2000年代の言及とは? わかりやすく解説

2000年代の言及

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/24 07:39 UTC 版)

オブジェクト指向」の記事における「2000年代の言及」の解説

2003年アラン・ケイオブジェクト指向貢献チューリング賞受賞し知人から改めオブジェクト指向の意味尋ねられケイは以下のようにメール返信している。このメール60年代末からの構想さり気なく簡潔にまとめたものとしてしばしば引用される。ここでは文章順に各要点抜粋していく。 I thought of objects being like biological cells and/or individual computers on a network, only able to communicate with messages.(さながら生物細胞もしくはネットワーク上の銘々のコンピュータ、それらはただメッセージによってコミュニケーションする存在、僕はオブジェクトをそう考えている) 上記ケイ本来のオブジェクト在り方述べたものであり、特に解説はしない。 I wanted to get rid of data. The B5000 almost did this via its almost unbelievable HW architecture. I realized that the cell/whole-computer metaphor would get rid of data, ...(僕はデータ取り除きたかった。これをバロースB5000驚くべきHWアーキテクチャでほとんど実現していた。僕は気付いた細胞/全体コンピュータメタファはデータ除去きるであろうと、) ここでプログラムかデータ取り除きたいという考え提示されている。 My math background made me realize that each object could have several algebras associated with it, and there could be families of these, and that these would be very very useful.(僕の数学専攻経験がこれを気付かせた。各オブジェクト幾つかの関連付けられた代数持ち、またその系統群もあるかもしれない。それらは大変有用になるだろうと) ここでの代数は、プロセス代数か、プログラミング適用した代数的構造とも解釈できるOOP to me means only messaging, local retention and protection and hiding of state-process, and extreme late-binding of all things.(僕にとってのOOPとは、メッセージング、ステートプロセスの局所保持かつ保護かつ隠蔽徹底的な遅延バインディングこれだけの意味だった) メッセージング造語近くメッセージパッシング類似の概念であり、ただのリモートプロシージャコールとは異なることが明言されている。ステートプロセスは、データコード一元化概念であり、これも造語である。遅延バインディングは、シンボル実体結合ランタイム決定する概念である。 One of the things I should have mentioned is that there were two main paths that were catalysed by Simula. The early one (just by accident) was the bio/net non-data-procedure route that I took. The other one, which came a little later as an object of study was abstract data types, and this got much more play.(僕が触れるべきだった一つは、Simula触媒にした二本の道があったということだ最初一本バイオ/ネットな非データ手順で僕が選んだ方。少し遅れたもう一本抽象データ型でこっちの方がずっと賑わっている) ここで抽象データ型に対しての、非データ手順(non-data-procedure)というワード登場する振る舞い通してデータを扱うというデータ抽象概念を、更に抽象化したものが非データであり、代数学で言う写像だけでデータ表現するという概念指している。これにケイ生物学専攻背景にしたバイオ/ネット(bio/net)なる考え加えられている。 And the very first problems I solved with my early Utah stuff was the "disappearing of data" using only methods and objects. At the end of the 60s (I think) Bob Balzer wrote a pretty nifty paper called "Dataless Programming", and shortly thereafter John Reynolds wrote an equally nifty paper "Gedanken" (in 1970 I think) in which he showed that using the lamda expressions the right way would allow data to be abstracted by procedures.(ユタでの専攻知識で僕が解決した最初期問題メソッドオブジェクトのみを用いてデータ消滅だった。1960年代末にBob Balzerはデータレス・プログラミングというものを書き示した直後1970年John Reynoldsラムダ式用いての手順によるデータ抽象化方法書き示した) 非データ手順(non-data-procedure)に関連付けられるものとしては、代数的構造圏論の射や関手構造Futuresとpromises(英語版)、ポイントフリースタイル(英語版)、プロセス代数アクターモデル自由モナドなどが挙げられるThe people who liked objects as non-data were smaller in number,(非データとしてオブジェクトを好む者は少なかった、) ここで歴史に戻る。1970年前後になるとソフトウェア危機としても語られるプログラム規模拡大対応するために、サブルーチンデータをまとめたプログラムモジュールという機能登場した。それと同時期の1967年オルヨハン・ダールらはクラスという機能備えたSimula67を開発し1969年からエドガー・ダイクストラ抽象データ構造という概念備えた構造化プログラミング提唱した1974年からIBM社中心の研究者たち構造化分析/設計総称される技法発表し構造化プログラミングはこちらに取って代わられた。1972年からアラン・ケイメッセージングという概念備えたオブジェクト指向誕生させている。オブジェクト指向は後にクラス・パラダイムにマウントされている。 構造化設計は、サブルーチン複合体データ構造扱っている具象データconcrete data技術である。Simula発のクラスダイクストラ発の抽象データ構造は、プログラムモジュールにカプセル化継承多態性備えて抽象体として扱おうとする抽象データabstract data技術である。そしてアラン・ケイ本来のオブジェクトとは、プログラムモジュールを生物学代数学観点から再解釈した非データnon data技術であった構造化開発1980年代まで主流であり、続けてオブジェクト指向主流になったが、現在においてもクラスをただのデータメソッド複合体として扱っているようなオブジェクト指向は、構造化開発大差ないものになり「具象データ」から「抽象データ」への思考転換難しさ物語っている。モジュール抽象化提唱され始めたのは1970年代であったが、同時期にアラン・ケイは「抽象データ」を更に抽象化した「非データ」を構想していた。

※この「2000年代の言及」の解説は、「オブジェクト指向」の解説の一部です。
「2000年代の言及」を含む「オブジェクト指向」の記事については、「オブジェクト指向」の概要を参照ください。

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