3つのマズルカとは? わかりやすく解説

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モシュコフスキ:3つのマズルカ

英語表記/番号出版情報
モシュコフスキ:3つのマズルカ3 Mazurkas / Trois Mazurkas Op.60初版出版地/出版社: Ries & Erler, Schirmer 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 ト短調 g-mollNo Data No Image
2 ヘ長調 F-durNo Data No Image
3 ニ長調 D-durNo Data No Image

デーラー:3つのマズルカ

英語表記/番号出版情報
デーラー:3つのマズルカ3 Mazurkas Op.53

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 ラ・メロディエーズ La MélodieuseNo Data No Image
2 調和 L'HarmonieuseNo Data No Image
3 踊り La DansanteNo Data No Image

ブルメンフェーリド:3つのマズルカ

英語表記/番号出版情報
ブルメンフェーリド:3つのマズルカ3 Mazourkas Op.35

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 アレグロ・グラツィオーソ 変イ長調 Allegro grazioso, As-durNo Data No Image
2 アンダンティーノ・コン・トリステッツァ 、マ・センプリーチェ ハ短調 Andantino con tristezza, ma semplice, c-mollNo Data No Image
3 アレグロ・エネルジコ 変ホ長調 Allegro energico, Es-durNo Data No Image

ショパン:3つのマズルカ (第30-32番)

英語表記/番号出版情報
ショパン:3つのマズルカ (第30-32番)3 Mazurka (G:/As:/cis:) Op.50 CT80-82作曲年: 1841?年  出版年1842年  初版出版地/出版社: Mechetti, Wessel, Schlesinger  献呈先: L&eacuteon Szmitkowski

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 30番 ト長調 No.30 op.50-1 G dur2分30秒
2 31番 変イ長調 No.31 op.50-2 As dur3分00
3 32番 嬰ハ短調 No.32 op.50-3 cis moll5分30秒

作品解説

2007年7月 執筆者: 齊藤 紀子

 この3 つのマズルカは、レオン・シミトコフスキ氏に捧げられている。
1曲目ト長調ヴィヴァーチェ16小節コーダを持つマズルとなっている。転調し、ホ短調になる部分では、ポーランド民謡特徴的な拍子曖昧さ感じられる
2曲目変イ長調アレグレット。8小節序奏を持つクヤヴィアクである。中間部マズルとなる。ハネカーにより「典型的な貴族的マズルカ」とされた。
 3曲目嬰ハ短調規模大きめであるが、ショパンマズルカの中では最もマズルカらしくないマズルカとなっている。それは、ショパン作品特徴的な対位法的手法用いられいるからであろうそのような手法によりながらも、このマズルカは、対位法的なクヤヴィアク開始し、オベレク、マズル、オベレク…と3種マズルカすべてが響く。20小節コーダを持つ。


クヤヴィアクマズル、オベレクの説明こちら佐藤展子さんの連載ページ)。

Fryderyk Chopin “Mazurki na fortepian”ed. I.J. Paderewski, L. Bronarski, J. Turczynski Warszawa : Instytut Fryderyka Chopina 1996


ショパン:3つのマズルカ (第33-35番)

英語表記/番号出版情報
ショパン:3つのマズルカ (第33-35番)3 Mazurka (H:/C:/c:) Op.56 CT83-85作曲年1843年  出版年1844年  初版出版地/出版社: Breitkopf & Härtel  献呈先: Catherine Maberly

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 33番 ロ長調 No.33 op.56-1 H dur5分30秒
2 34番 ハ長調 No.34 op.56-2 C dur1分30秒
3 35番 ハ短調 No.35 op.56-3 c moll6分00

作品解説

2007年7月 執筆者: 齊藤 紀子

 この3つのマズルカはカトリーヌ・マベルリー嬢に捧げられている。
1曲目ロ長調はアレグロ・ノン・タント。調性捉えにくい導入部開始するマズルとオベレクの2つ楽想から成り、曲の最後にはこれら2つ楽想融合されることが特徴的である。
 2曲目ハ長調ヴィヴァーチェ空虚5度効果的に用いられるマズルである。曲の途中では、リディア旋法も響く。また、中間部には、カノンの手法がみられる
 3曲目ハ短調モデラートマズルカとしては規模大きめで、クヤヴィアク開始し、オベレク、クヤヴィアクマズル…と変化に富むまた、49小節にわたるコーダを持つ。

クヤヴィアクマズル、オベレクの説明こちら佐藤展子さんの連載ページ)。

Fryderyk Chopin “Mazurki na fortepian”ed. I.J. Paderewski, L. Bronarski, J. Turczynski Warszawa : Instytut Fryderyka Chopina 1996


ショパン:3つのマズルカ (第36-38番)

英語表記/番号出版情報
ショパン:3つのマズルカ (第36-38番)3 Mazurka (a:/As:/fis:) Op.59 CT86-88作曲年1845年  出版年1845年  初版出版地/出版社Stern, Wessel 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 36番 イ短調 No.36 op.59-1 a moll5分00
2 37番 変イ長調 No.37 op.59-2 As dur3分00
3 38番 嬰ヘ短調 No.38 op.59-3 fis moll4分00

作品解説

2010年2月 執筆者: 菅野 雅紀

《3つのマズルカ》作品59は、1844年から手がけられ、1845年完成した作品は、生前出版されマズルカの中で唯一誰にも献呈されていない
1844年当時ショパン体調は相変わらず良くならなかったが、加えてジョルジュ・サンド息子モーリスとの確執決定的になったことが、創作遅らせる一因となったといわれている。モーリスなにかにつけショパン敵対しその間に立たされたジョルジュショパンにかける愛情限定的になっていったショパンにとって居心地よかったノアンは、もはや耐え難い空気包まれていたといわれ、ポーランド語での話し相手でもあった使用人ヤンも、モーリスらの嫌がらせを受け解雇されることとなってしまった。
このような苦境のなか、祖国へ思いをこめて作られたのがこの作品59マズルカである。1845年7月ワルシャワ家族宛てた手紙の中では、ショパンは「わたしは根っからのマゾビア人(ポーランド地方で、マズルカ生んだとされる地域)だから、これというともなく新しマズルカ書くことができた」と伝えており、マズルカ祖国の血に繋がる音楽であることをはっきりと言明している。
楽譜交渉の末、1845年11月ごろにドイツシュテルン社から出版された。これまでショパン作品大半はブライトコップフ・ウント・ヘルテル社から出版されていたが、オーギュスト・レオから新たに出版業はじめたシュテルン社を紹介されたこともあり、このマズルカシュテルン社から出版することとなったブライトコップフとの関係が悪化していたわけではなく結局この後作品は、再びブライトコップフから出版されることになる。フランス初版も、ブランデュス社という新し出版社から出版されているが、これは、フランスでショパン楽譜大部分出版していたシュレジンガー社がブランデュス社に買収された故の出
12 版社変更であった。ブランデュス社とは、この後継続的な関係をもっていくこととなった

イ短調 作品59-1Moderato
嘆きかけるような単旋律からはじまり、複合三部形式A: || BCA || DDEE?A’ || B’CAcodaという形式をもつ。再現部分にあたるA’-B’は冒頭から半音下に転調しているため、主題回帰したことを印象付けられるのは結尾部直前になってからであり、形式曖昧性意図されている。
それぞれの動機主題は、典型的なマズルカリズムをはっきりと示しているが、それぞれの経過部はきわめて自然に移行するように書かれているどこからともなく新し舞踏ステップへと移り変わっていく様は、あきらかに円熟したショパン作曲技法発揮され部分といえるだろう。
3曲のマズルカとして生前出版されもののなかで、第1曲に短調置かれているのは本作品のみである。それ故か、結尾部諦観繰り返された後、最後に現れる大きな上行の跳躍音は、次の活力満ちた第2曲に対す期待感じさせる


変イ長調 作品59-2 ― Allegretto
1844年メンデルスゾーンショパンに「古い友の願いとして、私の妻に数小節簡単なものでよいのですが、何か書いていただけませんか」との書簡送っていた(11月3日付)。この手紙への返答として、ショパン1845年10月8日付けで、このマズルカ楽譜送った
「数小節音楽」という要望応えるかのように本作品の中心をなすのは4小節短く快活な動機である。作品全体はこの短い動機繰り返しながら、きわめて単純な三部形式をなしているが、はじめの繰り返しでは対旋律加えられ多声的に、中間部の後には左手によって低音部で奏でられるように変奏されることで、単純な曲想ながら豊かな色彩感を見事に表現している。
ショパン円熟した作曲技法は、これらの主題変奏のほか作品のおよそ4分の1占め結尾部にも凝らされており、第85小節からは完全な下行半音階奏でるソプラノ下行する全音音階奏でるテノールを含む、四声の多声的なゼクエンツ絶妙な転調美しさ醸し出している。


嬰ヘ短調 作品59-3 ― Vivace
ショパンマズルカ好んでVivace」と付けており、「Allegretto」と並んでマズルカ代表的な楽想表記となっているが、「Allegretto」が短調長調いずれのマズルカにも用いられているのに対して、「Vivace」はもっぱら長調マズルカ用いられる表記である。その中で唯一短調マズルカに「Vivace」と付けられたのがこの作品59-3である。
Vivaceとともに f が指示され冒頭主題は、作品59第1曲目マズルカとは異なり憤怒するかのような激し感情示している。それに対し長調奏でられる中間部は、穏やかに甘美な旋律奏でられ、祖国家族過ごした平穏な時を思い出しているかのようである。まさに、サンド家の紛争渦中思わぬ苦境激し感情をいだきつつ、前年家族との再会懐かしむショパンの姿が反映されたかのようである。
楽曲の形式は非常に複雑であり、AABBAA’ || CDEDEA” || AAF || Ecodaとなっている。冒頭からの発展仕方は、他のマズルカにもよく用いられ複合三部形式と同じであるが、中間部の後には主題Bは再現しない。ロンド風の巡回形式としても不完全であり、これまでのマズルカ用いられ形式をもとに、きわめて自由に発想されものといえるだろう。
多声的な変奏技法はこの作品にも用いられており、冒頭主題ははじめの再現では内声部に半音進行下行音型が付け加えられ2度目再現では左手によって、2小節遅れのカノンとして奏される結尾部嬰ヘ長調転調し、激高する感情抑え希望を見いだそうとする前向きな響きの中で締めくくられる。


ショパン:3つのマズルカ (第39-41番)

英語表記/番号出版情報
ショパン:3つのマズルカ (第39-41番)3 Mazurka (H:/f:/cis:) Op.63 CT89-91作曲年1846年  出版年1847年  初版出版地/出版社: Breitkopf & Härtel  献呈先: Comtesse Laure Czosnowska

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 39番 ロ長調 No.39 op.63-1 H dur2分00
2 40番 ヘ短調 No.40 op.63-2 f moll2分30秒
3 41番 嬰ハ短調 No.41 op.63-3 cis mol2分30秒

作品解説

2007年7月 執筆者: 齊藤 紀子

 この3 つのマズルカは、ラウラ・チョノフスカ伯爵夫人捧げられている。ショパン存命中に出版され最後マズルカとなっている。
1曲目ロ長調ヴィヴァーチェ。オベレクの性格併せ持つマズルとなっている。曲の途中でクヤヴィアク挿入されるまた、中間部イ長調転調する
2曲目ヘ短調レントノクターン風のクヤヴィアクである。中間部マズルとなる。そして、曲全体通して変化和音多用されている。
 3曲目嬰ハ短調アレグレットクヤヴィアク中間部典型的なマズルとなる。また、コーダでは、オクターヴ・カノンの手法が用いられ幻想的な雰囲気醸し出している。前曲と同様にノクターン風の性格を持つ。

クヤヴィアクマズル、オベレクの説明こちら佐藤展子さんの連載ページ)。

Fryderyk Chopin “Mazurki na fortepian”ed. I.J. Paderewski, L. Bronarski, J. Turczynski Warszawa : Instytut Fryderyka Chopina 1996


バークリー:3つのマズルカ

英語表記/番号出版情報
バークリー:3つのマズルカ3 Mazurkas Op.32-1作曲年1949年  出版年1951年  初版出版地/出版社Chester 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1  No.1 Allegrpo2分30秒 No Image
2  No.2 Allegretto2分00 No Image
3  No3. Allegro2分00 No Image

3つのマズルカ

英語表記/番号出版情報
キュイ:3つのマズルカThree Mazurkas Op.79作曲年1909年  出版年?年  初版出版地/出版社: Jurgenson 
グリエール:3つのマズルカ3 Mazurkas Op.29作曲年1906年  出版年1907年  初版出版地/出版社: Jurgenson 
スタトコフスキ:3つのマズルカ3 mazurkas Op.2
マルモンテル:3つのマズルカTrois Mazurkas Op.35
マルモンテル:3つのマズルカTrois mazurkas Op.139出版年1881年  初版出版地/出版社au Mén éstrel 
ドライショック(ドライショク):3つのマズルカTrois Mazurkas Op.109



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