014 WL 4211350) フェアユース第1基準 映像(映画) 合法 1972年ポルノ映画代表作ディープ・スロート』 (アロー製作) に主演したAV女優リンダ・ラヴレース人物主題にして、2013年自伝映画ラヴレース』 (ワインスタイン製作) が創作された。『ラヴレース』に『ディープ・スロート』の3シーン映像引用されたが、リンダ・ラヴレース自伝本に基づいて自伝映画製作されていること、また批判的見地から主題捉えなおしていることを理由変形利用認められた。 キーニッツ対スコニー・ネイション裁判(Kienitz v. Sconnie Nation) 2014 7th Cir.(766 F.3d 756) フェアユース第1基準 画像(衣類) 合法 ウィスコンシン州市長撮影した写真家マイケル・キーニッツの作品改変し、選挙アンチキャンペーン資金集めのためにスコニー・ネイション社がTシャツプリントした屈辱的な表情背景除去文字追加など変形度が高かったことからフェアユース判定FOXニュース対TVEyes裁判(Fox News v. TVEyes, Inc.) 2014 S.D. N.Y.(43 F. Supp. 3d 379) フェアユース第1・第3・第4基準 映像(デジタル) 合法違法混在 1400局以上のテレビラジオメディア報道データベース検索提供するTVEyesは、有料会員に1クリップあたり最大10分のニュース映像提供していた。第1基準則りキーワード検索閲覧については営利目的ではあるが変形利用が勝るとしてフェアユース判定となった引用の質と量を計る第3基準では、10制限ニュース全量見られる点が指摘された。収益インパクトを問う第4基準では、会員自身のパソコンダウンロードや他者へのEmail回付機能について違法判定となった違法機能については終局的差止命令下された結果、TVEyesはFOXニュース取扱廃止決定した。en: 2019 in American television (1月21日出来事)も参照ケンブリッジ大学出版局他対パットン裁判(Cambridge University Press v. Patton) 2014 11th Cir. Ga.(769 F.3d 1232) フェアユース第1-第4基準全て 文章(デジタル) 合法 (一部違法) 「ジョージア州立大学著作権訴訟」とも。ジョージア州立大学がコースリザーブ(英語版)の電子システム (予習教材参考書などをデジタル化して受講生に提供する閲覧・ダウンロードシステム) を使用して著作物無断大量に複製提供しているとして、ケンブリッジ大学出版局オックスフォード大学出版局などが提訴一審ではフェアユース第4基準 (収益インパクト) のみ原告有利だが、第1~3基準被告有利としてフェアユース認めた二審では一審覆し再審理一審差戻し命じたものの、大半フェアユース判示となったその後原告らは再審求めた結果2016年には一部著作物著作権侵害追加認められた。フェアユース4基準のうち、第1: 25%、第2: 5%、第3: 30%、第4: 40%のウェイト判断全米作家協会ハーティトラスト裁判(Authors Guild, Inc. v. HathiTrust) 2014 2d Cir.(755 F.3d 87) フェアユース第1基準 文章(デジタル) 合法 全米作家協会他対Google裁判類似ケースハーティトラストGoogleブックススピンオフ図書館連携プロジェクト蔵書アーカイブデジタル化行っており、著作権侵害問われた。フェアユースの第1基準 (非営利性) に合致のため合法判示スウォッチブルームバーグ裁判(Swatch Grp. Mgmt. Servs. Ltd. v. Bloomberg L.P. ) 2014 2d Cir.(742 F.3d 17) フェアユース第1基準 文章および音声(ニュース報道) 合法 時計メーカーであるスウォッチ・グループ役員から証券アナリストへの電話内容収益性などの情報含まれており、これを音声録音文字書き起こしの形で経済メディアブルームバーグ入手して公表投資家への情報開示報道目的であることから、フェアユース第1基準定める「変形利用」をそもそも満たす要はいとされ音声そのまま公表フェアユース判示された。 全米作家協会他対Google裁判(Authors Guild v. Google, Inc.) 2015 2d Cir.(No. 13-4829) 反トラスト法フェアユース第1-第4基準全て 文章(デジタル) 合法 Googleブックス無断書籍大量デジタルスキャン。著作権者代表して業界団体全米作家協会らが集団訴訟起こした当初裁判所著作権侵害認め原告団有利の形で総額1億2500万米ドル和解交渉進めていたものの、最終的にフェアユース判定となった和解によってGoogle電子書籍市場における独占化が進行し反トラスト法 (独占禁止法) への抵触懸念され競合マイクロソフトAmazonYahoo!などが合従連衡反対運動展開したほか、フランスとドイツ政府米国裁判所反対意見書提出したことでも知られる終結までに約11年要したカッツ対シェヴァルディーナ裁判(Katz v. Chevaldina) 2015 11th Cir.(No. 14-14525) フェアユース第1・第2基準 画像(デジタル) 合法 別名「カッツGoogle裁判」。米不動産王のラーナン・カッツが所有するショッピングセンター元テナント女性カッツ屈辱的な画像Google検索し、カッツ経営への不満を公表するブログ記事掲載したカッツ写真著作権自分にあると主張し一次責任者としてブログ執筆女性と、二次責任者としてGoogle提訴した (後に対Google取り下げ)。二審では、ブログ記事批判かつ非営利目的であること (第1基準)、および写真カッツポーズ表現衣服などを印象付けるような表現性に欠ける (第2基準) としてフェアユース認めた。 イコールズ・スリー対ジューキン・メディア裁判(Equals Three, LLC v. Jukin Media, Inc.) 2015 C.D. Cal.(14-09041) DMCAフェアユース第1基準 映像(デジタル) 合法 マッシュアップ型のデジタル二次的著作物判例。ジューキン・メディア(英語版)は一般ユーザ作成動画収集し、その動画利用者に対して著作者代わりに利用ライセンス料徴収するオンライン・メディア。また自社製作動画YouTube等に公開している。人気YouTuberレイ・ウィリアム・ジョンソン率いるイコールズ・スリー社がYouTubeアップロードした動画一部を、ジューキンがデジタルミレニアム著作権法 (DMCA) が定めノーティス・アンド・テイクダウンの手続に則りYouTube削除要請し代わりにジューキン公式のYouTubeチャネルにリンク誘導した。イコールズ・スリーは広告収入減とDMCA濫用でジューキンを提訴した動画1点除き、イコールズ・スリーは全て変形利用認められた。 キーリングハーズ裁判(Keeling v. Hars) 2015 2d Cir.(No. 13-694) フェアユース第1基準 (パロディ) 映像(映画) 合法 映画『ハートブルー』 (原題: Point Break) のパロディ二次的著作物著作権者許諾法的に必要となるが、パロディかつ付加が多いため許諾不要との判示en: Derivative work#Lawful works requirement参照TCAテレビジョンマッカラム裁判(TCA Television Corp. v. McCollum) 2016 2d Cir.(No. 1:16-cv-0134) フェアユース第1基準 (パロディ)・第4基準更新手続 演劇(実演) 違法 お笑いコンビアボットとコステロ持ちネタ "Who's on first?" をパロディ化してブロードウェイミュージカルとして実演一審変形性が高いとしてフェアユース判定だったが二審否定し、かつ第4基準損害性があると判定。しかし著作者相続人著作物更新手続怠ったことから、原告訴え退けたOracle対Google裁判(Oracle America, Inc. v. Google, Inc.) 2019 最高裁係争中 フェアユース第1-第4基準全て プログラム(デジタル) 未決 Oracleサン・マイクロシステムズ企業買収する形で権利獲得したJava APIを、Google自社モバイルOSであるAndroid利用したとして、特許権著作権侵害総額88米ドル (約1兆円) の損害賠償求めてOracleGoogle2010年提訴した一審では、陪審著作権侵害判断したものの、裁判所Java API著作権保護対象当たらないとの理由2012年原告の主張退けている。しかし2014年二審では営利性および潜在市場への影響度観点圧倒的にOracle有利と見て著作権侵害認めた2019年1月Google二度目最高裁の上受理申立 (certiorari) を行い同年11月受理された。

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