Supercarとは? わかりやすく解説

スーパーカー【supercar】

読み方:すーぱーかー

性能美しさ装備のよさ、価格などで並の自動車超えた車。スポーツカー中でも特に大型、強力で、手作りに近いもの。


SUPERCAR

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/23 10:25 UTC 版)

SUPERCAR
出身地 日本 青森県八戸市/十和田市
ジャンル
活動期間
  • 1995年 - 2005年
レーベル
公式サイト スーパーカー - SonyMusic
旧メンバー
SUPERCAR
YouTube
チャンネル
活動期間 2022年9月9日-
ジャンル 音楽
登録者数 1.43万人
総再生回数 722,797回
チャンネル登録者数・総再生回数は
2023年2月28日時点。
テンプレートを表示

SUPERCAR(スーパーカー)は、日本ロックバンド。活動期間は1995年 - 2005年。

メンバー

ボーカルギター作曲、シンセサイザー担当。青森県十和田市出身。愛称は「ナカコー」。バンド時代からNYANTORA名義でソロ活動を始め、解散後は、「iLL」として活動開始。

ギター、作詞担当。青森県十和田市出身。愛称は「ジュンジ」。初期は本名の石渡淳治名義で活動していた(作詞時も同名義を使用していた)。

解散後は音楽プロデューサー作詞家として活動しており、チャットモンチー9mm Parabellum BulletサウンドプロデューサーNONA REEVESSUEMITSU & THE SUEMITHなどの作詞提供、『ROCKIN'ON JAPAN』(ロッキング・オン)での連載などを手掛けている。

ベース、ボーカル担当。青森県八戸市出身。初期は本名の古川美季名義で活動していた。愛称は「ミキちゃん」。解散後はソロ活動を開始。2011年に再び中村と組み「LAMA」結成。

ドラムス担当。青森県十和田市出身。愛称は「コウダイ」。解散後はaM™[aem]として活動し、他アーティストのプログラミング、プロデュース、グランツーリスモ5グランツーリスモ6への楽曲提供等も行っていた。音楽活動を継続しつつ、2014年より青森県十和田市で一般職に就いている。

来歴

1995年、当時八戸市で寮生活を送っていた石渡が同市内の「楽器の文明堂」(既に閉店)に貼られていたバンドメンバー募集の張り紙に興味を持ち、そのバンドに連絡を取る。しかし一向に動きがみられなかったため、石渡が小学校時代からの幼馴染の中村と中学時代に野球部でバッテリーを組んでいた田沢を誘い、そこに張り紙を貼ったバンドのメンバーだった古川を逆に招く形で結成。バンド名は石渡が命名した[1]

同年の夏に初めて曲を作り、地元の「ビートルズマニアのおじさん」の家で5曲ほど録音したデモテープを秋にソニー・ミュージックのオーディションに応募したところすぐに返事が来る[2]。しかしデビュー契約ではなくスタジオ代を応援する旨の契約だった(いわゆる育成期間)。確実にプロになれる保証もなかったためメンバーは進路についてかなり悩んだが、ほとんどが進学や仕事を辞め音楽に専念する道を選ぶ。石渡は高専に通っていたため、彼のみ学校に通いながらバンド活動をしていた[1]。石渡がなぜ自分たちを通してくれたのかソニーの新人開発担当に聞いたところ、「字がきれいだったから」と言われたという。

1年間の育成期間を経て1997年4月にレコーディングを始め、同年9月21日にエピックレコードジャパン内のレーベル兼事務所「dohb discs」(ドーブ・ディスクス)からシングル「cream soda」でデビュー。デビューするまでライブ経験は無かった。同時期に登場したナンバーガール中村一義くるりらとともに「'97の世代」と呼ばれ、新世代のオルタナティヴ・ロックバンドとして注目される。翌1998年3月に石渡が高専を卒業し、4月1日に初のアルバム『スリーアウトチェンジ』をリリース。初動の売り上げは10万枚程度だったものの、長期に渡って売り上げを伸ばし実売は20万枚弱になる。この頃には当時勢いのあったバンド、TRICERATOPSなどと一緒に「スニーカー系」と呼ばれた。

デビュー当初はディレクターとメンバー4人でチームを作ってバンドの運営を行っており、ミュージックビデオ制作もそのチームで行っていた。またいわゆる「地元在住ミュージシャン」のはしりでもあり、レコーディングやプロモーションの際に上京するというスタイルで活動していた。東京ではホテル生活だったが、滞在期間を短くするために過密なスケジュールを組んでいたため、長い時には40連泊したこともあったという[1]。1999年の正月に上京。

2000年に発表された3作目のアルバム『Futurama』からはエレクトロニカを取り入れるようになる。これについて中村は具体的にROVOコーネリアスからの影響を挙げている。シングル「YUMEGIWA LAST BOY」には、エレクトロニカ、エレクトロサウンドを得意とするプロデューサー砂原良徳を起用。その次のシングル「AOHARU YOUTH」、アルバム『HIGHVISION』『ANSWER』には益子樹(ROVO、DUB SQUAD、ASLNなど)をプロデューサーに起用している。サウンドとリンクするように彼らは映像面でも田名綱敬一、宇川直宏などといった映像作家とのコラボレーションも行った。

2005年2月26日にSTUDIO COASTにて行われたラストライブをもって解散。解散理由は公表されていないが、後日雑誌インタビューで石渡は、活動後半からエレクトロサウンドに特化され始め詞より曲派の中村・古川と、詞を大切にしたい石渡とで方向性にズレが生じ始めたと語っている。

解散後

2011年、中村の監修による過去の音源の再構築アルバム『RE:SUPERCAR -redesigned by nakamura koji-』、後に『RE:SUPERCAR 2-redesigned by nakamura koji-』をリリース。

2017年9月21日のデビュー20周年を記念し、オリジナルアルバム5作がアナログ化され順次リリースされた。さらに2018年4月には初のオールタイム・ベストアルバム『PERMAFROST』がリリースされた。

2022年、公式YouTubeチャンネルが開設され、これまでのMVを順次公開している。

作品

シングル

  タイトル 発売日 規格品番
1st cream soda 1997年9月21日 ESCB-3220
2nd Lucky 1997年12月12日 ESCB-3222
3rd PLANET 1998年3月1日 ESCB-3225
4th DRIVE 1998年5月21日 ESCB-3227
5th Sunday People 1998年9月30日 ESCB-3229
6th My Girl 1999年2月3日 ESCB-3236
7th Love Forever 1999年5月12日 ESCB-3238
8th FAIRWAY 2000年2月2日 ESCB-3246
9th WHITE SURF style 5. 2000年10月12日 KSC2-350
10th Strobolights 2001年5月23日 KSC2-383
11th YUMEGIWA LAST BOY 2001年11月21日 KSCL-419
12th AOHARU YOUTH 2002年2月6日 KSCL-435
13th RECREATION 2003年2月14日 KSCL-496
14th BGM 2003年11月19日 KSCL-630:CCCD
KSCL-962:CD
15th LAST SCENE 2004年1月28日 KSCL-640:CCCD
KSCL-965:CD
16th WONDER WORD ep 2004年4月28日 KSCL-684:CCCD
リミックスシングル
1st RECREATION REMIX 2003年5月2日 KSCL-544
KSCL-956
12inchシングル
1st YUMEGIWA LAST BOY/AOHARU YOUTH 2002年2月22日 SYUM-218 <収録曲>

<SIDE A>

01. YUMEGIWA LAST BOY

02. Strobolights Remix (Remixed by Y. Sunahara)

<SIDE B>

01. AOHARU YOUTH

02. Strobolights Remix (Remixed by DUB SQUAD)

アルバム

  タイトル 発売日 規格品番
1st スリーアウトチェンジ 1998年4月1日 (CD)

2017年10月25日 (LP)

ESCB-3226:CD

MHJL-23:LP

2nd JUMP UP 1999年2月10日 (CD)

2017年12月20日 (LP)

ESCB-3237:CD

MHJL-29:LP

3rd Futurama 2000年11月22日 (CD)

2017年12月20日 (LP)

KSC2-362:CD

MHJL-30:LP

4th HIGHVISION 2002年4月24日 (CD)

2018年3月28日 (LP)

KSCL-450:CD

MHJL-32:LP

5th ANSWER 2004年2月25日 (CCCD)

2004年4月28日 (LP)
2005年7月27日 (CD)

2018年3月28日 (再発LP)

KSCL-648:初回生産限定盤CCCD
KSCL-649:通常盤CCCD

SYUM-2623:LP
KSCL-853:CD

MHJL-33:再発LP

企画盤

タイトル 発売日 規格品番 収録曲 備考
OOKeah!! 1999年5月15日 (LP)

1999年8月21日 (CD)

SYUM-0102:LP

ESCB-3243:CD

  1. OOKeah!!
  2. Sun Rider
  3. Jet Bee Town
  4. SATORI
  5. Flicker
  6. Summer Tune
  7. Desperado
  8. Light Up
  9. Dive
  10. MIAMI BEACH
OOYeah!! 1999年8月21日 (CD)

1999年9月10日 (LP)

ESCB-3244:CD

SYUM-0121:LP

  1. OOYeah!!
  2. BE
  3. MOTORBIKE
  4. Let's Go Party!!
  5. Noman
  6. Freshman Head (number 2)
  7. IONADISCO
  8. ONE
  9. Life Goes On
  10. HeLP
LIFE IN TOKYO DOHB 1997~2000 2000年6月28日 KSJ2-6040 完全生産限定盤 8EP+3LP

dohb discs時代にリリースした全シングル・オリジナルアルバムをアナログ化したボックス・セット。

スリーアウトチェンジ 10th Anniversary Edition 2007年4月4日 KSCL-1134
RE:SUPERCAR 1 -redesigned by nakamura koji- 2011年4月20日 KSCL-1755:初回生産限定盤
KSCL-1757:通常盤
  1. Walk Slowly
  2. Sun Rider
  3. I Need The Sun
  4. Drive
  5. Dive
  6. 333
  7. OOYeah
  8. Pink Rock
  9. Jump
  10. Lucky
  11. Wonderful World
  12. ONE
  13. Low Down
  14. Trip Sky
  15. Cream Soda
iLLのナカコーによる新たなアレンジ構成で作成されたコンセプトアルバム。
RE:SUPERCAR 2 -redesigned by nakamura koji- 2011年6月15日 KSCL-1790:初回生産限定盤
KSCL-1792:通常盤
  1. Strobolights
  2. JUSTICE BLACK
  3. Everybody On News
  4. WARNING BELL
  5. ROLLIN' ROLLIN'
  6. Flava
  7. Star Fall
  8. SHIBUYA Morning
  9. AOHARU YOUTH
  10. Free Your Soul
  11. SUNSHINE FAIRYLAND
  12. THE WORLD IS NAKED
  13. YUMEGIWA LAST BOY
  14. LAST SCENE
  15. Blue Subrhyme

ベストアルバム

  タイトル 発売日 規格品番 備考
1st 16/50 1997〜1999 2003年2月14日 KSCL-508 ファンの投票によって構成されたベスト盤。
2nd A 2005年3月24日 KSCL-765 シングル曲のA面曲を集めたベスト盤。リミックスシングルは未収録。
3rd B 2005年3月24日 KSCL-766 シングル曲のB面曲を集めたベスト盤。
4th PERMAFROST 2018年4月25日 KSCL-30036:初回生産限定盤

KSCL-30038:通常盤

デビュー20周年を記念したオールタイム・ベストアルバム。

映像作品

  タイトル 発売日 規格品番
1st P.V.D 1999年11月3日
2002年11月20日
ESVU-518:VHS
KSBL-5744:DVD
2nd P.V.D2 2002年11月20日 KSVL-5062:VHS
KSBL-5742:DVD
3rd HIGH BOOSTER+U.N VJ Works 2002年11月19日 KSBL-5752:DVD
4th LAST LIVE 完全版 2005年6月29日 KSBL-5810:DVD
5th P.V.D COMPLETE 10th Anniversary Edition 2007年4月4日 KSBL-5844:DVD

参加作品

タイトル 発売日 規格品番 収録曲
RESPECTABLE ROOSTERS a tribute to the roosters 1999年4月10日 COCP-50061 9. Case Of Insanity
Fine Time A Tribute to NEW WAVE 2004年2月25日 KSCL-646 Disc 2-5. Searching For Mr.Right
FILM BEAT #1 2004年9月22日 VICL-61505 4.YUMEGIWA LAST BOY
Ki/oon Records Overseas Compilation 2005年4月27日 KSCL-815
KSCL-817
6.Recreation
グッド・モーニング 2008年05月21日 MHCL-1298 11.YUMEGIWA LAST BOY
ソラニン songbook 2010年04月21日 KSCL-1576 7.Lucky
SPIRITS 30 ビッグコミックスピリッツ創刊30周年記念 TV & Movie テーマソング集 2010年05月26日 BVCL-97 DISC2-2.YUMEGIWA LAST BOY

タイアップ一覧

使用年 曲名 タイアップ
1997年 Lucky NHK-FMミュージック・スクエア』1997年12月・1998年1月度オープニングテーマ
1998年 DRIVE テレビ朝日系『少年少女B』エンディングテーマ
1999年 My Girl NHK-FM『ミュージック・スクエア』1999年2月・3月度オープニングテーマ
Flicker ミノルタ「VECTIS2000」CMソング[注 1]
2001年 Strobolights NECVALUESTAR」CMソング
YUMEGIWA LAST BOY テレビ東京系JAPAN COUNTDOWN』2001年12月度エンディングテーマ
2002年 AOHARU YOUTH テレビ東京系『麻布コネクション』2002年2・3月エンディングテーマ
テレビ東京系『JAPAN COUNTDOWN』2002年2月オープニングテーマ
Strobolights NEC「LaVie C」CMソング
アスミック・エース配給映画『ピンポン』挿入歌
YUMEGIWA LAST BOY アスミック・エース配給映画『ピンポン』主題歌
Free Your Soul アスミック・エース配給映画『ピンポン』挿入歌
Changes
Baby Once More
2003年 RECREATION REMIX mixed by Satoshi Tomiie 資生堂ANESSA」CMソング
HIRAMEKI INSPIRATION トヨタネッツ店」CMソング
2005年 STORYWRITER MBSTBS系アニメ『交響詩篇エウレカセブン』挿入歌(2005年 - 2006年)
2007年 Strobolights キリンMCダノンウォーターズボルヴィック フルーツキス レモン」CMソング
STORYWRITER PlayStation 2用ゲーム「Another Century's Episode 3 THE FINAL」収録曲
2008年 PlayStation 2用ゲーム「スーパーロボット大戦Z」収録曲
2010年 BGM テレビ東京系 ドラマ24モテキ』第1話モテ曲
2011年 AOHARU YOUTH[注 2] 弁護士法人 法律事務所 MIRAIO」CMソング
Strobolights iidaINFOBAR」CMソング
2019年 PLANET バリアフリー・フィルム・パートナーズ配給映画『リスタート:ランウェイ〜エピソード・ゼロ』エンディングテーマ

ヘビーローテーション/パワープレイ

テレビ

放送年 曲名 ヘビーローテーション/パワープレイ
1998年 Sunday People スペースシャワーTV 1998年9月度POWER PUSH!

主なライブ

ワンマンライブ・主催イベント

  • 1998年 - TOUR '98 "Hi Booster"
  • 1998年 - TOUR'98 "Sunday People"
  • 1999年 - TOUR '99 "JUMP UP"
  • 1999年 - TOUR '99 "OORight!!!!"
  • 2000年 - TOUR 2000 "FLOOR EXTRA"
  • 2001年 - TOUR 2001
  • 2002年 - TOUR 2002 "HIGHVISION"
  • 2004年 - TOUR 2004 "ANSWER"
    w/七尾旅人
  • 2005年02月26日 - スーパーカー・ラストライヴ

出演イベント

関連項目

脚注

注釈

  1. ^ フルカワミキがイメージキャラクターとして起用された
  2. ^ コンセプトアルバム『RE:SUPERCAR 2 -redesigned by nakamura koji-』に収録されているアレンジバージョン

出典

  1. ^ a b c Interview_ishiwatari of Communication Design Lab 望月衛介・音楽と広告”. onkou.com. 2020年10月4日閲覧。
  2. ^ 第112回 いしわたり淳治 氏 作詞家、音楽プロデューサー | Musicman”. 音楽業界総合情報サイト | Musicman. 2020年10月5日閲覧。

外部リンク


スーパーカー

(Supercar から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/16 16:30 UTC 版)

自動車 > スーパーカー
フェラーリ・F40
ランボルギーニ・カウンタック

スーパーカー(supercar)とは、自動車カテゴリのひとつである。主に高性能、高価格で特徴的なデザインのスポーツタイプの自動車に用いられる呼称だが、厳密な定義はない。

概要

スーパーカーに具体的な定義はなく、広辞苑では「高出力・高性能で、特徴的なデザインスポーツカー」と説明している[1]大辞泉では「性能・美しさ・装備のよさ、価格などで並の自動車を超えた車。スポーツカーの中でも特に大型、強力で、手作りに近いもの」と説明している[2]

定義としては最高速度が高いこと、エンジンの搭載位置がミッドシップであること、2シーターであることなどが挙げられる場合があるが、人によりその定義が曖昧であるため、スーパーカーか否かの議論になることがある[3]

類似する言葉として「スーパースポーツカー[4]」や「ハイパーカー」などの呼称も存在しているが、これもスーパーカー同様、定義は曖昧なものになっている[5]

スーパーカーという言葉を自動車メーカー自らが使用する場合もあり、フェラーリは通常モデルではなく限定モデル等にスーパーカーという呼称を使用している[6]ランボルギーニもスーパーカーという呼称を使用しているが[7]、同時に「スーパースポーツ」という呼称も使用している[8]。一方でポルシェブガッティは主に「スーパースポーツカー」という呼称を使用している[9][10]

スーパーカーと呼ばれる車種の多くは、エンジンや運動性能を優先した設計、構造になっている。そのため荷物を積むラゲッジスペースなども重量バランスを考慮し、車体の中央近くに配置することもあり、その限られたスペースのため実用性に乏しくなる場合もある[11]。座席数は2つ(2シーター)が多いが、サヴェージ・リヴァーレ・ロードヨットGTSのような4シーターであるがメーカーがスーパーカーを自称する車種も存在する[12]

量産される一般的なスポーツカーに比べ生産台数は極端に少なく、2桁の台数しか生産されていない車種もある[13]。メーカーがブランドイメージの低下を避けるため、意図的に生産台数を制限している場合もあり、フェラーリの創業者であるエンツォ・フェラーリは「求められる台数より1台少なく作る」と発言したとされ、ロードカーとして販売されたエンツォ・フェラーリは概算の顧客350人に対して349台しか製造されなかった[14]。一方で、大量生産ではコスト的に難しい特別仕様車を設定することが可能なため、パガーニ・アウトモビリのように顧客の要望に合わせたワンオフモデルを受け付けているメーカーもある[15]。限定モデルは特に高額なことから、F40は「走る不動産」とも呼ばれた[16]。限定品であるため希少性が高いことから新車よりも高額で売買されることがあり、資産運用の手段としても用いられるなど、美術品や工芸品のような扱いを受けている[17]

スーパーカーを生産する自動車メーカーは、生産する車種のすべてをスーパーカーとしている訳ではなく、フェラーリやランボルギーニではスポーツ性能と実用性の両面を重視した4人乗り以上のGTカー[18]SUVを生産している[19]

スーパーカーの定義が曖昧であるが故、軽自動車ダンプカーにも誇張表現として「スーパーカー」という単語が使われる場合もある[20][21]

スーパーカーの例

ここではメーカーにより「スーパーカー」や「スーパースポーツカー」と言及されている車種の一例を示す。

フェラーリは、288GTOF40F50エンツォ・フェラーリラ フェラーリなどのスペチアーレ系車種をスーパーカーとしている[22][23]

ランボルギーニはカウンタックディアブロムルシエラゴアヴェンタドールなどを「スーパーカー」または「スーパースポーツカー」としている[24][25][26][27]

ポルシェは 911ターボ959911 GT1カレラGTなどの車種を「スーパースポーツカー」としている[28]

この他ではケーニグセグ・CCXパガーニ・ゾンダマクラーレン・F1レクサス・LFA等の車種が、メーカーにより「スーパーカー」と言及されている[29][30][31][32]

モータースポーツ

世界ラリークロス選手権の"スーパーカー"

モータースポーツで使用されるレーシングカーもスーパーカーと呼称される場合があり、日本では2014年からグループGT3の車両をメインカテゴリとするスーパーカーレースシリーズが開催されていた[33]

オーストラリアではスーパーカーズ選手権(旧称「V8スーパーカー」)というツーリングカーレースが存在する[34]

また、世界ラリークロス選手権ではトップカテゴリー・クラスの車両をスーパーカーと呼称していた[35]

日本におけるスーパーカー事情

1970年代のスーパーカーブーム

日本では、1975年1月から週刊少年ジャンプで連載された漫画『サーキットの狼』(作:池沢さとし)などの影響で、当時の子どもたちを中心にスーパーカーの一大流行、いわゆる「スーパーカーブーム」が巻き起こった[36][37]。その中でも代表的な車種として、ランボルギーニ・カウンタック、フェラーリ・512BB、ポルシェ・911ターボ、ロータス・ヨーロッパランチア・ストラトスなどが人気の存在であった[38]

スーパーカー消しゴム

ブーム当時の日本では、車の購買層ではない低年齢層へのプロモーションとして、コカ・コーラの瓶の王冠の裏に車が描かれていたり[39]プラモデル、下敷き、筆箱、メンコ写真集ポスター、カード類、自転車、スーパーカーの排気音や動作音を収録したレコードなど、数多くのスーパーカーに関連付けた商品が発売された[40]。中でも人気を誇ったのがスーパーカー消しゴムと呼ばれるプラスチック製のミニチュアで、消しゴムという商品名ゆえ学校に持ち込んで遊ぶ生徒も多くいた[36][41][3]

テレビでもブームに便乗した番組が製作され、1977年の夏からは東京12チャンネル(現:テレビ東京)で、スーパーカーに関するクイズ番組『対決!スーパーカークイズ』が放送された。テレビアニメでは1976年の『マシンハヤブサ』を先駆けとして、1977年になると『とびだせ!マシーン飛竜』『超スーパーカー ガッタイガー』『激走!ルーベンカイザー』『アローエンブレム グランプリの鷹』が放映された[42][43][44]。児童向けマンガの世界でもすがやみつるが「『スーパーカーブーム』の柳の下のドジョウを狙った」という『ひみつ指令マシン刑事999』の他、ブームの渦中の1977年にすがやが連載スタートした4作品はいずれも自動車が題材であった[45]

ブームは過熱の様相を見せ、全国各地においてスーパーカーの展示会が行われた。1977年春に東京・晴海で行われたスーパーカーショー「スーパーカー・世界の名車コレクション77」では、4日間で46万人もの来場者があったといわれ、各メディアによってその人気が報じられた[3]。同年7月には同じく晴海で「ラ・カロッツェリア・イタリアーナ'77」というイベントが開催され、各国のカロッツェリアにより多くのコンセプトカーが展示された[46]

ブーム当時はスーパーカー見たさに販売店に通ったり、大通りでカメラを持ってスーパーカーを待ち構える子どもたちが多く見られた。シーサイドモーターなどの有名なスーパーカーショップでも、休日になるとカメラを持った子供たちが押し寄せていたという[3]。これを受けて自転車業界はスーパーカーのデザインを取り入れたジュニアスポーツ車(通称スーパーカー自転車)を発売し人気となった。

しかし、1977年後半ごろからスーパーカーショーの入場者は次第に減っていき、子どもたちの興味はブルートレインへと移っていった[37][47]1979年に『サーキットの狼』が連載を終了し、1980年にはシーサイドモーターが倒産するなど、1970年代の一連のスーパーカーブームは終焉を迎えた[38]梶原一騎はスーパーカーブームに当て込んで実写映画『マッハ'78』を製作したが、公開はブーム終焉後の1978年2月で、興行成績は今ひとつであったという[48]

バブル期のスーパーカーブーム

1970年代のスーパーカーブーム終焉から10年ほど経過した1980年代末、日本は空前のバブル景気に突入する。スーパーカーは不動産と同じく投機目的で購入され、プレミア価格で転売される状況となっていた。例として、新車価格が4,500万円のフェラーリ・F40は、一時期2億5,000万円まで価格が高騰した[3]

この時期におけるブームは「第二次スーパーカーブーム」とも呼ばれ、1970年代のブームが子ども中心であったのに対し、このブームでは商売目的の大人が中心となった[3]

バブル景気下では日本企業もスーパーカーに興味を持ち、ヤマハはF1用のエンジンを搭載したOX99-11を、ワコールの出資で設立されたジオット・デザインは童夢が開発を担当したジオット・キャスピタを発表するに至った[49][50]

その後、1990年代バブル崩壊とともにこのブームは終焉を迎えることになる。スーパーカーを販売する自動車メーカーには注文のキャンセルが相次ぎ、OX99-11とジオット・キャスピタも販売計画が撤回され、市販されることはなかった[49][50]

脚注

出典

  1. ^ 広辞苑第六版【スーパーカー】
  2. ^ 大辞泉【スーパーカー】
  3. ^ a b c d e f 『伝説の「スーパーカー」がよくわかる本』PHP研究所、2010年。ISBN 978-4569673073 
  4. ^ ポルシェのスーパースポーツカー”. porsche. 2021年12月19日閲覧。
  5. ^ 「ハイパーカー」と「スーパーカー」その線引きは?”. マイナビ. 2021年12月19日閲覧。
  6. ^ ENZO FERRARI”. ferrari. 2021年12月19日閲覧。
  7. ^ LAMBORGHINI MIURA SV: THE ICONIC SUPERCAR TURNS 50”. lamborghini. 2021年12月19日閲覧。
  8. ^ Lamborghini Countach LPI 800-4”. lamborghini. 2021年12月19日閲覧。
  9. ^ ポルシェのスーパースポーツカー”. porsche. 2021年12月19日閲覧。
  10. ^ BUGATTI EB110, VEYRON, CHIRON THE TRILOGY OF MODERN BUGATTI”. bugatti. 2021年12月19日閲覧。
  11. ^ 荷物の積み方が予想外過ぎる!? 変わった場所に荷室があるクルマとは”. くるまのニュース. 2021年12月19日閲覧。
  12. ^ ROADYACHT GTS”. savagerivale. 2021年12月19日閲覧。
  13. ^ 価格は2億5千万円? メルセデス・ベンツ「CLK-GTR」とはどんなクルマ?”. くるまのニュース. 2021年12月19日閲覧。
  14. ^ 【読者の質問】『FX』改め『エンツォ・フェラーリ』の販売台数”. response. 2021年12月19日閲覧。
  15. ^ 完成まで2年以上を費やしたワンオフモデル「パガーニ ゾンダ キリュウ」とは?”. genroq. 2021年12月19日閲覧。
  16. ^ 2億5000万円の価値を持つ「F40」 なぜ「走る不動産」と呼ばれた? バブル象徴するスーパーカーとは”. くるまのニュース (2022年10月18日). 2025年6月10日閲覧。
  17. ^ 日本放送協会 (2025年6月10日). “フェラーリなどスーパーカー転売で利益 約5億円の申告漏れ指摘 | NHK”. NHKニュース. 2025年6月10日閲覧。
  18. ^ フェラーリ GTC4ルッソ、4WD・4シーターを採用した異端モデルの実用性とは?”. genroq. 2021年12月19日閲覧。
  19. ^ デビュー4周年を迎えたウルス、ランボルギーニ史上最多販売台数を更新中”. genroq. 2021年12月19日閲覧。
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  21. ^ 世界一遅いスーパーカーをドライブ…レッドブル×キャタピラーがコラボ”. response. 2021年12月19日閲覧。
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  43. ^ 小野塚謙太『超合金の男 村上克司伝』〈アスキー新書〉アスキーメディアワークス、2009年、p.48
  44. ^ 「田宮武 あれほどの映像感覚の持ち主は、実写の世界でも見あたらない」『PLUS MADHOUSE 04 りんたろう』スタジオ雄構成・編集、キネマ旬報社、2009年、p.137。『グランプリの鷹』プロデューサーの田宮武曰く「あの当時、スーパーカーブームというのがあって、それに追随したTVアニメが4本ぐらいあったんですよ」
  45. ^ すがやみつる『コミカライズ魂 「仮面ライダー」に始まる児童マンガ史』河出新書、2022年、pp.272-273
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  47. ^ 串間努『少年ブーム 昭和レトロの流行もの』晶文社、2003年、p.264
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  50. ^ a b 【スーパーカー年代記 055】「OX99-11」はヤマハが技術の粋を集めて市販を目指したタンデムのスーパーカー”. Webモーターマガジン. 2022年4月29日閲覧。

関連項目

外部リンク


Super Car

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 08:56 UTC 版)

MotorStorm3 〜モーターストーム3〜」の記事における「Super Car」の解説

スーパーカー最高速加速優れているが、オフロードに弱いうえに曲がるときにスピンしやすいまた、水たまりでは減速してしまう。

※この「Super Car」の解説は、「MotorStorm3 〜モーターストーム3〜」の解説の一部です。
「Super Car」を含む「MotorStorm3 〜モーターストーム3〜」の記事については、「MotorStorm3 〜モーターストーム3〜」の概要を参照ください。

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