係争中
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/17 14:22 UTC 版)
「日本における国旗国歌問題」の記事における「係争中」の解説
東京都教育委員会(都教委)は平成15年10月、「卒業式での国旗掲揚及び国歌斉唱に関する職務命令」として、「国旗は壇上向かって左側に掲げる」「式次第に国歌斉唱の題目を入れる」「国歌はピアノ伴奏をし、教職員は起立して国旗に向かって起立し斉唱する」などという項目を作成し、違反した場合は服務上の責任を問われるという、「国旗掲揚・国歌斉唱の義務」を各都立高校に通達した。だが、職務命令に従わない教職員がいたことから、都教委は従わなかった教職員に対し処分を行った。 平成23年1月28日東京高等裁判所判決 処分された教職員のうち401人は、「国歌斉唱の起立・強制は、憲法で保障された思想及び良心の自由を犯している」として、都と都教委を相手取り、平成16年1月から順次「強制される必要はないことの確認」と「処分を撤回する」ことを求め東京地方裁判所(東京地裁)に提訴した。平成18年9月21日にでた東京地裁判決では、教職員1人につき3万円の慰謝料支払いを都に命じた。 この判決を不服として都教委は平成18年9月29日、東京高等裁判所(東京高裁)に控訴した。控訴審判決が平成23年1月28日に東京高裁であり、一審・東京地裁判決を全面的に取り消し、教職員ら原告側逆転敗訴の判決を言い渡した。国旗の掲揚や国歌の斉唱は、従来、全国の公立高校の式典で広く実施されている。入学式などの出席者にとって、通常想定されかつ期待されるものである。 スポーツ観戦では自国ないし他国の国旗掲揚や国歌斉唱に、観衆が起立することは一般的である。教職員らが日の丸に向かって起立し、君が代を歌ったとしても、特定の思想を持っていることを外に向けて表明することにはならず、思想・良心の自由を侵害したとはいえない。 式典の国旗掲揚、国歌斉唱を指導すると定めた学習指導要領に基づいている。一方的な観念を子供に植え付ける教育を強制するものではない。 教職員は全体の奉仕者である地方公務員であり、法令等や上司の職務命令に従わなければいけない立場である。 一律に起立、斉唱するよう求めた都教育長通達には合理性があり、教育基本法が禁じる『不当な支配』にも当たらない として、入学式や卒業式で日の丸に向かって起立し、君が代を斉唱するよう義務付けた東京都教育委員会の通達は合憲と判断した。逆転敗訴に対し原告側は上告。
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